宗教

今日も彼女は19世紀終わりに死んだはずの神に祈っている。財産のほとんどを貢ぐ姿に見かねた家族が忠告した日、金切り声で涙を散らして狂乱する老女を見て、私はあのお茶目で可愛い祖母を失ったのだと知った。私達が彼女の心の拠り所にならなかったために、いないはずの神に奪われたのだ。

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Twitter140字内超短編まとめ 火星七乙 @kaseinao

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