第406話 プール開き
6月下旬。
チート学園では毎年恒例の行事であるプール開きが行われていた。
プール掃除という大役を終えた俺たちチート学園2年S組の生徒が、ご褒美として完全自由時間の一番プールを満喫していたのである。
「セーヤくん、こっちこっちなのじゃ。一緒に遊ぶのじゃ」
「んー?」
リューガンがちょんちょんと可愛らしく俺の肩をつついてきた。
「あ、ちょっとリューガン! こっそり独り占めなんてずるい! セーヤくん独占禁止協定違反なんだからね! ねぇセーヤくん、こっちでみんなでビーチボールで遊ぼうよー。もってきたんだー」
すかさず、圧倒的美貌と高いコミュ力を武器にクラスをしきっているミロノヴィーナスちゃんが割って入り、
「やろーやろー」
「セーヤくんと一緒に遊びたい人ー!」
「「「「はーい!!」」」」
近くにいた女の子たちが次々と追従して声を上げる。
うーんそうだな……。
すごく期待されてるし、やっぱりここは女の子たちみんなで遊びたいかな……?
「お、ビーチボールか。いいな。何よりその言葉にものすごくリア充を感じるぞ……! なぁリューガン、こっちでミロノヴィーナスちゃんたちと一緒にビーチボールやろうぜ、な?」
「む、わかったのじゃ……」
リューガンは素直にうなずくと、俺の後を追うようにしてみんなのところにやってきた。
「ルールはシンプル。1タッチでパスをあげ続けて、水面に落としたら負けだよー」
ミロノヴィーナスちゃんが簡単にルールを説明する。
ビーチボールは4個もあって、しかも動きづらいプールの中だから、同時にパスがきたりすると落としちゃうってゲームなわけか。
まぁ罰ゲームがあるわけでもないし、みんなでわいわい楽しくやるとするか。
「4個もあればみんな次々触れるだろうし、全然ボールに触れず寂しい思いをする子もいなさそうだな……」
そのあたりはぬかりなし。
しっかりと気配りが行き届いているミロノヴィーナスちゃんだった。
さすがは自他とも認めるクラスのまとめ役さんである。
そしてこのビーチボールという遊び。
他愛もない子供のお遊びなんだけど、女の子たちに囲まれてきゃっきゃうふふしながらやると、
「きゃっ。あ、ごめんセーヤくん」
「ううん、いいんだよ、気にしないで」
二人の間に飛んできたボールをですよ?
当然、二人で同時に取りにいって軽く接触とかしちゃうわけですよ!
モデル顔負けな抜群のスタイルを誇るミロノヴィーナスちゃんの下着同然で露出した素肌が、水に濡れてぬるっと擦れあうわけですよ!
「えへへ、しっぱいしっぱい……」
とか言って俺の腕の中で恥ずかしそうにきゅっと身体をすくめちゃうわけですよ!
さらには、
「ふわっ、すごーい! セーヤくんの身体ひきしまってるね、やっぱ男の子だー」
とか言われちゃうわけですよ!?
しかも胸元を指でつんつくされながら!
「なんだこれ!? 想像した以上にグレイトすぎる……! これから毎日、水泳の授業が楽しみだな!」
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