第822話、【夏のホラー】わたくし、あまりに過分なる高評価に、心から感謝いたしますの♡(前編)

ちょい悪令嬢「──このたび読者の皆様におかれましては、『夏のホラー2021』参加作品『【隠し鬼】ウチの聖女様はブラックです⁉』に対して、予想を大幅に上回るご支持ご声援を賜り、誠にありがとうございます!」




メリーさん太「あまりに望外の高評価を頂き、本作の作者自身、大変恐縮しております!」




ちょい悪令嬢「お二人もご評価をしてくださった方がおられたのですが、何とご両人共ポイントが『満点』の最高評価とは!」


メリーさん太「ホント、まさかここまで過分なるご反応をいただけるとは、思ってもみませんでしたよ」


ちょい悪令嬢「やはりコンクールは、参加しなければ始まらないってことですね」


メリーさん太「本来なら締め切りに間に合わなかったところなのに、頑張った甲斐があったというものですな」




ちょい悪令嬢「──と言うわけで、今回は読者の皆様のご支持とご声援への感謝の気持ちを込めまして、『夏のホラー2021』参加作品『【隠し鬼】ウチの聖女様はブラックです⁉』について、詳細なる補足説明を行いたいかと思います!」




メリーさん太「おお、ついにやるのか? 前回の作品発表と同時にやったやつは、結局途中で終了したからな」


ちょい悪令嬢「うふふふふ、読者の皆様が本編をご覧になる前に、大どんでん返しのラストが『ネタバレ』するのも無粋かと思いましてね。──しかし、こうしてコンテストも無事終了して、作品公開からも一定日数経過いたしましたから、そろそろ情報を解禁してもよろしいかと」


メリーさん太「一番の謎は、最終話にいきなり現れた、聖女様の護衛の『奴隷剣闘士』の少年だよな?」


ちょい悪令嬢「よってまずは、『少年奴隷剣闘士』についてご説明すべきかと存じますが、この点を始めとして、本作品を作成するに当たって影響を受けた諸作品を、ここでご紹介しておこうかと思います」


メリーさん太「ほう、自ら『パ○リ元』を白状するというわけか? 殊勝な心がけだな」


ちょい悪令嬢「──『パ○リ』ではありません! あくまでも『参考』です!」


メリーさん太「冗談だって、冗談。…………むしろあまりムキになると、かえって疑われるぞ?」


ちょい悪令嬢「やかましいわ! いいから黙って聞いていろ! ──それではまず最初は、タイトルの『ウチの聖女様はブラックです⁉』についてですが、」


メリーさん太「──タイトルからすでに、他の作品を『参考』にしていたのかよ⁉」


ちょい悪令嬢「内容が内容ですので、『おまえこの作品、モロに「聖○の魔力は万能です」のパロディだろう?』などといった誹りを受けないように、あえて別の作品の影響を受けていることを強調アピールしてみたのです」


メリーさん太「いやおまえやっぱり、自分から『白状』しているだろが、いろいろと⁉」


ちょい悪令嬢「(無視スルー)このタイトルの『参考元』作品については、ご存じの方もおられるかも知れませんが、鈴○鈴先生御著作のライトノベル作品、『ウチ○姫さまにはがっかりです…。』でございます」


メリーさん太「よりによって、アレかよ⁉」


ちょい悪令嬢「……『アレ』って何ですか、『アレ』って。知る人ぞ知る隠れた名作として、本作の作者の評価も非常に高いというのに」


メリーさん太「確かに非常にユニークなのは認めるが、内容の嗜好性が偏りすぎているんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「別に内容のほうは影響を受けていないので、どうでもいいのですよ。『聖○の魔力は万能です』の語感に、似ているようで似ていないから採用しただけですので」


メリーさん太「そっちのほうが、失礼だろうが⁉ ……ていうか、そう言った理由だったら、『私○愛馬は凶悪です』あたりをお手本にしたほうが良かったのでは?」


ちょい悪令嬢「むしろ『聖○の魔力は万能です』のタイトルのほうが、『私○愛馬は凶悪です』の影響を受けたのでは?」


メリーさん太「──うん、『タイトル』の話は、この辺にしておこうか!」




ちょい悪令嬢「そしていよいよ肝心の、『奴隷剣闘士』についてですが、これも知る人ぞ知る名作少女小説にして、かの超ヒットメーカー響○夏菜先生御著作の、『薔薇○灰に祈りを』を参考にしております!」




メリーさん太「あー、あれか! 確かに『剣闘士』で『不死』ともなると、あの作品を真っ先に挙げるべきだよな⁉」




ちょい悪令嬢「……なんか内輪だけで盛り上がっておりますが、『薔薇○灰に祈りを』に登場する『奴隷剣闘士』と言っても、ほとんどの方が何のことやらわからないと思いますので、簡単にご説明いたしますと、あるファンタジーワールドにおいて、人間に対していまだ存命中に『加工』を施すと、生きたまま『不死』どころかかすり傷すら即座に完治するという、特殊な『アンデッド』にすることができる『邪法』が密かに横行しているのですが、唯一の弱点として、その秘術を施した術士を殺せば、アンデッドのほうも瞬時に『灰』になって滅んでしまうことになるので、アンデッドとしては自分の術士を守護することを絶対の使命とすることになるのです。──例えば、ヒロインの一人である邪悪なる美少女術士が目をつけたのが、凄腕の『奴隷剣闘士』の青年で、日々生死を賭けた勝負をし続けて、剣技を磨き抜くのと同時に、人を殺すことなぞ何とも思わないという鋼の精神力を培ってきたので、『護衛』には打って付けで、しかも不死の肉体を与えることで無限に戦わせることもできるので、邪悪な美少女術士としては、防御だけでは無く攻撃すらも──すなわち、世界そのものを恐怖と絶望とに陥らせることすらも可能となって、『悪役』としてやりたい放題な有り様なわけなのですよ」




メリーさん太「──『ウチの聖女様はブラックです⁉』のラストの展開、そのまんまじゃないか⁉ これもう、『参考にしました♫』レベルじゃねえだろうが!」




ちょい悪令嬢「いえいえ、ちゃんと『独自性』も、付け足しておりますけど?」


メリーさん太「……独自性、って?」


ちょい悪令嬢「奴隷剣闘士を、ヒロインよりも年下の、『ショタ美少年』にいたしましたの♡」


メリーさん太「──そんなの『誤差』の範囲じゃないか⁉ ストーリー的に、ほとんど影響無いし!」


ちょい悪令嬢「そんなことありませんよ? そもそも『剣闘士』が幼い少年であること自体が、不思議だと思いません?」


メリーさん太「……まあ、そりゃなあ。あえていたいけな子供たちを殺し合わせるというのは、悪い意味で『アリ』かも知れないけど、実際にやるとなると、興業として客を呼べるレベルの剣技を仕込むにはそれなりの年数が必要だから、やはりオリジナルの『薔薇○灰に祈りを』同様に、『青年』剣闘士にならざるを得ないんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「ふふふふふ、実はまさに本作の作者による『独自設定』こそが、この年齢問題どころか、『薔薇○灰に祈りを』における致命的欠点すらも、完璧に解消することを成し遂げたのでございますよ☆」


メリーさん太「な、何だって⁉」


ちょい悪令嬢「ほら、オリジナルの『薔薇○灰に祈りを』も、肝心の『不死スキル』は剣闘士自身のものでは無く、『与えられたもの』であって、彼自身はごく普通の人間だったでしょう?」


メリーさん太「う、うん、『剣闘士』自体は特殊なジョブではあるものの、基本的には『超常的な異能』なんて必要としないしな」


ちょい悪令嬢「でもそれでは、いくらチートそのものの『不死のスキル』を与えられても、真の意味で『無敵の戦士』になれるとは限らないのですよ。──だって、たかが『剣闘士』ですよ? 剣と魔法のファンタジーワールドを舞台にしておいて、何の超常の力も持たない人間の剣闘士の戦闘能力なんて、むしろ『下』から数えたほうが早いんじゃないですか?」


メリーさん太「……ああ、そういうことか、確かにな。ドラゴンとか魔王とかを相手にした場合、まったく歯が立たないだろうし、そもそも『遠距離魔法攻撃』を食らって、どこかの密室に閉じ込められたりしたら、たとえ不死であろうが『無力化』できるしな」


ちょい悪令嬢「そこで『ウチの聖女様はブラックです⁉』においては、いっそのこと『人間では無くした』わけなのです」


メリーさん太「人間では無くした、って……」




ちょい悪令嬢「正式タイトルである『【隠し鬼】ウチの聖女様はブラックです⁉』において明示していたように、実は剣闘士は人の世に紛れ込んでいた『鬼』の落とし子であって、御主人様である聖女の超治癒能力が無くても、そもそも頑丈だし、文字通りに『鬼強い』しで、子供の頃から剣闘士を──それも、『無敵の剣闘士』をやっていても、別におかしくは無くなるんですよ」




メリーさん太「──‼」







(※後編に続きます)

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