#3 嵐のあと

嵐のあとの町。

道に見知らぬ人達が立っている。

彼らの一人は家の屋根を見上げている。

彼らの一人は家の前を通る道を見つめている。

彼らの一人はその手に掃除道具を持っている。

彼らの一人は所在なさげに青空を仰いでいる。

皆別々のことを考えているようでいて、その実、何も変わらない。

ただ、静かにぼうと、其処に立つだけである。

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