第1773話、わたくし、『響け!ユーフ◯ニアム』は、是非とも原作も読むべきと断言しますの☆(その9)
「──レイナー、一体どういうこと⁉ タッキー総統閣下の親衛隊長を辞めるって、本気なの⁉」
欧州カンサイ方面最強最大の軍事国家、『ユーフォニアム第三期帝国』の親衛隊長官室にて響き渡る、オーマ=フォン=クミコー国家元帥の、悲鳴のごとき大音声。
それに対して、レイナー=フォン=コサック親衛隊長官──否、『元』長官のほうは、顔をうつむけたままその表情を一切見せず、黙々と荷造りを続けるばかりであった。
「……まさか、レイナー、泣いているの?」
信じられなかった。
あのレイナーが、まるでそこらの同年代の乙女そのままに、メソメソ泣いているなんて。
ほんのつい最近も、毎年恒例の総統を讃え上げる音楽の祭典、『意志の勝利』の練習期間において、新米の親衛隊楽団員に対して、しごきにしごき常に罵詈雑言を浴びせると言った『パワハラ』の限りを尽くして、各『まとめサイト』で取り上げられて、ネット中のアニオタ連中の間で話題になったと言うのに。
「──いやホント、一体何が有ったわけ⁉ あんなにタッキー総統に心酔し忠誠を誓っていたあなたが、親衛隊隊長を辞めるなんて、青天の霹靂以外の何物でも無いんですけど⁉」
「…………私、見たの」
ようやくつぶやかれる、嗚咽まじりの声。
「見たって、何を?」
「……総統の亡くなられた、『奥様』の肖像画」
──ッ。
「……あれを、見たの?」
まずい。
あれだけは、レイナーに見せたくなかったのに。
「クミコー? その反応ってまさか、あなた知っていたの?
総統の奥様が、カオリー=セコハン前親衛隊隊長──そう、私自身が失脚させて追放した、あの下手くそな喇叭を吹くことしか能が無い役立たずと、そっくりそのままだったことをッ⁉」
──‼
「ちょ、ちょっと、レイナー、落ち着いて!(喇叭吹きは、あんたも同じだろうが⁉)」
「──落ち着いてなんか、いられるものですか! あの肖像画を見つめる総統閣下のお顔つきの、この上なき切なさときたら! いまもあの人は、奥様のことを忘れられないのよ! 彼女そっくりの女を、どんなに能無しであろうと、親衛隊長に取り立てて、自分の側に置くほどにッ!」
──うおいっ⁉ そんなに『能無し』連呼するなよ⁉
いい加減にしないとそろそろ、原作の『
「……いや、そこのところは、気にしなくてもいいのでは? 現親衛隊長であるレイナーに関しては、同レベルの美少女とはいえ、奥様やカオリー先輩とは方向性が違うし、顔とかで選んだのでは無く、間違いなく実力で選ばれているのだし」
「──だからこそ、許せないのよ!」
「はあ?」
「……総統は私のことなんて、『使える部下』──つまりは、『道具』としてしか見ていないのよ! 奥様や前の親衛隊長のように、『女』としては見てくれていないのよ! 私がいくら頑張って総統に尽くそうが、彼の心は今も、亡き奥様や
そのように大声でわめき立てるや、再びその場にうずくまりながらうなだれて、後はただ嗚咽を漏らすばかりであった。
「……レイナー」
相変わらず、何てストイックな女なんだろう。
──言えない。
むしろタッキー総統のほうは、亡き奥さんに対する思慕は思慕として、男女関係に関しては結構イージーで、
実はこの私とも何回も、『
「──絶対に、言えるわけ無いだろ⁉」
☀ ◑ ☀ ◑ ☀ ◑
メリーさん太「……何だ、これ?」
ちょい悪令嬢「──それはそれとして、例の『BanG Dre○m! ITS MyG○!!!!!』のBDについての続報なのですが、同封のサントラCDを聴いてみたところ、BD収録の本編のように音量『不足』では無かったものの、今度は明らかに音量『過剰』なんですよねえ〜。そりゃあ『不足』しているよりはマシかと思いますけど、ちょっとボリュームを上げると、音が『割れて』しまうのはどうなの? ホント『ブシ○』のやつらって、【アニメ版】を【リアルバンド商法】の『おまけ』としか見ていないんじゃ無いの? 4万円も取るのなら、もっと『商品管理』に気を使えよ? それにしても、今回収録されているCRYCH○C版『人○になりたいうた』が、『と○りちゃんボーカル』ヴァージョンなのには、意表をつかれたわね。ある意味こちらのほうが『完成品』と言えるので、わざわざ新録してくださった熱意と手間とには、素直に感謝の意を表すわ。──でも、番組本編のファンとしては、オリジナルの『祥○ちゃんピアノソロヴァージョン』も聴きたかったと言うのが、正直な感想ね。できれば『ショートヴァージョン』でいいから、一緒に収録してもらいたかったわ」
メリーさん太「──まあた、『BanG Dre○m! ITS MyG○!!!!!』の円盤に対する
ちょい悪令嬢「おっと、すみません。本来ならこのCDに関しても『ベタ褒め』するところであり、新録された『人○になりたいうた』と『春○影』に関しては、大絶賛するはずだったのですが、現在『反転アンチ』として進化中ですので、どうしてもひねくれた意見になってしまうのですわ」
メリーさん太「……ホント大丈夫か? そのうち思い余って、変な事件を起こすんじゃねえぞ?」
ちょい悪令嬢「大丈夫です、本作の作者は『ブシ○』様が、日本のどこにあるかも知りませんから………………知ってしまえば、『何を』するか、わかりませんからね」
メリーさん太「──怖い怖い怖い! もうすでに、大丈夫じゃ無いだろ⁉」
ちょい悪令嬢「まあ冗談はさておいて、今回の冒頭の【寸劇】についてですが、実は昨日『まとめサイト』の幾つかで、今期春アニメの『響け!ユーフ○ニアム』最終章の第3話について、『高坂麗○はパワハラが過ぎるのではないか?』と言う論争が起こっていることが取り上げられていて、その中の一つの意見に、『麗○は部員のことも吹奏楽部全体のことも考えておらず、すべては愛するタ○先生のために行動している』と言うふうに指摘されていたのですよw」
メリーさん太「──『真理』じゃんwww」
ちょい悪令嬢「この三年生としての最後の年にこそ、自分の力で先生を全国大会に連れて行って、『金賞』をとらせると言うのが、彼女の悲願ですからね」
メリーさん太「そのためには『鬼』にもなるし、『パワハラ』も辞さないってわけか?」
ちょい悪令嬢「でもそれはすべて、『虚しい努力』に過ぎないんですけどね☆」
メリーさん太「え、何で?」
ちょい悪令嬢「以前申したでしょ? 実はタ○先生の今は亡き奥さんて、他でも無く、中世古香○先輩に似ていたって。確かに麗○ちゃんの演奏技術は抜群ですが、それによって香○先輩の最後の見せ場を奪ってしまったことは、教師としてはともかく、亡き妻のことを今も偲んでいる一人の『男』としては、どうしても好意的に見ることができず、先生は麗○ちゃんのことをあくまでも、『演奏が上手く自分にも従順な、便利なコマ』としか見ていないのですよ」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「そんなことも知らずに、彼女が『パワハラ』かどうかでもめ続けるなんて、情弱どもの滑稽なことw 何せ『ユーフ○って、原作は関西弁なのかよ⁉』とか、今更驚いている始末ですからねwww」
メリーさん太「──いや、ほんの十日ほど前は、うちの作者も似たようなものだったろうが⁉」
ちょい悪令嬢「──とにかく! 『ユーフ○』【アニメ版】を真に理解するためにも、【原作小説版】は必読ですので、もしもあなたが『ユーフ○』ファンなら、是非とも一度手に取ってくださいませ! 特に『入門書』としては、【短編集】がお薦めですよ♡」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます