第358話

「私は…、お前ら阿久津兄弟に、全てを奪われたンだ……」  

 多胡たごは凶二を睨み返した。

「な、何ィ~…」


「娘を殺され、妻も後を追うように……もはや、失うモノはない」


「ぬゥ~……」

「誰が、お前の兄貴を殺してくれたか、知らないが感謝してるよ!!」


「何だとォ~…!?」

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