ザ・デビル

大鳥翔太朗

序章

プロローグ


人間はこの世の生物系の中で頂点に君臨する生物だ。


それゆえに人間は常に求める。


あれが欲しい、これが欲しい。


莫大な富が欲しい、圧倒的な美貌が欲しい、世界を動かす権力が欲しい。


それも手に入ればまた別のものを欲する。


人間の欲に底はない。


満たされれば飢え、満たされれば飢える…。


そんな頂点に君臨する人間で遊ぶ生物が太古より存在する。


それが悪魔だ。


悪魔は人間と契約を交わし、人間を欲望のどん底へ落とす。


契約者の欲するものすべてを与え続ける。


やがてすべてを手にした人間は、見合わぬ力ゆえに破滅を迎える。


悪魔たちはそれを楽しむ。




これは悪魔と契約を交わしたある少年の話である。

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