第165話 九鬼神 天真《テンマ》

 だが、どう見ても怪しい。

「ほっといて下さい……」

 美女は視線も合わせず小さく呟いた。


「ボク、九鬼神 天真テンマって言います! 小説家なンです!!」

「え……!?」

 少しだけ興味が湧いたのか、九鬼神を見た。長髪でモデルのようなイケメンだ。


「ま、全然、売れてないンで、開店休業中ですけどねぇ…!

 ハッハ……」

 白い歯がこぼれた。

「良かったら名前を教えて貰えますか!?」


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