第44話

「バァ~ーカ…、オレを誰だと思ってるンだ!?」

 

「知るか! ただの一般パンピー高校生だろ! 口だけ番長のクセに……!!」

颯太おまえなァ~…!!」

 チラッとボクの方をうかがった。

 かすかにドアが開いていた。

「じゃァ、開けるぞ!!」

 意を決し、多羅尾はソォ~ッと爪先をドアの隙き間に引っ掻け、思いきり開け放った。

 その瞬間、

「うゥ……!!」

 小さく多羅尾が呻き声を上げた。

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