第1055話、【マギ○コ】わたくし、うっかりイチ○ーさんまで『同志認定』するところでしたの⁉

ちょい悪令嬢「メリーさんは、『イチ○ー』さんをご存じですか?」




メリーさん太「…………は? いち○ー、さん?」




ちょい悪令嬢「ああ、ごめんなさい、『イチ○ー』なんて言われても、日本においてはありふれた殿方のお名前でしたね。本名はともかく世間一般では、漢字でもひらがなでも無く、カタカナの『イチ○ー』として有名な方です」


メリーさん太「ああ、野球選手の………そりゃあもちろん、知っているけど?」


ちょい悪令嬢「野球と言っても、日本のプロ野球は言うに及ばず、アメリカ大リーグにおいても大活躍なされてますから、すごいものですよねえ」


メリーさん太「押しも押されぬ、『国民的英雄』だよな」


ちょい悪令嬢「『国民栄誉賞w』は、辞退されましたけどねえw」


メリーさん太「──二回も『w』をつけて、わざわざそれを話題にするなよ!………………それで、そのイチ○ーさんがどうしたんだ?」


ちょい悪令嬢「ふっふっふっ、聞いて驚かないでくださいねえ?」


メリーさん太「もったいぶらずに、さっさと言えよッ」




ちょい悪令嬢「実は彼って、『マギ○コ』ファンみたいなんですよ」




メリーさん太「は?……………………って、はああああああああ⁉」




ちょい悪令嬢「おお、いつになく威勢のいい『奇声』ですね、期待通りです♫」


メリーさん太「──なに期待しているんだよ⁉ それよりも、あんた今何と言った⁉」


ちょい悪令嬢「かの元大リーガーのイチ○ー氏が、『マギ○コ』ファンでは無いかと」


メリーさん太「そんな馬鹿なことが、あるはず無いだろうが⁉ 何急に、わけのわからないことを言い出しているんだ!」


ちょい悪令嬢「それが、『決定的証拠』が、有るのですよ!」


メリーさん太「決定的証拠お?」




ちょい悪令嬢「何と彼がプライベートの普段着として、『時○一族の家紋入りTシャツ』を着ておられたのです!」




メリーさん太「………………………………………………何て?」




ちょい悪令嬢「だから、『時○一族の家紋入りTシャツ』を、イチ○ーさんが──」


メリーさん太「ちょっと待って! 『時○一族』? 『家紋入り』? 『Tシャツ』? あんたが何を言っているのか、全然わからないんですけど? それをイチ○ーさんが着ていたとして、どうして『マギ○コ』ファンになるの?」


ちょい悪令嬢「……あー、そうかあ、『マギ○コ』愛好家であっても、アニメ版のみの方は、ご存じ無いんですっけ?」


メリーさん太「『アニメ版のみ』と断るってことは、ゲーム版オリジナルの話か?」




ちょい悪令嬢「『時○一族』とは、ゲーム版第二部の『集結○百禍編』から登場する、神○市の外部の団体なのですが、『神○マギアユニオン』や『マギ○ス』や『ネオマギ○ス』や『プロミストブラ○ド』や元祖広域指定魔法少女団体『見○原組』等々のような、単なる個々の魔法少女の寄り合い所帯なんかでは無く、『一族』という名称からわかるように、いにしえから代々続く、血縁で結ばれた魔法少女たちの一団であります」




メリーさん太「いにしえから続く一族、って……」




ちょい悪令嬢「何と驚いたことに、この一族の里では一般人をも含めて、『魔法少女』や『魔女』の存在を認識しており、『久兵衛キュ○べえ』様を御神体として祭り上げて、日の本全体の平穏のために、『かんなぎ』と呼ばれる本家や分家の娘たちが魔法少女となって、『悪鬼』たる魔女を退治していくことを務めとしているのでございます!」




メリーさん太「──ツッコミどころが多過ぎて、処理が追いつかないよ⁉ 一般人までもが魔法少女を認識している? 魔法少女が『巫女』として魔女退治をしている? しかもよりによって、キュ○べえを『御神体』として祭り上げているだと⁉」




ちょい悪令嬢「でも、文明開闢以来の人類史を鑑みれば、『キュ○べえ』や『魔法少女』や『魔女』を、そのように捉えても、別におかしくは無いのでは?」


メリーさん太「うっ⁉」




ちょい悪令嬢「そして当然、彼女たちは、魔法少女である自分たち『時○一族』そのものが、最悪の災厄たる『魔女の正体』であることを自覚しており、これまで先代魔女たる自分の肉親や、姉妹同然に育ってきた仲間たちを、文字通りに身を切られる思いで『退治』してきたわけですよ」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「そんな彼女たちが、もしも『魔女にならずに済む方法』が有ると知ったら、どうすると思います?」


メリーさん太「あ」


ちょい悪令嬢「そう、『──神○市に来て。そこではすべての魔法少女が、救われるから』てな、わけですよ」


メリーさん太「……なるほど、もしも『マギ○コ』アニメ版に続きがあるとしたら、妥当な展開だな」


ちょい悪令嬢「逆に言えば、これはあくまでも『原作ゲーム版』オンリーのレアな知識であり、それを知っていたと言うことは、当然『ガチのマギ○コファン』と言うことになるのです!」


メリーさん太「そりゃそうだけど、どうしてあのイチ○ーさんまでが、そうなるんだよ?」


ちょい悪令嬢「ですから、『時○一族家紋入りTシャツ』をお召しになっていたんですってば!」


メリーさん太「ちなみにその『時○一族家紋入りTシャツ』って、どんなデザインなんだ?」


ちょい悪令嬢「黒地にでかでかと、いかにも歴史ある家柄を思わせる家紋が描かれていて、その四方を取り囲むようにして、漢字で『時○一族』と記されているのです」


メリーさん太「──なんか、すごくマニアックだな⁉」


ちょい悪令嬢「一見して『マギ○コ』関連のグッズとわからないところが、逆にいかにも『通』ですよね!」


メリーさん太「……いや、もういい、納得したよ」


ちょい悪令嬢「やっとわかってくれたんだね、ほ○らちゃん!」


メリーさん太「──だからその『マギ○ポ』ネタは、やめろってば⁉ それにあたしが納得したのは、イチ○ーさんが『マギ○コ』のファンでもことだよ!」


ちょい悪令嬢「え、何で?」


メリーさん太「その『時○一族家紋入りTシャツ』って、確かにファンにとっては『レアアイテム』かも知れないけど、一般人から見たら、どう映るかな?」


ちょい悪令嬢「ど、どう、って……」


メリーさん太「おそらくは、『変なTシャツ』と言ったところが、関の山じゃ無いの?」


ちょい悪令嬢「──うぐっ⁉………………た、確かに、『時○一族』なんて言われても、『マギ○コ』を知らない方には、ちんぷんかんぷんでしょうね」


メリーさん太「こういったTシャツのことを、世間では何と言っているかわかるか?」


ちょい悪令嬢「あ、いえ」


メリーさん太「『ネタTシャツ』って、言うんだよ」


ちょい悪令嬢「……ネタ、Tシャツ?」




メリーさん太「そして、ファンの間では良く知られていることなんだけど、イチ○ー氏って、希代の『ネタTシャツマニア』であられたりするんだよ!」




ちょい悪令嬢「へ?………………………って、ええええええええええ⁉」




メリーさん太「おっ、結局あんた自身も、『奇声』を上げてやんのw」


ちょい悪令嬢「いや、イチ○ーさんが、『ネタTシャツマニア』って、えええええっ⁉」




メリーさん太「マスコミやファンも面白がって、たくさん映像がネットに上げられているけどな。──一例を挙げると、『人の金で焼き肉を食べたい』とか、『定時で帰る』とか、『旅に出ます 探さないでください』とか、『B型ですが何か?』とか、『もうマヂ無理』とか、『ヤバい』とか、『ひじき』とか、ヘンテコな言葉をこれ見よがしに胸元に書きなぐったものばかりとなっております」




ちょい悪令嬢「(画像を見ながら)……ホントだ、どうしてこんなことを」




メリーさん太「まあもちろん、何よりも『個人的趣味』なんだろうけど、イチ○ーさんと言えば、過剰なるマスコミやファンの『追っかけ』じゃん? それでプライベートの移動中にまでカメラを向けられてうんざりして、それに対する『意趣返しおふざけ』として、あえて自分のイメージに反するTシャツを着るようになったんじゃ無いの? 例えば直球勝負的に、『撮影禁止』とか『こんにちは イチ○ーの面白Tシャツです』とかって描かれたものを、わざと身に着けておられたこともあるくらいだからなw」




ちょい悪令嬢「……確信犯、ですか」


メリーさん太「もしかしたら、『確信犯』とか描かれたやつも、持っていたりしてw」


ちょい悪令嬢「と言うことは、『時○一族家紋入りTシャツ』についても──」


メリーさん太「単なる『ネタ』として、軽い気持ちでチョイスしただけで、別にファンでも何でも無いんじゃないの?」


ちょい悪令嬢「──いやいや、実はこのTシャツって、公式オリジナルの逸品でして、そこら辺の衣料品店とかお土産屋とかには売っておらず、公式ショップやアニメ専門店等でしか、手に入れることができないんですけど⁉」


メリーさん太「もはや『ネタTシャツ』は、イチ○ー氏のトレードマークともなっていることだし、専門の『スタイリスト』とかがおられて、その人が『マギ○コ』ファンだったりして?」


ちょい悪令嬢「──ネタTシャツに、スタイリストって⁉」


メリーさん太「それか、氏のファンが面白がって、みんな『ネタTシャツ』をどんどん贈っていて、その中に『マギ○コファン』がいたりして?」


ちょい悪令嬢「……そ、そう言われると確かに、イチ○ーさん自身が『マギ○コ』ファンであるよりも、可能性が高そうですわね」




メリーさん太「……わかる、わかるよ、自分の好きな作品に、誰もが崇める超有名人がちょっとでも関わっていることを知ったら、あたかも我が事のように言いふらさないと気が済まないのが、あんたら『オタクの習性』なんだよなw」







ちょい悪令嬢「──ちょっと! 人をまるで、『痛いファン』の代表みたいに言わないでくださいませ!」















メリーさん太「……ところで、そもそもイチローさんがプライベートで、『時○一族家紋入りTシャツ』などと言う、けったい極まるものを着ている画像自体が、『マギ○コ』ファンによる架空の『コラ』である可能性は無いのか?」




ちょい悪令嬢「あ」

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