旅度

相田秀介

夢幻の如く

東京旅行に来る度にひとつまたここに居た事が過去になっていく。


その過去が足枷のようについているような気にして

ずっとすがっている。


あっという間に過ぎた。

夢幻の如く。


来年もし来ることがあればまた同じことを思うのだろうか。

それとも違う思いが出るのだろうか。


そんな今の自分の目の先には

あの都会に居た昔の自分がただ笑っている。


田舎から出た大学生の頃の自分。

幼い頃からの夢をやめてアキバで働き出した頃の自分。

なにもできなくなって動けなくなった頃の自分。


あれから15年。

俺はどうにかまだ生きている。


帰りの新幹線の中は少し涼しい。

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旅度 相田秀介 @nanado

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