第263話 堕ちたな、王竜……!!
「……?? えっと、
俺の言葉の意図が分からなかったのか、《
「これからやることはさ、俺たちの初めての共同作業なんだよ」
「初めての、共同作業……?」
まだよく分かってないみたいな感じの《
俺はそんな初心で可愛い《
「そうさ、俺と君にしかできない、他の誰にもできない。これは俺たち二人だけの、初めての共同作業なんだ」
「
「そう、みんなには今話していることは全部内緒だ。俺と君だけが知っている、二人だけの秘密の共同作業だ」
「う……なにか、いかにもとってつけたような調子の良いセリフなのじゃ……あ、いや、素敵は素敵なのじゃが……少しもやもやするのじゃ……まさかとは思うが、
「ははは、そんなまさか?」
ちっ……さすがはSS級だ。
女心をもてあそんじゃうこのS級チートたちも、完全には効いてくれないか……!
だけど《
だったら――!
俺はここを説得の勝負所とみて、さらなる追撃のチートを――母性くすぐり系S級チート『上目づかいで可愛くお願い』を発動した!
必殺の上目づかいで《
「君が負けるなんて俺は1ミリも思ってないさ。でも、俺にも戦うチャンスを分けてほしいんだ。これは俺のワガママだ。だから俺のためと思って、一緒に戦ってくれないかな? ね、お願い(キラリーン!) ね?(キラキラリーン!)」
・ラブコメ系S級チート『ただしイケメンに限る』
・自律感覚絶頂反応系S級チート『ASMR』
・たらし系S級チート『すけこまし』
・母性くすぐり系S級チート『上目づかいで可愛くお願い』
超ナンパなS級チート
「う……いやしかし、奥方殿の目をたばかって2人で一緒などと、そのようなことは
「燃えてきちゃうだろ?」
「あ、う……」
図星をつかれたのか、《
もうちょっとだ、一気に行くぞ、最後の一押しだ!
「演出系S級チート『星の王子様』発動!」
俺と《
少女漫画でイケメンが登場する時、背景に花やら星やらが舞っているのを再現するという、ただそれだけのアホみたいなS級チートである。
「君と一緒に戦いたいな」
「う……ぁ……」
しかしこれらS級チートのごり押し連打によって《
ただでさえ俺に惚れているせいで甘い言葉に弱い《
「別にウヅキを裏切って浮気するとか、そういうんじゃないんだし。ただちょっとだけ二人の心の距離が近づいた――二人だけの秘密ができたってこと。だから、ね。お・ね・が・い♪(キラキラキラリーン!)」
最後の上目づかいを受けて、《
この反応は間違いない。
堕ちたな、王竜……!!
「……そ、そうまで言われては仕方ないのじゃ。奥方殿を裏切るわけでもないのじゃし……ふふっ、
《
邪悪すぎて本気で怖い。
この顏、どう見ても世界征服を企む悪のドラゴンです……。
「うーん、ちょっとやりすぎたかな……?」
俺もチートの魔性に引っ張られて、完全に別人みたいになっちゃってたし……。
今後の関係性が少々不安になる俺だった。
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