第335話 両手に花
その日の夜。
必死にウヅキに弁解している情けない俺をみた巫女エルフちゃんが、ほんわかーと言った。
「だったら今晩、一緒に寝てはどーですかー」
その一言で、
ぴょこん!
と、可愛く一回小さく跳ねたウヅキ。
そのままきょろきょろあわあわしている間に、手際よく巫女エルフちゃんがお布団を運び入れ、俺の布団と連結してダブルサイズにして――、
今、俺は右にウヅキ、左に巫女エルフちゃんを両手に花で腕枕していた。
すでに灯りは消されていて、部屋の中は真っ暗だ。
でもその分だけ――視覚が失われた分だけ、聴覚や嗅覚、触覚は鋭敏になっていて。
まず女の子の甘い匂いがいけないんだよ。
頭の奥を酩酊させるようなその女の子スメルを嗅ぐと、なんかもうそれだけでムラムラしてくるんだよ。
しかも二人とも俺にの方を向いて、横になりながらくっついてくるので、魅惑のおっぱいが俺の身体にふよふよーん、ふよふよーんって当たりまくるわけですよ!
甘えたように体を寄せてくると、やわやわがむぎゅーってなるわけですよ!
「このダイレクト感……! 間違いない、二人ともノーブラだ……!」
女の子は寝る時にブラジャーをしないっていうのは、本当だったんだな!
やれやれ、また一つ大人の階段を上ってしまったぜ……。
加えて、話しかけられるたびに、吐息で耳元がくすぐったくてビクッってなっちゃうんだよ。
音量を落とした吐息のようなささやき声が、俺の脳をとろけさせちゃうんだよ……!
しかもだよ?
「はおー
巫女エルフちゃんに『覇王流添い寝術』なるものを指南されたウヅキの手が、俺の太ももとかおなかを服の下からじかにさわさわっと触ってくるんだよ!
もちろん覇王流の正統継承者たる巫女エルフちゃんも、積極的にお触りしてくるし!
「ぁ……っ」
なんて声も、思わず漏らしちゃうわけですよ!(俺が)
女の子に密着されて、柔らかいおててでソフトタッチでお触りされて――俺の股間の《
こ、これはあれか、あれなのか!?
ウヅキと巫女エルフちゃんのダブルメロンパイで、しっぽり3Pしちゃう感じなのか!?
どう考えてもそうだよね!?
でもでも俺ってこれが初体験なんだよ?
そんなすごすぎる初体験をしちゃったら、俺は間違いなくまっとうな夜の営みでは満足できなくなっちゃうんじゃないかな!?
いやもちろん、ノーではないけどね?
オールオッケー、グリーンライトでイエスでウェルカムだけどね?
ヒャッハー!
あとは流れでお願いします!!
俺の初めての異世界性活はまさかの3Pおっぱい祭りだったのか……!
据え膳食わぬは男の恥。
いや、お膳立てしてくれた女の子にも恥をかかせることになる!
つまりこれは女の子を傷つけないための、献身的3Pおっぱい祭りであるからして……!
ありがとう異世界転生!
ありがとうアリッサ!
いざ、めくるめく大人の階段を超特急の3段飛ばしで――、
「夜もだいぶ更けてきましたし、そろそろ休みましょうか」
「そーですねー」
「えっ?」
「セーヤさんと同じお布団に入って、くっつきながらお話できて。えへへ、わたしとっても楽しかったです」
「はおー
「えっ? ええっ?」
困惑する俺を置き去りにして。
すぐに両隣が静かになったと思ったら、すやすやと規則正しい息遣いが聞こえてくる。
「え? いやちょっと? あの??」
「すやー」「すやすやー」
「いやあのマジでただ一緒に添い寝するだけなの? 3人で行う、うれし恥ずかしの夜の組体操は? 心も身体も、俺はもう準備はばっちりなんだけど!?」
というか準備万端すぎて、このまま寝るとか無理なんですけど!?
ぎんぎんなんですけど??
ちょっとぉ!!??
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます