第1214話、わたくし、真の傑作アニメとは『匂わせ』が上手な作品だと思いますの⁉(後編)

ちょい悪令嬢「──ええ、『完全なる平等主義』こそが何よりも優先されて、ほんの少しでも差別的言動を行ったら、たとえそれが未成年の子供であっても、『思想矯正所』へと強制収容されると言う、『セントール○悩み』の『ディストピア』そのものの世界観こそは、まさしく現在の『人類は皆平等』とか『ジェンダー平等』とかほざいている『小うるさい勢力やつら』に対する、痛烈なる皮肉であり、一部の『全体主義的国家』に対する明確なる批判ともとれるのです」




メリーさん太「……ホントこの御時世に、いい度胸だよな」




ちょい悪令嬢「ちなみにこの作品て、日本の漫画が原作ですが、アニメの制作自体は(超皮肉な話にも)、『中つ国(仮名)』の会社が行っていたりします★」




メリーさん太「──よりによって当の『悪平等の全体主義国家』かよ⁉ その会社のスタッフさんって、今無事でいるの⁉」




ちょい悪令嬢「なんか最後のほうは突如として作画崩壊していたから、制作途中でスタッフの皆様が、あの国独自の『思想矯正所』に強制収容されていたりしてw」


メリーさん太「──何の根拠も無い、『風評被害』はやめなさい!」


ちょい悪令嬢「まあとにかく、このように現実的に多大なるリスクを負いながらも、『セントール○悩み』においては、まさしく理想的な『匂わせ』を実現できたと言うのに、今期の夏アニメの各作品の体たらくときたら、嘆かわしい限りですわ……」


メリーさん太「……そんなに『匂わせ』作品て、有ったっけ?」


ちょい悪令嬢「まず『RW○Y 氷○帝国』については、『論外』レベルのダメダメでしたわね」


メリーさん太「──結局ディスるんじゃん⁉」


ちょい悪令嬢「だって、『米国オリジナル版』をすでに見ている人なら先刻ご承知の、各種『匂わせポイント』について、まったく『匂わせ』ていなかったのですから、もはや言語道断でしょう?」


メリーさん太「……うん、オズ○ン学長が完全に『いい人』のままで終わったのは、元からのファンとしては不満を隠せないよな」


ちょい悪令嬢「唯一の『匂わせ』としては、ルビ○ちゃんが例の『銀の瞳のスーパーパワー』を使ったことくらいですが、あまりにも前後の脈略が無さ過ぎて、いかにも『取ってつけた』ようでしか無く、むしろ『初見勢』の皆様にとっては、何が何やらわけがわからなかったのでは無いでしょうか?」


メリーさん太「て言うか、今回の日本版スタッフって、『RW○Y』の世界観もキャラ設定も、ちゃんと把握していなかったんじゃ無いのか? 最もスポットライトが当てられたワ○ス嬢なんて、本来あんなキャラじゃ無いはずだぞ?」


ちょい悪令嬢「そうですよね、タカビーなお嬢様キャラなのはほんの最初の頃だけで、全編ほとんど己の境遇にくよくよ悩んだりせずに、つねに最もルビ○ちゃんのすぐ側にいて、のんきに大活躍していっている、どちらかと言うと『ネアカ』キャラなのにw」


メリーさん太「まあ、でも、『氷○帝国』の最大の功績は、『RW○Y』と言う超傑作の存在を、日本のアニメファンに広く知らせてくれたことだよな」


ちょい悪令嬢「でもそれは、たまたま『GYA○!』様がご親切にも、米国オリジナル版を日本語吹き替え仕様で全話無料配信なさってくださっているから言えることで、もしこれが『ソシャゲアニメ』だった場合、全話視聴した後で有料のゲームを始めたいとか思えますか?」


メリーさん太「……それってつまり、『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィ○チーズ』や『咲うアルスノ○リア すんっ!』に関しては、言い逃れのしようもなく、『匂わせ』失敗ってことか」


ちょい悪令嬢「『ルミナスウィ○チーズ』については、『氷○帝国』同様に、『匂わせ』もへったくれも無い段階で、大失敗しておりますけどね」


メリーさん太「──あんたそれで本当に、『シ○フト』様の熱烈なるファンなの⁉」




ちょい悪令嬢「だって『ごち○さ』なんかとは違って、『ウィ○チーズ』シリーズが『戦時中』であることは、もはや完全に『周知の事実』だと言うのに、まさか当【座談会】で予想していたように、戦争そっちのけで『歌って踊ってなんかいい雰囲気でごまかしてハッピーエンド』しているんですよ⁉ しかも主人公のジニ○ちゃんて、そんじょそこらのウィ○チ顔負けの、『戦争に適合したウィ○チ』なんだろうが⁉ 歌と踊りなんかにかまけていないで、戦闘に参加しろよ! 少々戦況を挽回したところで、『ネウ○イ』相手に油断はできないんだろうが⁉ 一人でも優秀な『戦闘ウィ○チ』が必要なんだろうが⁉」




メリーさん太「──駄目よ! 女の子を正論で追い込んでは、駄目えッ!」




ちょい悪令嬢「……ま、まあ、これ以上述べると『アンチ』そのものになりかねないし、昔ながらの『ス○パン』ファンの皆様には意外にも好評のようですし、この辺にしておこうと思いますが、これもひとえに『シ○フト愛』の為せる業ですので、そこら辺のところは誤解無きようよろしくお願いいたします」




メリーさん太「……『戦闘用』と言えば、『プ○マドール』も同様なんだけど、あっちのほうはどうなんだ?」


ちょい悪令嬢「あちらのほうは、『戦争』がどうのこうの以前に、主人公の『灰ざ○ら』ちゃんの正体が、『桜○』さんであるかも知れないと言った『匂わせ』こそが、最大の焦点でしょう」


メリーさん太「──ああ、ほとんどの人がそのように予想していたのに、『斜め上』の真相になったのは、結構意外性が有ったよな⁉」


ちょい悪令嬢「……う〜ん、そこら辺に関しては、むしろ不満が有るんですけどね」


メリーさん太「どうしてだよ?」




ちょい悪令嬢「結局、『桜○さんをすぐ側で見守っていたキャラ』が、二人もいたことになるではありませんか? これって一人に統一したほうが、もっとわかりやすくなり、ストーリー展開も簡潔になったのでは無いでしょうか?」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「例えば、桜○さんが戦場において無茶な命令を遂行し続けることによって暴走をし始めた際に、(前回述べた『自動バックアップシステム』そのままに)桜○さんの記憶の一部を記録していたマスコットロボとか双子の妹の自律人形オートマタとかが、己の身を挺して彼女を止めて、そのためにボディは修復不可能なまでに破壊されるものの、最後の力を振り絞って、自分のメモリーを桜○さんにインストールすることによって、昔の穏やかな桜○さんを復活させると言う、『ビターエンド』とかどうでしょうか?」




メリーさん太「──ホントもう、うちの作者が脚本書いたほうが良かったんじゃないのか⁉」




ちょい悪令嬢「ですから、こういった他人様の作品を見ていて思いついたアイディアは、自分の作品づくりに役立てていけばいいんですってば」




メリーさん太「……それで、残るは『咲うアルスノ○リア すんっ!』なんだけど」


ちょい悪令嬢「……ええ、これこそが一番の、『問題作』でしたわね」







ちょい悪令嬢&メリーさん太「「──何で、あれだけ全編において散々『匂わせ』ておいて、何も起こらずに終わってしまうんだよ⁉」」







ちょい悪令嬢「もうね、完全に開いた口が塞がりませんよ。──しかも、よりによって、アニメ版は独自に『すんっ!』とかタイトルに付けて、『匂い』をテーマにしておいてさあ。…………もしかして、視聴者を煽っているのかよ?」


メリーさん太「でもこれって、冗談半分とはいえ、ほとんど第1話から予想できたことなんだよな」


ちょい悪令嬢「ええ、なんかわざわざ『WARNING』とか文字通り『警告』して、『匂わせ』を強調アピールしたパートが、いかにもわざとらしかったですからね」


メリーさん太「だからって、本当に『匂わせ』だけで終わらせるかあ?」


ちょい悪令嬢「ある意味、それこそアニメファンの間で冗談半分に言われていた、『殺伐とした(ゲームとかの)原作をアニメ化するのなら、いっそのこと(作中の数少ない)『日常系萌え』パートのみに特化したほうが、ファンも喜ぶのでは?』──を実践したとも言えるかも知れませんね」


メリーさん太「うん、まさにその通りだけど、その結果『クソアニメ』決定だし、このアニメを見ることによって、『原作ゲームのほうもやってみよう』なんて思う奇特な御仁は皆無だろうよ」


ちょい悪令嬢「それなのに、うちの作者ってば、全話視聴してしまったんですよねえ……」


メリーさん太「それはアレだ、制作陣に『どんでん返しの鬱展開』で定評が有る、『ニト○プラス』様が参加していたからだよ」


ちょい悪令嬢「『ニト○プラス』様の作品で、OPからあんなに盛大に『匂わせ』られたんじゃ、絶対何かあると思ってしまいますよね」


メリーさん太「おそらく終盤には、『日常的萌空間』はあっさりと破壊されて、ヒロインたちは情け容赦なくみなごろし──ってのが、大方の予想だったよな」


ちょい悪令嬢「……それが結局、『何も無かった』なんて」


メリーさん太「……その勇気は認めるけど、それは『駄目な勇気』だろうが?」




ちょい悪令嬢「結局、今期の『匂わせ』作品は、全部『大失敗の期待外』れと言っても過言では無いでしょう」




メリーさん太「むしろ最初からイケイケだった、『リコ○ス・リコイル』や『エンゲ○ジ・キス』や『サマータ○ムレンダ』や『ダンジ○ンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』や『ようこそ実○至上主義の教室へ』なんかの、大勝利だったよな」




ちょい悪令嬢「……とはいえ、うちの作者としては、そのような『予定調和』な作品は、どうにも物足りないところであり、制作スタッフの皆様におかれましては、もう少し上手い『匂わせ』のやり方に努めていただきたいかと存じます」




メリーさん太「……うん、これまで秀逸なる『匂わせ』を実現してきた実績の有る、『まちカ○まぞく』や『ゾンビラ○ドサガ』等の、続編に期待だな」

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