第十話 顔馴染み
「いやー。さすがジス様ですね」
目の前の火の鳥がしゃべった。
「いつからだ? お前、気配も姿も完全に消えていたから分からなかったぞ。能力が上がったのか」
ジスが火の鳥に話しかけると
「いやあ、ちょっとはつよくなりましたかねえ」と、火の鳥が笑って照れた。
「ジス。この子って聖獣だよね?」
「そうだ。こいつは魔導師にくっつくことになっている」
ルビアス王子は、鳥と犬が仲良くお喋りする
「知り合いなの?」
「まあな」
「知り合いも知り合い。かなりな旧知の仲です。天界ではジス兄さんにはえらいお世話になりました」
――天界。
天上世界。
そこは聖獣が住む世界。
生きとし人が入りこめない世界。
「ワタクシ、名前を火の鳥のバルカンと申します。以後お見知りおきを。漆黒の勇者エリザベート様」
火の鳥バルカンはニコォっと笑った。
「かっ、可愛い。……思わずぎゅってしたくなるわ」
エリザベートはバルカンの荘厳でも人懐っこい雰囲気に胸がキュンッと高鳴った。
大好きな愛馬と接する時のように――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。