俺に小学生の義妹が出来た日々
アキノリ@pokkey11.1
君との出会い
俺達の歌
第1話 俺と夢、鈴さんとの出会い
小学校、中学校、高校、大学。
各それぞれの今までの人生を思えば、俺、矢島浩介の人生のほぼ全てが最低最悪のものである。
何処が最悪なのかと聞かれたら、簡単に答えてしまうと先ず俺の昔の容姿だ。
昔は一人っ子のデブの低身長の眼鏡の汗かきで人が誰も寄って来ない高校3年間でのイジメがそれは半端じゃ無かった。
更に凄いナヨナヨしていて、周りには相当にキモい奴に見えたんだろう。
ズボンを脱がされ、便器の水は飲まされ、虫は食わされ。
人生最悪の1だ。
「もう直ぐ来るぞ。浩介」
「.....」
そんな俺は大学に入って運動部に所属して、痩せて、コンタクトにして、一応身長も168センチまで伸びた。
友達も1〜2人は出来てそこそこにはなった気がする。
大学を卒業したら友達なんて居なくなったけど。
高校の時の奴らも恨みは有る。
「.....ハァ.....」
俺は息を吐いた。
今でも恨みに思う事が有って親父との仲は最悪だ。
それは親父が母親と離婚した事だ。
これが人生最悪の2。
言うまでも無く俺の妬みになったのだ。
これは高校時代のイジメの糧にもなっていたし、許せなかった。
ガチャッ
「.....来たか」
「.....?」
来たかとの合図で合鍵を持った女性と女の子が入って来る。
外着で、女の子は恥ずかしいのか女性の後ろに。って。
女の子?
俺は眉を顰めた。
子供が居るとは聞いたけど、女の子かよ!
俺は思って親父を睨む。
「今日から宜しくお願いします、十島鈴です。そして、こっちに居るこの子が、十島夢です。.....浩介くん、晴彦さん、宜しくお願いします」
俺は盛大にため息を吐く。
2018年の9月、丁度一ヶ月前に親父は再婚した。
その再婚理由は俺が大学卒業して落ち着いたからである。
でも俺は猛反対だった。
何故なら、母親じゃない赤の他人で結婚相手には連れ子が居たからである。
何でこんな女性と今、結婚をと思った。
子供って女の子かよ。
「.....頭を下げろ。浩介」
「宜しく」
少しながら棒読みで俺は鈴という、可憐に見える人に挨拶をする。
茶髪に若干白髪が混じっているが、調和していて美しい。
更に若々しい顔立ち+清楚で絵になる様な感じでとても綺麗。
なんだろうか、若い時にアイドルでもやってそうな感じだなぐらいに。
その為、背後に隠れている少女も。
恥じらっているせいかチラチラ見える程度の少女も童顔だが、何処ぞの子役の様に顔立ちがやたらに整ってかなり可愛い。
俺はロリコンじゃ無いけど.....と言うかもうそういうの卒業した。
将来有望だと思われる。
「その.....宜しくお願いします!.....お兄さん」
「赤の他人に兄貴と呼ばれる筋合い.....」
その言葉を途中まで話しているとゴンッと頭に親父から拳骨が飛んできた。
俺はまさかの事に痛みで涙目になる。
いや、赤の他人にお兄ちゃんなんて呼ばれる筋合いは無いから。
完全に事実でしょ。
「まぁ、仲の宜しい事。うふふ」
「いやいや、鈴さん。コイツとはまだまだ。.....ハハハ」
「.....この.....」
俺は怒り交じりで居たが社会マナーも有るので、盛大にため息を吐いて落ち着いた。
その合間に鈴さんはクスクスと笑い、親父も恥ずかしそうに笑う。
クソが、と思って俺は子供を見る。
子供は、にへら、として俺に笑った。
俺は余りの面倒臭さにまた盛大にため息を吐く。
新しい家族が出来てしまった。
小学生少女の妹。
そして、鈴さんという義母が、で有る。
イライラする日々が続くな畜生め。
☆
「えっと、私達はこれからの話をするから、夢。浩介さんに遊んでもらって」
「浩介。遊んでやってくれ。少し話したらお前にも話すから」
その様に親父と鈴さんは会話してリビングの扉が閉まる。
何を話すのか知らんが、エッチな話でもする気か?
最低最悪だ。
俺は再びため息を吐いてそして背後を見る。
超ニコニコしている夢が居る。
うざったく見た。
「ねぇねぇ!何して遊ぶ?お兄さん!」
「.....お前にお兄さんと呼ばれる筋合いは無い。そして遊ばない。俺は上がって寝るからお前も勝手にしてくれ」
「.....え.....」
何コイツ、この世が終わった様にショック受けた様な顔をしてんだ。
いや、お前だって10歳だろ。
自分で.....え!?
俺は見開いて驚愕した。
「.....ウェ.....」
「いやいや、ちょ!?泣くなよ!?」
夢は思いっきり涙目になる。
ちょっと待ってくれ、俺そんな威圧したか!?
勘弁してくれよ!
「いや、お前10歳なんだろ!自分で遊べよ!それぐらい.....」
「ふぇ.....」
なんで!?
って言うか、これはヤバい!
このまま泣かれたらまた親父の拳骨が飛んでくる。
まぁ俺が親父を殴れば良いけど、そういう訳にはいかないだろうし。
「.....クソッタレめ.....厄介な.....」
俺は絶対に妹は欲しく無い、一人が良い。
その様に、改めて思った日だ。
俺は夢の手を引いてそして、俺の部屋に案内する。
なんで俺が10歳の女にこんな事を。
「.....グスッ.....お兄さん?」
「お前にお兄さんと呼ばれる筋合いは無い。が面倒臭いからもう何とでも呼べ」
「じゃあ、お兄!」
「それで良いよもう面倒臭い」
かったるい、俺はその様に思いながら。
まだ学習机とか片付けて無い様な、俺の自室に案内する。
確かどっかにシ○バニアがどっかに。
なんで有るかって?
俺の昔の孤独の遊び道具。
親父が買ってくれたんだけど完全にお門違いだとは思う。
「ここがお兄の部屋!.....えっと、お兄.....怒ってる?」
「そんなに話し掛けんな。俺は喋るのが嫌いなんだ」
「.....」
うわ、面倒臭っ!
こんなロリ美少女泣かせるとかどんなクソや、とか周りに言われそうだ。
キャラ物Tシャツ、短パンそれから、リュック、黒に茶色がかった長い髪、童顔で、目鼻立ちが整い、更に大きな目の下に泣き黒子。
んで大きな目を縁取るほっそい眉毛。
明らかに誰が見ても美少女。
なのにこれはウザい。
まるで子供をあやしている様な感じだ。
「.....シルバ○ア出すからそれで遊んでろよ.....頼むから」
「でも.....」
「分かったよもう.....」
俺を見ながら泣き顔から、パァッと明るくなる夢。
10歳の女の子って全員がこんな感じだっけ?
何だか俺の記憶とは違う様な気がする。
頭がおかしいのか俺?
「.....これが死ぬまで続くのか?」
面倒臭い事に巻き込まれてしまったな、と、重いながら俺は頭をガリガリ掻く。
だが、そんな中で俺は夢に何か違う感じを受けていた。
何かってのは、何かだ。
印象が、じゃ無い。
何だろうか、この気持ちは.....。
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