第950話、わたくし、いきなり公式が『進○の巨人ループ説』を肯定して、びっくり仰天ですの⁉(後編)

ちょい悪令嬢「──まあ、当然のことながら、エ○ン君が本当に死んだのは最終回だけで、後は巨人の力だとか例の『寄生虫ハルキゲニア』の力だとかで、反則技的な『延命』が行われているんですけどね」




メリーさん太「……ということは、さっき例に挙げたのだと最後のやつになるわけか? ──あ、でも、OAD自体はいかにも、『エ○ン君が巨人に食われたために絶望したミ○サちゃんが現実逃避した世界』であるかのように描かれていたけどなあ」


ちょい悪令嬢「最初に除外されそうな『ガ○ちゃん大手柄』も、あながち捨てきれませんよ。何せまさにそのシーンでこそミ○サちゃんは、『あの時別の選択をしておけば』ってな感じに、在りし日の思い出を回想しておられますからね」


メリーさん太「──結局は、全部怪しくなるじゃないか⁉」




ちょい悪令嬢「ていうかむしろ、実は『全部』、当てはまったりしてね☆」




メリーさん太「……何だよ、全部当てはまる、って?」


ちょい悪令嬢「ミ○サちゃんがループを開始する『分岐点』は、一つの時点だけでは無く、重要な時点において、そのつどループを繰り返しているとか」


メリーさん太「──ああ、いわゆる『ミ○サちゃんの頭痛』の正体は、実はそれこそが『ストーリーの分岐点』であり、そこから世界線が分かれているのでは無いかという考察も、確かに有ったっけ⁉」


ちょい悪令嬢「今回はたまたま、最初にエ○ン君が『ハゲの復権派巨人』に食べられた時点での、『やり直しの世界』の一例を描いたともとれるのです」


メリーさん太「……『一例』、って?」


ちょい悪令嬢「まさしくミ○サちゃんにとっての理想的な世界であり、『何もかもがうまくいくパターン』ですよ。ロリミ○サちゃんがただただ可愛いだけなのは、世界そのものが『平和』になったからなのです」


メリーさん太「──!」




ちょい悪令嬢「まず彼女自身にとっての最大の分岐点である『両親の死』が回避されるとともに、自分自身も『戦闘民族ア○カーマン』として目覚めること無く、エ○ン君とは普通の友だちとなり、なぜか森の中から親子揃って引っ越すことになって、エ○ン君の家の近くに居を構えて更に親密になるわ、特に将来における最凶の『不安的要素』である『調○兵団』そのものが廃止されるわ、それに伴い外界に通じる壁の扉が完全に塞がれるわで、愛するエ○ン君の命の危機を回避するともに、自分の側に繋ぎ止めることに成功するという、まさしく(ヤンデレ&メンヘラの気のある彼女にとって)『いいことずくめ』でございますの♡」




メリーさん太「……何それ、もはや『進○の巨人』じゃ無いじゃん⁉」




ちょい悪令嬢「──だがしかし、それでも彼女は、エ○ン君の『死』を、回避できなかったのです!」


メリーさん太「は? 何でだよ? 調○兵団も無くなって、壁の出入り口も完全に塞いだのなら、将来エ○ン君やその家族が巨人と出くわすこと自体が無くなったわけだし、彼自身もそう易々と死んだりはしないだろうが? ──特に、父親が先進国マ○レ仕込みの超絶有能医師なんだから、ある程度の疾病にかかっても安心だし」


ちょい悪令嬢「──その父親自身が、実は巨人だったりして☆」


メリーさん太「それは、『ノーカン』だろう⁉」


ちょい悪令嬢「まあ、冗談はともかくとして、そもそも前提条件自体が違っていたのですよ」


メリーさん太「……何だよ、前提条件て」




ちょい悪令嬢「エ○ン君やアル○ン君は、あくまでも『壁の外に出たかった』のであって、調○兵団に入ることはそのための手段に過ぎず、仮に調○兵団そのものが廃止されたとしても、『別の手段』を講じるだけの話なのです」




メリーさん太「調○兵団に入団すること以外の、壁の外に出るための手段、だと?」


ちょい悪令嬢「この『一例OAD』においては、『気球』を使うつもりだったようですね」


メリーさん太「──気球、だって⁉」




ちょい悪令嬢「そう、『中央憲○団』における、問答無用の『処分対象』ですよ」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「まあ、今回のOAD内においては、そこまで話が複雑になること無く、結局『子供の手作り』に過ぎなかったこともあって、普通に『不幸な事故』によってエ○ン君は身罷ってしまうことになりましたけどね」


メリーさん太「……なるほど、その時点では『進○の巨人』(個体名)を継承していないから、『未来視』による回避はできなかったわけか」


ちょい悪令嬢「わたくしとしては、中央憲○団に始末されそうになったとき、颯爽と駆けつけたミ○サちゃんが『ア○カーマン』に目覚めるという、激アツな展開が見たかったのですが」


メリーさん太「──それってもはや【番外編】どころでは無く、【長編作品】が一本創れるのでは⁉」


ちょい悪令嬢「いえ、実は中央憲○団のほうにも、『ア○カーマンの親玉』のようなお方が、しかも『全盛期ベストコンディション』の状態でおられたので、あっけなく取り押さえられたのではないでしょうか」


メリーさん太「そういえば、そうだったっけ……」


ちょい悪令嬢「ただし何度も申しますが、けしてループが行われる『分岐点』が、この【番外編】の時点のみとは限らないと思うのですよ」


メリーさん太「……どうして、そう思えるんだよ?」




ちょい悪令嬢「このようにエ○ン君は、ただ死んでしまうわけでは無く、まさしく『進○の巨人』(個体名)の最終適格者ならではに、『立ち止まること無く進み続ける』運命にあって、ミ○サちゃんも無限のループを繰り返すうちに、彼が最終的に『人類の大虐殺』に手を染める姿を、何度も何度も目の当たりにすることになったものと思われるのです」




メリーさん太「うん、それはまあ、十分あり得る話だな」


ちょい悪令嬢「そこで彼女は、『唯一の正解』に気づくのです!」


メリーさん太「……唯一の正解、だと?」




ちょい悪令嬢「どうせ何度ループを繰り返そうが、エ○ン君を死なせることになるのみならず、大虐殺をさせることになるのなら、いっそのこと自分の手で命を奪って、彼の凶行を止めてしまおうってね」




メリーさん太「──それってまさしく、【原作漫画版】のケリのつけ方そのまんまじゃ無いか⁉」




ちょい悪令嬢「そうなのです! 実はタイトルナンバーがあえて【???】と記されていたのは、このOADが本編の前日譚や途中経過であるのみならず、『最終回後の世界線』すらも含まれていたからなのですよ!」




メリーさん太「……最終回後の……世界線、だと?」




ちょい悪令嬢「前々から不思議に思っていたんですよねえ、【漫画版】の最終話において、先ほど申しましたミ○サちゃんの『最終的選択』によって、すべての『ユ○ルの民』から『巨人化能力』が失われることになりますが、これっておそらくはその時点で無くなってしまったわけでは無く、『最初から無かったこと』にされている描写が挟み込まれていたんですよ!」




メリーさん太「──ああっ、それってあれだろ⁉ 『始祖ユ○ル』さんが初代エルデ○ア王を暗殺者の襲撃から庇うこと無く、そのまま死なせることによって、彼女の子供たちに『巨人化能力』が継承されなくなることを暗示させるシーンだ!」




ちょい悪令嬢「そうなんですよ、あの最終局面でミ○サちゃんがあえて、『愛する者の死を許容する』ことを引き金にして、『最後のループ』が発動してしまうのですが、それは同じくすべての元凶である始祖ユ○ルさんが、彼女の最愛の相手──すなわち、初代エルデ○ア王の死を許容する時点を出発点として、それ以降の歴史をすべて改変することになって、巨人化能力はユ○ルさん個人だけのものとなり、彼女の娘たちも含めてエルデ○ア人には、ただの一人も巨人化能力が引き継がれること無く、それから二千年後の【原作漫画版】の最終話において、すべてのユ○ルの民から巨人化能力が失われる──もとい、『最初から無かったこと』になってしまったのです」




メリーさん太「──すげえ、ちゃんとつじつまが合っていやがる! やっぱうちの作者って、『進○の巨人の解説本』でも作るべきじゃないのか?」




ちょい悪令嬢「そう言った下世話な話はさておいて、今回のOADは、エ○ン君にとっても『救い』であることを、最後に述べておきたいかと思います」



メリーさん太「エ○ン君にとっての、『救い』、って……」




ちょい悪令嬢「彼にとっては、巨人を憎むことになったり、自ら『進○の巨人』になったり、挙げ句の果てには『大量殺戮者』なんかになったりせずに、同じく『戦闘民族ア○カーマン』に目覚めたりせずに普通の女の子のままでいるミ○サちゃんと、平凡ながらも平和な日々を送る世界線も有ることを、実際にOADとして描写して見せたわけなのですよ」




メリーさん太「……でも、結局このループ世界においても、エ○ン君は最後に死んでしまったじゃんか?」


ちょい悪令嬢「おやおや、本作において何度も何度も申しておりますが、可能性上存在し得る『無限の平行世界』には、考え得る『すべてのパターン』が揃っていますので、『エ○ン君とミ○サちゃんがハッピーエンドを達成する世界』だって、それこそごまんと存在しているのですよ?」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「そういう意味では、これは『最終話後の世界』を描いているとも言えて、そのための【???】というタイトルナンバーかも知れませんね」


メリーさん太「いやいやそれって、時系列的におかしいんじゃ無いのか⁉」


ちょい悪令嬢「これまた何度も何度も申しておりますが、各ループの周回同士の間には、『時間的な前後関係なぞ存在しない』のですけど?」


メリーさん太「あ」




ちょい悪令嬢「例えば、【原作漫画版】の最終局面で自らエ○ン君の命を奪ったことを、後からになってミ○サちゃんが大後悔して、現実逃避のあまり再びループ能力が発動して、今回のOADの世界線へと行き着いたりして」




メリーさん太「──そんなことを言い出したら、もはや『何でもアリ』じゃん⁉」




ちょい悪令嬢「何を今更、ループなんかが実現可能な段階で、すでに『何でもアリ』でしょうが?」


メリーさん太「うっ」




ちょい悪令嬢「そういうわけで、『進○の巨人』がミ○サちゃん視点では、間違いなく『ループ作品』であることが確定いたしましたが、いまだ納得できない方は、現在絶賛無料配信中の『L○ST GIRLS L○st in the cruel world』を、ご自分の目でご視聴なさってお確かめになることを、是非ともお勧めいたしますわ♡」
















メリーさん太「……何だ、結局今回も、『番宣ステマ』だったのかよ?」

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