第852話、わたくし、まさか『マギ○コ』が『未○日記』だったとは、思いも寄りませんでしたの⁉(その3)

ちょい悪令嬢「──『マギ○スのお三方』のうちの一人であられる柊ね○ちゃんが、どのようにして『世界のやり直し』を実現したかについて述べるに当たって、まずは『マギア○コード』アニメ版における、(主にゲーム版には無い)『疑問点』について検証することにいたしましょう」




メリーさん太「アニメ版における、『疑問点』だと?」




ちょい悪令嬢「一番の問題は、視聴者の皆様におかれましては、自分こそ『マギ○コを理解している』と自負している方ほど、『疑問を疑問として捉えていない』ことなのですよ!」


メリーさん太「はあ?」


ちょい悪令嬢「例えば、ね○ちゃんの相棒の灯○ちゃんはおろか、主人公であるい○はちゃんまでもが、彼女の妹であると言う『う○ちゃん』の存在自体を忘れていたのは、なぜだと思います?」


メリーさん太「……そ、そりゃあ、元々自分たちのために魔法少女になってしまったい○はちゃんを、彼女を待ち受けている過酷なる『魔法少女の運命』から救ってあげようとした、ね○ちゃん灯○ちゃんう○ちゃんの『病院組』が、(正式な『マギ○ス型』とは違って)比較的穏当な『魔法少女救済システム』を構築しようとした際に、何らかの理由で失敗して、『マギ○コ』世界においてう○ちゃんの存在自体が、人々の記憶もろとも消え去ってしまったからだろう?」




ちょい悪令嬢「え? どうしてそんなことが、わかるのですか?」




メリーさん太「ど、どうして、って?」


ちょい悪令嬢「アニメ版はこのたびめでたくセカンドシーズンが無事終了しましたが、ファーストシーズンも含めてこれまでのストーリーにおいては、そのようなことを『匂わす』場面すらも無かったかと思うのですが?」


メリーさん太「何とぼけているんだ? 原作ゲーム版を少しでもかじっていたら、むしろ『自明の理』じゃ無いか?」


ちょい悪令嬢「原作、ゲーム版?」


メリーさん太「あ、ああ」


ちょい悪令嬢「原作ゲーム版に明記されているから、アニメ版においても正しいと?」


メリーさん太「う、うん」




ちょい悪令嬢「だったら、どうしてね○ちゃんは、、い○はちゃんのことを覚えていたのですか?」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「そうなのです、もうすでに『ゲーム版の知識が絶対に正しい』とは、言えなくなっているのです。──いやむしろ、現在アニメ版はいまだ続行中なのに、すでに(第一部の)決着がついているゲーム版の知識を持ち出すこと自体が、そもそも間違いだったのですよ。考証とか検証をやるのなら、現時点までのアニメ版の知識だけで行わなくては」


メリーさん太「い、いや、ね○ちゃんに『過去の記憶』があるのは、あくまでもアニメ版だけの『オリジナル設定』みたいなものでしか無く、他に関してはほとんどゲーム版のままじゃ無いのか?」


ちょい悪令嬢「しつこいですねメリーさん、根本的問題として(フェアな考察をするつもりなら)、とにかく『ゲーム版の知識で語るな』って言っているんですよ!」


メリーさん太「じゃあ、ね○ちゃんと他のキャラたちの記憶の違いを、何を基にして説明すればいいんだよ?」




ちょい悪令嬢「簡単なことです、見たまんまですよ。実はこのアニメ版では、ゲーム版の知識なぞまったく正しく無く、灯○ちゃんは昔からい○はちゃんのことなんてまったく知らず、いきなり見ず知らずの女の子が現れて、『灯○ちゃんはそんな悪い子では無かったはず! 私はあなたの「お姉ちゃん」として哀しい!』とか言い出してきたものだから、心底恐怖に震えているといった状況にあるのですわ」




メリーさん太「はああああああ⁉ 灯○ちゃんがい○はちゃんに(深層心理的にもマジで)恐怖しているって、何の冗談だよ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「おや、例えばメリーさんの前に、『脂ぎったデブ眼鏡男』が突然現れて、『め、メリーたんを、「僕ちんマイスイートリトの妹ルシスター」にしてやるおー♡』とか言い出したら、恐怖のあまりに卒倒してしまうでしょ?」


メリーさん太「怖っ! そんな超ホラーシーンに遭遇したら、たとえ『都市伝説』であろうとも、裸足で逃げ出すわ⁉」


ちょい悪令嬢「灯○ちゃんは、これと同じような──いやむしろ、もっともっと怖い目に遭っているようなものなのですよ?」


メリーさん太「脂ぎったデブ眼鏡男よりも、魔法少女アニメのメインヒロインに、妹にされそうになるほうが怖いのかよ⁉」


ちょい悪令嬢「……むっ、さっきから何ですか、メリーさん。脂ぎったデブ眼鏡男さんにも、ちゃんと人権があるのですよ? そもそも脂ぎったデブ眼鏡男さんの、どこが悪いと言うのです? 外見で人で差別するなんて、見損ないましたよメリーさん!」


メリーさん太「そ、そうだった、ごめんなさい、全世界の脂ぎったデブ眼鏡男の皆様!」


ちょい悪令嬢「大丈夫ですって、脂ぎったデブ眼鏡男のやつらは、自分が脂ぎったデブ眼鏡男であることを、けして認めようとはしませんから♫」


メリーさん太「──おまえのほうが、よっぽど酷いだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「そんな基本的に無害な脂ぎったデブ眼鏡男さんたちよりも、い○はちゃんに妹にされるほうが、よほど恐怖なのですよ」


メリーさん太「だから、何でだよ⁉」




ちょい悪令嬢「や○よさんやみ○まさんが陥落して単なる『恋する乙女』となってしまった今となっては、他でも無くい○はちゃんこそが、『スーパークソレズシティー神○市』における、新たなる『女王様クイーン』になられたからですわ☆」




メリーさん太「レズの女王様に『妹』にされそうになるって…………ひええっ! 絶体絶命の大ピンチじゃん⁉」




ちょい悪令嬢「どうやら、おわかりいただけたようですね」


メリーさん太「でもそれはあくまでも、ゲーム版のほうが間違っている場合の話だろう? 現状の『見たままの状況』のほうが正しいのを、どうやって証明するんだよ?」


ちょい悪令嬢「……いや、普通『見たままの状況』のほうこそが正しいと、無条件で判断すべきなのでは?」


メリーさん太「うっ⁉」


ちょい悪令嬢「それに何よりも、アニメ版には『黒○さん』という、(現時点においては)ゲーム版にはまったく登場していない、『イレギュラーな存在』さえもおられるのですよ? この時点で『ゲーム版の知識』が絶対に通用するわけでは無いのは、決まったも同然ではありませんか?」


メリーさん太「あ」


ちょい悪令嬢「しかもこの『見たままの状況のほうが正しい』ことに対する『論理的根拠』については、アニメ版ファーストシーズンの第2話において、すでにちゃんと言及されているのですよ?」


メリーさん太「え? ゲーム版における『種明かし』よりも、アニメ版における『表面的な現状』のほうが正しいことを、ファーストシーズンの、しかも第2話の段階で、早くも示唆されていたって?」




ちょい悪令嬢「他ならぬ『すべての仕掛け人』であるキュ○べえご自身が、い○はちゃんに向かって言っていたでは無いですか? 『──人一人の存在を完全に抹消することなんて、「どんな願いでも叶えられること」を最大のセールスポイントしている、(大宇宙の営業マンである)僕にも不可能であり、やるとしたら君の脳みそに細工して、「自分には妹がいた」という「偽物の記憶」を植えつけるくらいのものだろう』、って」




メリーさん太「──そ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、本作お得意の、『他者を集合的無意識に強制的にアクセスさせる』ことによる、『記憶の改竄』や『擬似的なループ』の実現と、まったく同じってわけですよ」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「実は、い○はちゃんと灯○ちゃんが、う○ちゃんを介して知り合いだったと言うのは、あくまでも集合的無意識に存在していた『別の可能性の世界パラレルワールドの記憶』に過ぎず、ね○ちゃん自身は当然集合的無意識に自発的にアクセスできるので、すべてを知り得るのですが、灯○ちゃんは自分ではアクセスできず、い○はちゃんのこともう○ちゃんのこともまったく知らなくても当然なのですよ」


メリーさん太「……ということは、い○はちゃんはね○ちゃんによって、ね○ちゃんや灯○ちゃんとの『偽りの過去の記憶』を、植えつけられたって言うのか?」


ちょい悪令嬢「そうです」


メリーさん太「いやいやいや、それって矛盾しているだろう⁉ 『過去の記憶』が偽物なら、い○はちゃんとね○ちゃんが知り合いという事実も無くなるから、現時点の世界線においては、い○はちゃんとね○ちゃんが物理的に接触する機会なんてあり得ず、ね○ちゃんがい○はちゃんを集合的無意識にアクセスさせることなんてできないだろうが?」


ちょい悪令嬢「おやおや、い○はちゃんがアニメ版において、『う○ちゃんの記憶』を取り戻す切っ掛けとなったものシークエンスを、お忘れになったのですかあ?」


メリーさん太「へ? い○はちゃんがう○ちゃんのことを思い出した、切っ掛けって…………ああ、確か、それこそファーストシーズンの初っぱなの第1話で、『小さいキュ○べえ』と接触した瞬間だろうが?」


ちょい悪令嬢「そこで、その真逆のセカンドシーズンの最終話を、ようく思い出してみてください! 確かまさにその最後の最後の瞬間シーンにおいて、ね○ちゃんが小さいキュ○べえを当たり前のように手に取りましたが、その際小さいキュ○べえは、『どうなりました』か?」


メリーさん太「ど、どうって、確かあたかも『ウワサ』でもあるかのようにして、自分の周囲に緑色の文字をばらまき始めて…………って、まさか、おいっ⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、実はアニメ版における小さいキュ○べえは、他ならぬね○ちゃん自身によって創られた『ウワサ』であり、それに接触したい○はちゃんを集合的無意識にアクセスさせて、本来この世界には存在していなかった『別の可能性の世界パラレルワールドの記憶』を植えつけて、自分には『う○』という妹がいて、柊ね○や里見灯○とも知り合いだったと、『思い込ませた』のです」




メリーさん太「……何……だっ……てえ……⁉」







(※次回【その4】に続きます)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る