第904話、わたくし、むしろ『少子高齢化』こそが、人類を滅亡から救うと思いますの⁉

ちょい悪令嬢「──『頭K印国』の皆様、日本政府の横槍なんかに負けないでください! 貴国の『キタ』との『終戦宣言』につきましては、本作において全力で応援する所存であります!」




メリーさん太「……お、おい、どうした、冒頭いきなり⁉」




ちょい悪令嬢「わたくし、『真理』に目覚めたのです!」


メリーさん太「し、真理って、某半島の『終戦宣言』に関してか?」




ちょい悪令嬢「ええ、半島の皆様はもちろん、世界全体の平和の実現のためにも、ここは万難を排して、『終戦宣言』を認めるべきだと悟ったのです!」




メリーさん太「──ホントあんた、一体どうしたんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「……あら、わたくし、何か間違ったことを言ったかしら?」


メリーさん太「い、いや、そりゃあ、あんなちっぽけで取るに足らない半島とはいえ、ザコ民族同士の紛争が終結するのはめでたいことだし、確かにそれが世界全体の平和の実現にも結びつくかも知れないけど……」


ちょい悪令嬢「ええ、そのためにも是非とも、頭K印とキタの皆様には、頑張っていただきたいかと存じます………………文字通り、『死力を尽くす』ことによってね☆」


メリーさん太「う、うん、何と言っても『当事者同士』である、頭K印とキタこそが頑張るべきだと思うけど、その『死力を尽くす』ってのは、何だ?」




ちょい悪令嬢「もちろん、両国には、死力を尽くして、『最終決戦』を行っていただくわけですよ」




メリーさん太「は?………………………最終、『決戦』、て」




ちょい悪令嬢「そりゃあ『終戦』するためには当然のごとく、現在『休戦中』の『半島戦争』の、『ケリ』を着けなければならないではありませんか?」


メリーさん太「え、ただ普通に『終戦宣言』をすれば、それでいいんじゃないの?」


ちょい悪令嬢「……何言っているんですか、小学生のガキどもが結構本気でケンカした後で、担任教師から無理やり握手させられて仲直りするんじゃあるまいし。ちゃんと戦争そのものにそれなりの決着をつけておかないと、後々『禍根』を残すことになりますよ?」


メリーさん太「『禍根』、て?」


ちょい悪令嬢「かつての数年にわたる激戦において、両陣営において、一体どれだけの兵士や民間人がお亡くなりになったと思うのです? すでに70年前の大昔の話とはいえ、いまだ存命中の方も少なくないのですよ?」


メリーさん太「──うっ」


ちょい悪令嬢「小学校の同級生感覚で、『同じ半島民なんだから、すぐに仲直りできるだろう?』なんて、とんでもない! むしろ同じ民族同士だからこそ、より根深い『近親憎悪』が生じてしまうのです!」


メリーさん太「──ううっ」


ちょい悪令嬢「特に、アメリゴ兵や中つ国義勇兵のような、関係各国の戦没者の皆様にとっては、当事者同士で勝手にうやむやにされたら、くたびれもうけの骨折り損もいいところでしょうしね」


メリーさん太「──うううっ」




ちょい悪令嬢「しかも現在の頭K印とキタは、何よりも『国家』として、政治体制も経済状況も国民意識も生活環境も、『真反対』と言っていいほど違っているのに、『我々は元々同じ民族なのだから、不幸な過去を乗り越えて、今すぐにでも統一しましょう!』とか、絶対に不可能でしょうが?」




メリーさん太「た、確かに、かつての東西ドイツの統一の折には、ソビエトを中心とした東欧諸国におけるゴミニズム政権の瓦解が、ほぼ同時に行われていたっけ」




ちょい悪令嬢「よって半島においても、キタのゴミニズム政権──と言うか、マルクス&レーニン両氏もびっくりの『世襲王政』がぶっ倒れるか、逆に頭K印のほうがキタに呑み込まれるかしないと、平和的な『終戦』なんてあり得ないでしょう」


メリーさん太「……しかも現在のところ、『後者』になってしまう可能性が、濃厚だったりするんだよな」


ちょい悪令嬢「果たしてその場合、アメリゴ合衆国等の西側陣営が、黙っているでしょうかねえ?」


メリーさん太「逆に前者の場合なら、今度は中つ国や露○ケ辺りが、黙っているわけ無いか……」




ちょい悪令嬢「──そういうわけで、いっそ実際に『最終戦争』を行って、正式に『雌雄』を決さない限りは、半島における完全なる統一なんて、絶対にあり得ないと断言できるのですよ!」




メリーさん太「そりゃそうだよな。──それなのに勝手に、『終戦宣言』なんて突然ぶちかましたりする、どこかの『小酋長』様って、『政治的センス』や『国際的常識』が皆無と誹られても、文句を言えないだろうよ」


ちょい悪令嬢「何と言っても、日本に対して『国際的取り決め』を破る常習犯だし、小酋長就任前には人気取りのために、日本の固有の領土である『島根県竹島』に無断で上陸すると言った、国際的『犯罪者』でもあるのですからね。──小酋長解任後に日本にお越しの際には、『司法当局』が心からおもてなしをさせていただきますので、どうぞお楽しみに♡」


メリーさん太「捕まえる気満々じゃん⁉ ──ていうか、そもそもさあ、現下の国際的に不穏な状況にあって、半島で全面戦争が起こったりしたら、そのままアメリゴVS中つ国の直接戦争──ひいては、欧州戦線をも含めた、『世界大戦』に発展しかねないんじゃないのか?」




ちょい悪令嬢「その点については大丈夫です。何せ中つ国においては、アメリゴ合衆国との直接戦争などといった、『世界大戦』レベルの大規模戦争なぞ、たとえ勝算が100%有ろうとも、絶対に避けねばならなりませんので」




メリーさん太「………………………は?」


ちょい悪令嬢「むしろそのための半島における『最終戦争』なのであり、半島民の皆様におかれましては、真の『世界平和』のために、大いに犠牲になっていただきましょう♫」


メリーさん太「──いやいやいや、中つ国がアメリゴとの全面戦争を絶対に避けるなんて、たかがいちWeb作家ごときが、どうして断言したりできるんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「そんなこと、『自明の理』ではございませんか? 仮にこのまま世界大戦に突入した暁には、たとえ大勝利を成し遂げたとしても、そのあとに中つ国を待ち受けているのは、『国家の崩壊』という地獄のみですわ」




メリーさん太「……たとえ戦争に勝っても、国家が崩壊するって、一体なぜなんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「もしもこれまでの世界大戦のパターンと同様に、アメリゴ大陸以外の地──例えば、アジア大陸東部が戦場になった場合、中つ国がアメリゴに勝つためには、どのような戦法が考えられるでしょうか?」


メリーさん太「そりゃあ、科学技術力が極端に劣り、核ミサイル等の戦略兵器が質量共に大幅に不足している中つ国が、『戦争のプロ』であるアメリゴに対して『勝機』が有るとしたら、ゴミニズム全体主義国家のお家芸たる、『人海戦術』に頼るしかあるまいよ」


ちょい悪令嬢「そうなると、莫大な人口を擁する中つ国おいて、主に二十代から三十代の若者が、大量に損耗することになりますよね」


メリーさん太「……戦況次第では、十代後半の若年層から、四十代の中年層までも、大勢徴兵されることも考えられるよな」


ちょい悪令嬢「──すると、どうなると思います?」


メリーさん太「どうなる、って?」


ちょい悪令嬢「仮に晴れてアメリゴ軍を打ち破ったとして、戦後の中つ国においては、どのような状況になるでしょうねえ?」


メリーさん太「そ、そりゃあ、もはや遠慮なしに全アジア圏内を手中に収めて、独占的な『市場』として、国内においても経済的に大発展を遂げるんじゃ無いのか?」


ちょい悪令嬢「ところがどっこい、そうは問屋が卸さないのですよ!」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「これまでの『一人っ子政策』等の狂った強権政治が祟って、今まさにかつて無い『少子高齢化時代』を迎えようとしているのですよ? ここで若年層を大量に戦争なんかで『浪費』してごらんなさい、十数億の人口を支えるための『労働力』が完全に欠乏してしまい、経済的かつ社会福祉的に立ち行かなくなって、国家そのものが滅亡してしまいかねないでしょう!」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「……まあこれは、現在の主要先進国においては、どこも似たり寄ったりの状況であり、まかり間違っても以前の世界大戦の時みたいに、大国同士が直接全面戦争を行うなんてことは、けしてあり得ないのですよ」




メリーさん太「……そのための、半島における、『代理戦争』ってわけか」


ちょい悪令嬢「そもそも昔の『半島戦争』自体が、合衆国と旧ソ連との『代理戦争』みたいなものでしたしね」


メリーさん太「それじゃもしかして、現在ポーラ○ドとベラル○シの間で、大量の難民流入を巡って、小競り合いをしているのも……」


ちょい悪令嬢「そっちも下手すると新たなる『欧州戦線』の火種になりかねませんが、E○も露○ケも共に全面戦争をする気なぞさらさら無く、あくまでもポーラ○ドとベラル○シを主体にした、『代理戦争』が行われるくらいのものでしょう」


メリーさん太「つまりあんたは、『少子高齢化』こそが、大国同士の直接対決を阻む、最大の要因となり得るって言うのか?」


ちょい悪令嬢「敗戦国から労働力を奪い取ってくるってのも考えられますけど、結局それは長期的にはより深刻なる『移民問題』を生むだけで、国家運営において『マイナス面』も少なくありませんしね」


メリーさん太「と言うことは、現在国際的に最大の焦点となっている、中つ国による台○の軍事的併合なんて、もはややってられないのでは?」


ちょい悪令嬢「現在のように、アメリゴが『やる気』を見せていると、下手に手を出すわけにはいかないでしょうね」


メリーさん太「……ああ、オキ○ワ等に巣くっている反日市民団体が、日本が台○問題に関わろうとすると、『戦争の引き金になりかねないからやめろ!』とか何とか必死になってほざいてくるのは、『宗主国スポンサー』様の指示によるものだったのかw」


ちょい悪令嬢「別に本当に軍事行動を起こすつもりは無くても、日本が台○の有事に何らかの行動を起こす素振りを見せるだけで、中つ国にとっては十分に脅威ですからね、そりゃあ神経質にもなりますよ」


メリーさん太「でも『少子高齢化』については、日本だって例外じゃ無いだろう?」


ちょい悪令嬢「いやだから、実際に戦争をする必要は無いんですってば。実は現段階においては、日本のほうが遙かに有利な状況にあるのです」


メリーさん太「あの超大国の中つ国よりも、日本のほうが有利だってえ⁉」




ちょい悪令嬢「日本は『専守防衛』を旨としておりますので、自分たちからは絶対に戦争を起こしません。それに対して中つ国のほうは、何らかの軍事行動を起こした瞬間に、下手したら滅亡まで真っ逆さまに堕ちていくしかなくなるのです。──よって、現在のかの国による軍事的挑発はすべて『はったり』と見なして良く、日本や台○やアメリゴとしては、もっと強硬な態度で臨んで構わないのですよ」




メリーさん太「そうか、いくら核ミサイル等で脅していようとも、いきなり台○や日本を焼け野原にしたところで、中つ国のほうにもメリットはまったく無いから、やるとしたら中つ国本土や半島を舞台としての地上戦しか無く、その場合アメリゴのような超軍事大国を相手にするのなら、お得意の『人海戦術』に頼らざるを得ず、たとえ戦争に勝ったところで、国土は荒れ果てて、人口構成も歪みまくり、とてもまともな国家としては立ち行かなくなってしまうよな」




ちょい悪令嬢「よって中つ国としても、アメリゴとの直接対決は極力避けて、できることならば半島部における、『代理戦争』で済ませたいところでしょう」




メリーさん太「……それが半島における、『最終戦争』ってことか」




ちょい悪令嬢「そうです! 半島の皆様の貴い犠牲のみで、世界大戦が回避されるのです! ──さあ、半島の皆様、今こそ真の世界平和のために、同じ民族同士でご存分に、戦い合い殺し合ってくださいませ♡」
















メリーさん太「……うん、『少子高齢化』こそが、世界大戦を抑制するってのは、どうにか理解できたけど、仮にも一つの民族が大国同士の代理戦争によって滅亡しかねないことについては、別に構わないのかよ?」

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