第809話、わたくし、一次通過作『異世界警察は人喰いドラゴンを逮捕できるか?』の解説を行いますの(前編)

ちょい悪令嬢「──祝‼ 『第9回ネット小説大賞』一次選考にて、何と本作の作者『881374』の作品が、一挙に三作品も通過いたしました!」




メリーさん太「おおっ、本当かよ⁉ そいつはめでたい!」




ちょい悪令嬢「これもすべては、読者の皆様のご支持ご声援のお陰です! どうもありがとうございました!」


メリーさん太「ありがとうございました!」


ちょい悪令嬢「それで肝心の『通過作品』についてですが、残念ながら、本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』ではございません」


メリーさん太「まあ、そりゃそうだよな。この一年いろいろ忙しくて、この作品もこうして【座談会】ばかりで、いわゆる【本編】の進行はずっと途絶えたままで、とてもコンクール向きの内容じゃ無かった………いや、ちょっと待てよ⁉」


ちょい悪令嬢「うん、どうかしましたか、メリーさん?」


メリーさん太「……おい、今回一次選考を通過した作品て、具体的は何なんだよ?」


ちょい悪令嬢「あ、はい、『異世界警察は人喰いドラゴンを逮捕できるか?』と、『三つ子の魂いつまでも』と、『異能棋戦バトル血風録』でございます」




メリーさん太「──全部短編で、しかもむちゃくちゃ初期の作品ばかりじゃねえか⁉」




ちょい悪令嬢「え、それが何か?」


メリーさん太「それが何か、じゃねえよ! 前々から今回の『ネット小説大賞』にエントリーするとか言っていた、新作のほうはどうしたんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「ああ、『ヴァルプルギスの心臓』のことですか?」


メリーさん太「そう、それ!」




ちょい悪令嬢「結局あれって、エントリーに間に合わなかったんですよ」




メリーさん太「おまええええええええええええええええええええ⁉」




ちょい悪令嬢「いや、仕方ないじゃないですか? 応募最終日の受付が、てっきり深夜24時ギリギリかと思っていたら、何と午前10時終了だったものだから、エントリーし損なってしまったのですよ」


メリーさん太「うん、それは確かに間違いやすいかも知れないけど、自分がエントリーするつもりのコンテストの応募要項は、ちゃんと確認しておけ! 常識中の常識だろうが⁉」


ちょい悪令嬢「まあどのみち、新作をエントリーしても、一次選考通過も難しかったでしょうしね」


メリーさん太「……何でだよ、あれ程『やる気』だったのに」


ちょい悪令嬢「いくら『やる気』があっても、小説を書く『暇』が無かったら、どうしようもないではありませんか?」


メリーさん太「暇が無い、って……」




ちょい悪令嬢「本作の作者の父親が肋骨を10本前後骨折するという重傷を負って、まだ一年も経たないんですよ? その間ずっと『介護』のために田舎の実家に帰省して付きっ切りで世話していたのだから、本作を毎日作成してWebに上げるのが精一杯で、とてもじゃないけど新作までは手が回らなかったんですよ」




メリーさん太「……あー、そういえば、そうだったっけ」


ちょい悪令嬢「本作がこうして【座談会】形式ばかりなのも、同じ理由だったりします」


メリーさん太「しかし、せっかく新作のアイディアも結構浮かんでいたというのに、もったいないことをしたな」


ちょい悪令嬢「まあ、アイディアがたくさんあっても、それをうまくまとめることができなければ、意味がありませんからね。むしろこれから時間をかけて、じっくり取り組んだほうがいいでしょう」


メリーさん太「え、もしかして元々今回は、新作のエントリーはしないつもりだったとか?」


ちょい悪令嬢「ええ、それで一応現在連載中の本作以外にも、すでに完結済みの『旧作』もエントリーしていたのですが、まさか最も古手の作品で、しかも短編が三作も一次選考を通過するなんて、むしろ作者自身が驚いているくらいです」


メリーさん太「そうだな、やはり『コンクール』というものは、応募しないと話が始まらないからな。──それにしても、そんな初期の短編作品が、よくぞ一次選考を通過したものだな?」


ちょい悪令嬢「はい、作者自身もあまりに意外に思って、すぐに三作とも読み返してみたんですよ。古過ぎて内容をすっかり忘れていたこともあるし」


メリーさん太「そんなに前の作品だったのかよ? ──それで、どうだった?」




ちょい悪令嬢「納得いたしました、確かにこのレベルなら、一次選考通過も当然ですね☆」




メリーさん太「──ちょっと、待てえええええええええええええいっ!!!」




ちょい悪令嬢「……何ですか、メリーさん。今回は冒頭部というわけでも無いのに、いきなり奇声を発したりして?」


メリーさん太「奇声も発したくなるわ! おまえそれって、ある意味作者の分身とも言えるこの作品の主役のおまえが、絶対に言ってはならないことだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「いいじゃないですか、『わたくし、悪役令嬢です』し」


メリーさん太「おい、変なところで『タイトル回収』するな!…………確かに、悪役令嬢は高飛車であってナンボだけど⁉」


ちょい悪令嬢「……メリー、さん」


メリーさん太「な、何だよ、急に真顔になったりして」




ちょい悪令嬢「創作者というもの、何よりも自作を『客観的』に見ることが必要ですが、それは何も『批判的』に見るだけでは無く、『いいところはいいと言える』姿勢も、けして欠いてはならないのですよ?」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「特に今回は、『自分で書いたことすら忘れ果てていた』ほど古い作品が対象ですからね。『客観的』という意味ではこれ以上も無くふさわしく、その第一印象は自作に対するものであったとしても、妥当性が高いでしょう」


メリーさん太「……うう〜ん、そう言われれば、そんな気もしてきたけど、そんなに良かったのか、その通過作の三本て?」


ちょい悪令嬢「ええ、まさにその魅力を今回から、それぞれ一作ずつ、何回かにわたって念入りに解説していきたいかと存じます」


メリーさん太「──結局それが『本題』で、今までのは全部『前フリ』だったのかよ⁉」


ちょい悪令嬢「それでは早速今回は、最初期も最初期、何と本作の作者のWeb小説デビュー作である、『異世界警察は人喰いドラゴンを逮捕できるか?』から解説して参りましょう!」


メリーさん太「え、デビュー作が一次予選を通過したの? それはそれで、めでたいことじゃないか⁉」




ちょい悪令嬢「この作品は一言で申せば、短編作品として『完成形』とも呼び得る、完璧さを誇っております!」




メリーさん太「──うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいっ⁉」




ちょい悪令嬢「……ちょっとメリーさん、いちいち奇声を発するのは、やめてもらえませんか?」


メリーさん太「いや、いくら何でも、今のは言い過ぎだろうが⁉ 何が短編作品として、『完成形』であり『完璧』だよ⁉」


ちょい悪令嬢「嘘だと思うのなら、読んでみてくださっても構いませんよ?」


メリーさん太「………………やけに、自信たっぷりだな?」


ちょい悪令嬢「何せこの作品の強みは、『短編であること』、ですからね」


メリーさん太「短編であることって、そんなこと言い出したら、長編以外のほとんどの小説が該当するじゃないか?」




ちょい悪令嬢「これって元々、四百字詰め原稿用紙換算で三十枚程度の総字数だったのですよ。これより短くなれば『ショートショート』になってしまうので、『短編』としては最短の部類に入るのではありませんか?」




メリーさん太「原稿用紙三十枚⁉ ──た、確かに、『短編』としては最下限だろうな?」


ちょい悪令嬢「ここまで短いと、『無駄な部分』がまったく無くなって、自然に『完成度』が高くなり、よほどのことが無い限り、『欠点の無い標準以上の作品』となってしまうわけなのです」


メリーさん太「それだけ枚数が少なかったら、ストーリーを追うだけでいっぱいだろうし、当然のごとく『過密な内容』にならざるを得ないよな」


ちょい悪令嬢「しかも何と実は、この三十枚の作品を創るのに、一度四、五十枚程度の長さで仮に作成しておいて、何度も何度も推敲を繰り返すことで、どんどんと削っていったりしているのです!」


メリーさん太「四、五十枚の作品を、三十枚にまで削り込んだって、そんなこと可能なのか⁉」


ちょい悪令嬢「それも『超短編』だからこそ、できるのですよ。現在の『自転車操業』そのままの、連載型Web小説においては、絶対に無理でしょうね」


メリーさん太「そんだけ『圧縮』しているのなら、『完成度が高い』と言っても構わないほど濃密なのは、間違いないよな⁉」




ちょい悪令嬢「もちろん、肝心な内容が『駄目』だったら、いくら削り込もうが圧縮しようが、意味は無いんですけどね☆」




メリーさん太「──そういや、そうだな! ある意味ほとんど虚飾が無く根幹部分がむき出しの状態なんだから、むしろ『粗』があれば目立つ一方だしな!」


ちょい悪令嬢「とはいえ、本作の作者には、他に無い『強み』がありますので、この件に関しては大丈夫なのです!」


メリーさん太「……本作の作者ならではの、強み、って?」




ちょい悪令嬢「それは何と言っても、類い稀なる『独創性』に決まっているでしょう?」




メリーさん太「──‼」







(※すみません、『言い訳』(w)に字数を使い過ぎましたので、『本論』は次回にて述べさせていただきます)

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