第十九話 パパイナ島到着

 ずいぶん昔から栄え続けるパパイナ島の港町はいつでも活気づいている。


 カトリーヌと聖獣ジスはパパイナ島カカアカラ街の市場を目指す。

 ご機嫌に荷車を押しながら歩いていると、なにやらザワザワと人だかりができて騒ぎが起きていた。


『カトリーヌ。誰かが助けを呼んでいる』

 聖獣ジスがテレパシーで語りかけてくる。

『ジス。マント出して』

『分かった』

『芋をよろしく』

『無論了解だ』


 ジスが荷車の中に右手をつっこむと光って、マントとクワがどこからか出てきた。

 小さな荷車にそんな大きさはないのに。

 どこにしまわれていたのか。

 聖獣のちからか。


 バサアッとフード付きの薄手のマントを頭からかぶり右手にクワを持ち、カトリーヌは小走りに軽やかに喧騒の方に向かって行った。

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