第790話、わたくし、旅館業は結構得意ですの⁉

ちょい悪令嬢「──前言てっかーい! 本作においては、この夏の超注目アニメ『白い砂のアク○トープ』について、視聴継続を決定いたしましたあー♡」




メリーさん太「はあああああああああああああああああああああ⁉」




ちょい悪令嬢「……何ですかメリーさん、いきなり奇声を発したりして。そんなに律儀に、『天丼』を守ってくださらなくてもいいのですよ?」


メリーさん太「『天丼』なんかじゃねえよ⁉ これは本気の『奇声』だ!」


ちょい悪令嬢「ちょっと、それじゃどこかに、『本気じゃない奇声』でもあるみたいじゃないですか?」


メリーさん太「──やかましい! おいっ、ほんのこの前『白い砂のアク○トープ』の視聴を切りたいとか何とか、言ったばかりだろうが⁉ 何その、変わり身の早さは⁉」


ちょい悪令嬢「何を人のことを、『似非オリンピック反対派』みたいにおっしゃっているのですか⁉ わたくしちゃんと、しばらく様子を見てみたいと申したではないですか!」


メリーさん太「あー、そういえば、今回の第4話あたりから、話が動くとかどうとか言っていたような………………ああっ、そう言うことか⁉」


ちょい悪令嬢「そう言うこと、って?」




メリーさん太「……おまえ、第4話からいきなり『百合展開』になったので、『宗旨替え』をしやがったな? チッ、やはり『転びオリンピック反対派』じゃねえか。──ハイル、マルクス=レーニン主義! ハイル、黄色い熊猫人民共和国首席閣下!(※某中つ国においては黄色は最も高貴な色です♡) 裏切り者には総括リ○チを!」




ちょい悪令嬢「──メリーさんてば、何か変な思想に染まっているのではありませんこと⁉ 確かに『白い砂のアク○トープ』は今回、大幅に『百合路線』へと舵を切られたようで、それはそれでめでたいことかと思いますが、別にそれだけが理由ではございませんことよ!」


メリーさん太「……同じく百合で売っているこの作品のメインヒロインであるあんたが、百合路線であること以外に、『白い砂のアク○トープ』を推す理由があるのか?」


ちょい悪令嬢「『白い砂のアク○トープ』と言うよりも、制作会社の『ピーエ○ワークス』様推しに宗旨替えしたというのが、正しいですね」


メリーさん太「『ピーエ○ワークス』様って……………………ひょっとして、『神様○なった日』でも再評価したとか?」


ちょい悪令嬢「──間違えました! 『ピーエ○ワークス』様の特に『お仕事アニメ』に関してのみ、全面的に推して参りたいかと思います!」


メリーさん太「何でそこで頑なに、『神様○なった日』を除外しようとするんだよ⁉ 『ピーエ○ワークス』様を再評価するんなら、(ついででも構わないから)『神様○なった日』も再評価してやれよ!」


ちょい悪令嬢「……コホン、『ピーエ○ワークス』様には大変失礼いたしました。以前本作において、『ピーエ○ワークス』様を再評価するのは『神様○なった日』の汚名を返上してからだ!──などと、生意気なことを申しましたが、伏してお詫びいたしますとともに、場合によっては視聴を切るなどとほざいた前言を撤回させていただきます」


メリーさん太「え、それはまた、どうして?(……もういいよ、『神様○なった日』について再評価させるのは、あたしもあきらめたよ)」




ちょい悪令嬢「……巡り合ったからですよ、『花咲くい○は』という、超傑作『お仕事アニメ』に」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「いやあ、お見それしました、あれほどの作品を見せられては、『お仕事アニメのピーエ○ワークス』というキャッチフレーズを、もう二度と否定できませんよ」


メリーさん太「え? 『花咲くい○は』って、そんなに良かったの?」


ちょい悪令嬢「本作の作者が大好物の、これまでのアニメの歴史を変え得る『ぶち壊し作品』なんかではありませんが、『ピーエ○ワークス』様ならではの超絶作画とかゆいところに手の届く細やかなストーリーが高いレベルで調和して、もはや文句のつけようが無く純粋に作品を楽しむことができるのですよ。……あえて申せば、『かく○ごと』とかと同じカテゴリィですかね」


メリーさん太「むちゃくちゃべた褒めだな⁉ ──で、でも、前に無料公開されていた第1話だけを見た際には、『主人公メインヒロインが甘過ぎる』とか『実の祖母であるはずの旅館のおかみさんがパワハラ過ぎる』とか、まるで『白い砂のアク○トープ』に対する酷評そのままのことを言っていたじゃんか?」


ちょい悪令嬢「ええ、それで第2話以降はまったく手つかずのままにしていたのですが、今回『ア○マTV』様で全2クール一挙無料配信が始まったのを期に、『ニコ○コ大百科』様等で作品に対する評判を調べたところ、『「ピーエ○ワークス」様のお仕事アニメの最高傑作との呼び声も高い、「SHIR○BAK○」に勝るとも劣らない良作』と記されておりましたので、騙されたと思って第2話以降を視聴したところ、面白かったのですわ♫」


メリーさん太「……そういや本作の作者って、最近では『革新的作品』だけでは無く、こういったいわゆる『普通の良作』も再評価していたんだっけ?」


ちょい悪令嬢「以前も申しましたけど、『普通の世界観の作品』を面白くするほうが、むしろ非常に困難だと言えるのですからね。『花咲くい○は』に関しては作画だけでは無く、脚本や演出も相当に力が入っていることが窺えるってものですよ」


メリーさん太「そうなの? だったらあんたが一番気に入ったポイントは、何だったんだよ?」


ちょい悪令嬢「やはり何と言っても、『キャラデザ』ですね」


メリーさん太「──結局、作画じゃねえか⁉」




ちょい悪令嬢「ただし、そのアニメ用の『キャラデザ』の元になった、『キャラクター原案』が、岸田○ル先生の手によるものなのですよ?」




メリーさん太「何だとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお⁉」




ちょい悪令嬢「どうです、これで『アニメ制作におけるキャラデザがいい♡』という意見が出ること自体、超一級品であることが証明されたも同然でしょう☆」


メリーさん太「……あれって、岸田○ル先生原案のキャラデザだったのか? そう言われてみればそんな感じもしないでもないけど、完全にアニメ用に『こなされている』じゃないか?」


ちょい悪令嬢「わたくしも最初は全然気がつかず、何度目かのOPを見ているうちに、『キャラクター原案』の表記を目にしたのですよ」


メリーさん太「……何だろ、いわゆる『岸田○ルならではの水彩画や色鉛筆書きのような透明感』はまったく見受けられないというのに、ちゃんと『岸田○ルらしさ』が感じられるし、アニメならではの良さが抜群に発揮されているなんて⁉」




ちょい悪令嬢「何というか、原作付きアニメなんかが顕著なんですけど、元々キャラクター絵を考案なされた絵師の方が超絶技巧派や超人気作家さんであればあるほど、アニメにおけるキャラデザが『引っ張られて』、アニメならではの個性を発揮できなくて、『無惨な結果』に終わることが多いじゃないですか? それに対して『花咲くい○は』は、あえてコミカルで躍動感あふれる作風を優先することによって、普段感じられない『岸田○ルキャラ』の新たなる魅力を引き出すことに成功したと言えるのではないでしょうか?」




メリーさん太「うんうん、『ピーエ○ワークス』作品と言うと、何かと『作画』ばかりがもてはやされるけど、あくまでも『中身』あっての作画だからな。作品の世界観やストーリーに合わせて、キャラデザを変えていくってのは、当然と言えば当然だよな」


ちょい悪令嬢「そんな当たり前のことでも、実際にやるとなると非常に困難だったりするのですが、これが『高い次元で成功した』のが、まさしく『花咲くい○は』と言えるでしょう!」


メリーさん太「岸田○ル先生の原案キャラを『ピーエ○ワークス』様の超絶作画を最大限に発揮してリファインして、ストーリーを盛り上げることに成功したなんて、そりゃあ全方面において欠点無しの、『無敵の普通の作品』が出来上がるのも道理だよな……」




ちょい悪令嬢「最初は、本作の作者なんて、『……何と、「ダン○ち」のヘステ○アファミリーの辣腕サポーターのリリ○カちゃんて、転生する前の日本では、老舗旅館の跡取り娘だったんだ』とか、阿呆なこと言っていたのにねえ」




メリーさん太「──わははははははははははは! 似ている! そう言われてみれば、○花ちゃんて、『リ○スケ』そっくりじゃん⁉」




ちょい悪令嬢「それで、喜○荘の女将さんがヘステ○アさんで、ト○ル君がヴ○ルフさんで、ふ○屋の女将さんがフレ○ヤ様で、孫娘の結○ちゃんがシ○ちゃんという」




メリーさん太「──やめろ! 他人様の作品を他人様の作品を使って遊ぶな! 無駄に『的外れでは無い』ものだから、笑いすぎて脇腹が痛くなってきたじゃないか⁉」




ちょい悪令嬢「冗談はともかくとして、これほど『お仕事アニメ』にとてつもない『実績』をお持ちの『ピーエ○ワークス』様であれば、この夏の最新作の『白い砂のアク○トープ』も大いに期待できますので、けして途中で視聴を切ること無く、2クール全話を存分に楽しませていただこうと存じますわ♡」













メリーさん太「……今回は結局のところ、『花咲くい○は』のキャラデザを中心にした作画面ばかり褒めていたけど、内容のほうの見所とか共感した点とかは無かったのか?」




ちょい悪令嬢「──よくぞ聞いてくださいました、メリーさん! 共感も共感、大共感ですわ!」




メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「実は本作の作者の学生時代のバイトは、主に旅館での泊まり込みのやつが多かったのですよ」




メリーさん太「旅館のバイトって………………そういえば、作者の大学って、確か京都にあったのでは?」




ちょい悪令嬢「そうなんですよ、何せ『花咲くい○は』の舞台の金沢すらも比べ物にならない、世界的な観光地ですからね。主に修学旅行生相手の一般的なところが多かったですが、時には『大原三千院』等に所在する、伝統ある老舗の旅館なんかにお世話になったこともあるそうですよ」




メリーさん太「……へえ、意外な共通点があるものだな。確かにあんたの言うように、そんな共通認識があるからこそ、『花咲くい○は』のことが気に入ったのかも知れないな」




ちょい悪令嬢「夜は遅く朝は早いので、必ず泊まり込みのバイトになりましたが、その分『実入り』も多く、京都の学生には結構人気が有りましたね」




メリーさん太「……うん、いかにも引きこもりっぽい本作の作者だけど、意外に『勤労学生』だったんだな。残念なのは、○花ちゃんみたいな可愛らしさが無かったところか」


ちょい悪令嬢「どちらかと言うと、アニメ内における池袋の大型書店の、何だか神経質そうなバイト眼鏡少女のタイプですものね」


メリーさん太「あはははは、違いないw」







作者「……て、てめえら、自分の作者に対して、むちゃくちゃ失礼だな⁉」

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