第897話、わたくし、『即死チート』の正体を解明いたしましたの⁉(後編)
ちょい悪令嬢「神様なんて、本当に存在するわけが無いし、もちろんこの世界どころか『可能性上存在し得る無限の世界』をすべて夢見ている大賢者なんて、『物質的』にいるはずは無いのであって、実はその正体こそは、無数の人々の夢──つまりは、『無意識』の集合体である、『集合的無意識』だったのですよ!」
メリーさん太「……え、大賢者や神様が『夢』って、大賢者ってのは『世界そのものを夢として見ている神様みたいな存在』なのであって、大賢者自身が『夢』というわけでは無いだろうが?」
ちょい悪令嬢「もしもこの世界が大賢者さんが見ている夢である可能性が有ると言うのなら、『大賢者さんが目覚めた後の世界』も誰かさんが見ている夢である可能性もけして否定できなくなるので、世界と言うものは入れ子状に『夢と現実との逆転現象』を無限に繰り返していくことになり、大賢者さんのような『世界そのものを夢として見ている神様みたいな存在』すらも、常に自分自身が『夢』である可能性がつきまとうことになるのでございます」
メリーさん太「な、なるほど、確かに筋は通っているな」
ちょい悪令嬢「──となると、某『即死チート』Web作品の、『すべて』が見えてくるとは思いませんか?」
メリーさん太「『即死チート』の、すべて、って?」
ちょい悪令嬢「まず、現在『ラスボス』認定されている大賢者さんにつきましては、あくまでも作品世界内にいる「
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「そして世界内に登場する『神様』──やはり大賢者さん同様に『
メリーさん太「何と、『即死チート』作品世界における各スキルのレベル差が、本作お得意の『集合的無意識とのアクセス権』によって、すべて説明できてしまったじゃないか⁉」
ちょい悪令嬢「つまり作中の『バトルソ○グ』というシステム自体が、その世界独自の(限定的な)『集合的無意識』(へのアクセス権)のようなものであるわけなのです」
メリーさん太「……まあ、大賢者や神様や賢者候補等のスキルが、集合的無意識とのアクセス権のレベル差で説明できるとして、肝心の『即死チート』は、一体どういった仕組みによって成り立っているんだ?」
ちょい悪令嬢「一言で言うと、文字通りに『逆作用』そのものだったのですよ!」
メリーさん太「
ちょい悪令嬢「もちろん、『アクセス』のです」
メリーさん太「──! そ、それって⁉」
ちょい悪令嬢「そうです、『即死チート』の正体は、対象の人物から、集合的無意識とのアクセス権を、全面的に遮断してしまうことだったのです!」
メリーさん太「──いや、ちょっと待て! 集合的無意識とのアクセスって、ある意味『可能性上存在し得るすべての世界』とのアクセスも同義なんだよな? つまり、それを完全に遮断してしまうってことは⁉」
ちょい悪令嬢「現在自分の存在している世界をも含めて、すべての世界から遮断されてしまうってことですよ」
メリーさん太「なっ⁉」
ちょい悪令嬢「これまでもさんざん本作を含めて作者の諸作品において述べて参りましたが、
メリーさん太「……『あらゆる情報との遮断=世界そのものからの隔絶』だから、集合的無意識とのアクセスを全面的に遮断されてしまったら、あらゆる意味で『完璧な死』を迎えてしまうだと⁉」
ちょい悪令嬢「これが本作における、『即死チート』の正体に対する、一応のところの『結論』でございます」
メリーさん太「これまで本作においては、『あらゆる異能は集合的無意識とのアクセスによってもたらされる』と言うことこそを、最大のモットーにしてきたけど、実はむしろ『アクセスを遮断する』ほうが、ある意味絶対的なる『最強かつ最凶の異能』を実現することになるとは、皮肉な話だよな……」
ちょい悪令嬢「まさにこれぞ、(創作物に関する)発想の上での『コペルニクス的転回』そのものですわよね! 『F○te
メリーさん太「……でも、これって余計なお世話だし、別に原作的に正しいとは限らないんじゃないのか?」
ちょい悪令嬢「だ・か・ら、毎度のごとく申しているではございませんか? 別にこれが大ハズレでも構わないのであり、その場合は自作のほうで使わせていただくだけの話で、むしろ外れたほうがいいのだと」
メリーさん太「あ、そうか」
ちょい悪令嬢「それに、人間の脳みそには『ひらがな』や『アルファベット』のような極基本的な情報しか存在せず、肉体のほうもデフォルトでは変幻自在な『ショゴス』そのものの状態のままでいて、集合的無意識とアクセスすることによって初めて、そこからダウンロードした情報を基にして、脳みそで計算処理させて思考できたり、肉体の情報を書き換えて成長できたりするのだ──なんて、あまりにも集合的無意識論や量子論に偏重し過ぎて、下手すると『クトゥルフ神話』そのまんまにもなりかねない、偏執的と言うか変態的と言うかの危険思想の持ち主は、この世界広しとはいえ、本作の作者くらいのものでしょうw」
メリーさん太「……確かにな。個々の人間をパソコン端末のようなものと捉えて、そのネットワークであるインターネットを『集合的無意識』と見なす考え方は、けして少なくは無いけど、ここまで『イッちゃっている』のは、本作の作者の独壇場だろうな」
ちょい悪令嬢「──と言うわけで、ついに集合的無意識論に則って、Web小説最強かつ最凶の『即死チート』について定義づけできたことですし、今期の各種ネット小説大賞における新作にて、大いに活用させてもらいますよ!」
メリーさん太「……いや、少なくとも本年においては、本作の作者は何よりも父親の介護のために、コンテスト参加なんかしていられないんじゃないのか?」
ちょい悪令嬢「あ」
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