第2話 無に包まれ

僕はもう死んでいる。




とっくの昔に死んでいる。




僕の世界も死んでいる。




死が満ちる、死んだ世界は無の世界。




僕はそう呼んでいる。




もう死ねないよ。




僕が何度叫んでも、




それは僕を追ってくる。




どこまで行ってもついてくる。




だけど、僕は誰にも追われてない。




どこまで歩けど無の世界。




花の一つも咲いていない。




僕は何かに追われてる。




どこまで逃げてもやってくる。




僕は誰かを探してる。




僕は何を探してる?




僕は死にたい、生きたくない。




僕には何かがやってくる。




何かが僕にやってくる。




僕はもう死んでいる。




無が、僕を包み込む。

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