第265話 子供部屋精霊
《精霊神竜》の待つ天空フィールドへとついて早々、
「まったく! 一人じゃ勝てないからって今度は男連れで2体1で勝負ってわけ? 最強のSS級の看板も地に落ちたもんね! っていうか実際、地面に落ちてたけど! ぷーくすくす……」
息を吐くように一煽りかましてきた《精霊神竜》。
しかも、強さにこだわる《
『いい度胸じゃの小精霊。今度こそ本気で消し炭にしてくれるのじゃ。その口の軽さをあの世で未来永劫悔いるがよい――!!』
いつもの《
しかし今の《
「可哀そうなやつじゃの――」
まるで《精霊神竜》を憐れむようにそう言ったのだ。
「は? かわいそう? どういう意味よ?」
「言葉通りの意味じゃよ、可哀そうなボッチの小精霊」
「な――っ!? だれがボッチですってぇ!?」
唐突に可哀そう、ボッチと言われ憤慨する《精霊神竜》。
「だってそうじゃろう? 大昔の精霊契約に縛られたままこの地を動けず、友と呼べる友人も、信頼できる仲間もおらず。やることと言えば一人寂しくガーゴイル製作にいそしむこと……これが可哀そうでなくてなんなのじゃ」
「し、失礼ね! ちゃんとなぞなぞを考えたり、迷いの森を作ったりもしてるじゃない!」
「精霊さん、それは何の反論にもなっていないのでは……」
むしろ逆に《
「ほんに可哀そうなやつじゃの……ずっと一人で引きこもってきた、言うならばそう、子供部屋精霊さんなのじゃ……」
「誰が子供部屋精霊よ! うるさいわね! いいでしょアタシがどう生きようがアタシの勝手だし! ライフスタイルの多様化ってやつよ!」
「そうじゃのぅ、確かにいろんな生き方があるのじゃ」
「分かってるなら、なんでそんな可哀そうなものを見る目で見てるのよ! っていうか、むしろ可哀そうなのはアンタの方じゃない! 最強とかいいながら《
「やれやれ、物事を強いか弱いかでしか計れんとはの……」
いや、それをお前が言うなよ……。
思ったけれど思っただけで、空気を読んで口にしなかった自分を自分で褒めてあげたい。
「それにひきかえ、今の
最後に《
若干ちょっと――いや完全に上から目線で、勝ち組が負け組を小ばかにするような笑い方だった。
「むっかー!? なんなのその自分は何でも知ってますぅ、教えてあげるわぁ、みたいな調子こいた態度! はらたつー!!」
子供部屋精霊さんと、愛の深さを知った《
ここに至って両者の関係性は完全に逆転していた。
《精霊神竜》がいくら煽ろうとも《
むしろ《
「もー、いいっ! だったら2人まとめて凹ってあげるだけの話だかんね!」
その言葉と共に《精霊神竜》から虹色のオーラが立ち昇る――!
舌戦では今の《
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