第721話、わたくし、『ハーレム主人公』の謎を解明いたしましたの♡(前編)

ちょい悪令嬢「──さあ、今回こそ以前からお約束していた、『なろう系主人公』ならではの、『無限ハーレム構築能力』の謎に迫りたいかと思います!」




メリーさん太「……え、それってほんとに、やるつもりだったの?」




ちょい悪令嬢「やるに決まっているじゃないですか⁉ 何を言い出すのです、メリーさん!」




メリーさん太「いや、これを最初に言い始めたのが、本作の作者の(『鬼○の刃』の煉○杏寿郎と同じ)5月10日の誕生日だったろ? それから一体、何日が過ぎていると思っているんだ?」


ちょい悪令嬢「それはほら、いろいろと新たに深刻なる『時事問題』が連発したもので、そっちのほうを作品化するのに忙しかったのですよ」


メリーさん太「いや、そもそもこの作品において、『深刻なる時事問題』を扱うこと自体がおかしいよね⁉」


ちょい悪令嬢「そうは言っても、『ワクチン接種』は命の問題に直結してきますからね。むしろWeb小説なんか書いている場合じゃ無いのですよ」


メリーさん太「──それって、Web作家として、どうなの⁉」


ちょい悪令嬢「まあ、この手の話題について語り始めると、またテーマから外れて迷走しかねないので、とっとと本題に入ることにいたしましょう!」


メリーさん太「……そもそもさあ、作者の誕生日なんかと、『ハーレムに関する理論的考証』が、どう関係リンクしているって言うのよ?」


ちょい悪令嬢「まさに誕生日と言うことで、久方振りに山を越えて、街中に本を数冊買いに行ったのですが、その中の一冊に『ヒント』となるような記述があったのですよ」


メリーさん太「──仮にも作家を名乗りながら、本を買うのが久方振りって、一体どういうことなんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「今時大概の調べ物や娯楽は、ネットで十分まかなえるし、何よりもこの『コロナ禍』の中では、あまり外を出歩かないほうがいいですからね」


メリーさん太「まあ、そうか。──それで、どんな本を買ってきたんだ?」


ちょい悪令嬢「まずは、『M○cFan』の6月号です」


メリーさん太「まあこれは、『M○cユーザー』としては、当然だよな」


ちょい悪令嬢「それから、何と──」


メリーさん太「おっ、いきなり『真打ち』登場か⁉」




ちょい悪令嬢「三、四年前に、東京中の書店を探し回っても、けして見つからなかった、文○堂さんの【世界○傑作機】シリーズの、『メッサーシュミットMe262』の【復刻アンコール版】がたまたま入荷していたので、すかさずゲットいたしました!」




メリーさん太「…………なんて?」


ちょい悪令嬢「いやあまさか、令和も三年になって、この本を手に入れることができるとは、夢にも思いませんでしたよお〜」


メリーさん太「あ、ああ」




ちょい悪令嬢「それがもう、期待通り──いえ、期待の内容でして、もはや語り尽くされた感もある『Me262の解説書』で、しかも十年ほど以前に初版が発行されたものだというのに、未知の情報が満載だったのは、さすがは『世傑』と言うべきでしょう。特に何よりも重要な心臓部である、世界初の実用ジェットエンジン『Jumo004』に関するコーナーでは、こちらの長年の疑問を氷解させてくださり、当時においては『超兵器オーパーツ』とも言える、大出力ジェットエンジンである『Jumo012』や『BMW018』に、先進的なターボプロップエンジンである『Jumo022』や『BMW028』が、試作品とはいえ一応完成していたことが明記されていたし、更には『Jumo004』の発展型であり、世界初の『アフターバーナー付き』ジェットエンジンであったのは、『Jumo004』のC型では無くG型であったことが言及されていて、C型を始めから標準装備していた戦後の旧ソビエト空軍の『Yakー15』が、どうして初期タイプにアフターバーナー機能が付属していなかったのかという謎が、晴れて解決したのです!」




メリーさん太「──待て待て待て! 話に熱中しているところに悪いんだが、『Me262の解説書』のどこに、『ハーレム要素』があると言うんだ⁉」


ちょい悪令嬢「は? 何をおっしゃるのです、メリーさん。『Me262』は戦闘機なんですよ? その解説書に、『ハーレム』なんて出てくるわけが無いではありませんか?」


メリーさん太「おまっ、ふざけるな! だったら『ハーレム』は、一体いつになったら登場してくるんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「……これから紹介するつもりだった、最後の一冊ですけど?」


メリーさん太「だったら、それを最初に持ってこいよ⁉ M○cや戦闘機の本なんて、どうでもいいだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「『M○c』や『Me262』が、どうでもいいですってえ⁉ それはまさしく、本作の作者にケンカを売っているようなものであって──」


メリーさん太「──いいからさっさと、本題に入れ!」




ちょい悪令嬢「……コホン、申し訳ございません、少々興奮いたしてしまいました。実は本作の作者に『ハーレムの真実』を気づかせてくれた書物とは、皆さんすでにようくご存じの、『ダンジ○ンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の最新17巻なのでございます!」




メリーさん太「え? 『ダン○ち』だったの?」


ちょい悪令嬢「そうですけど?」


メリーさん太「いや、なんかものすごく意外な作品でも出てくるものと思っていたのに、少々肩すかしかなあって、思ってさあ」


ちょい悪令嬢「……『ダン○ち』であることに、何かご不満が?」


メリーさん太「もちろん『ダン○ち』は初期のWeb小説の中においても、指折りの超傑作であって、不満なんてまったく無いけど、それ程『ハーレム』に重きを置いている作品でも無いだろう?」


ちょい悪令嬢「まあまあ、それについては、これから念入りにご説明するつもりですので」


メリーさん太「……ほう? だったら、お手並み拝見といかせてもらおうか?」


ちょい悪令嬢「以前にもお伝えしましたが、今回はついにフレ○ヤ様がベ○君獲得に本格的に乗り出すという、大注目巻であり、実は本作の作者も自分の誕生日だからでは無く、むしろこの最新刊の発売日に合わせて、久方振りの買い出しに向かったとも言えるのです」


メリーさん太「──どんだけファンなんだよ⁉ 下手したら、『M○c』や『Me262』以上の熱中ぶりじゃないのか⁉」


ちょい悪令嬢「本作の作者は、処女とか非処女とかにかかわらず、フレ○ヤ様のような『いい女』が好きですからね」


メリーさん太「……まあ、前巻でついにその『正体』を現したフレ○ヤ様が、どのような手を使って『ベ○君攻略』に乗り出してくるのかは、確かに興味が尽きないよな」




ちょい悪令嬢「え? 『どのような手』って、もちろん最上級の美神として、『魅了』の神威チカラを使うに決まっているじゃないですか?」




メリーさん太「──いきなり、『ネタバレ』かよおおおおおお⁉」




ちょい悪令嬢「ネタバレ? 何をおっしゃっているのです?」


メリーさん太「だから、フレ○ヤ様が『魅了の力』で、ベ○君を篭絡してしまったんだろ? そこで話はおしまいじゃないか!」


ちょい悪令嬢「ベ○君を篭絡? ……いいえ、違いますよ?」


メリーさん太「へ?」


ちょい悪令嬢「もう、メリーさんたら、『魅了の力』をガチで使ったら、相手の人格を完全に奪い取って、文字通りの『恋の奴隷』にしてしまうのですよ? つまり、ベ○君の自由意志を奪って、無理やり自分に惚れさせてしまうのですよ? フレ○ヤ様がそんな無粋なことを、望んでおられるわけが無いでしょうが?」


メリーさん太「そ、そうだよな! フレ○ヤ様としてはあくまでも、ベ○君が自分の意志で惚れてくれないと、何の意味も無いよな⁉」


ちょい悪令嬢「そうですそうです、フレ○ヤ様はけして、ベ○君に『魅了の力』を使ったりするものですか!」


メリーさん太「うんうん、そうだろうそうだろう」




ちょい悪令嬢「──何せフレ○ヤ様が『魅了の力』を使った対象は、ベ○君以外の、人々や神々だったのですからね☆」




メリーさん太「………………………はい?」




ちょい悪令嬢「だから、フレ○ヤ様は人か神かを問わず、あの世界のすべての者を『魅了』することによって、完全に自分の言いなりした──どころか、記憶そのものを改竄して、『ベ○君が最初から自分のファミリアのメンバーであった』ように、世界そのものを『改変した』のですよ!」




メリーさん太「──はああああああああ⁉ それって一体どこの『始祖○巨人』だよ!」




ちょい悪令嬢「おっ、『始祖○巨人』って、まさに言い得て妙ですね、メリーさん!」


メリーさん太「えっ」




ちょい悪令嬢「そうなのですよ、フレ○ヤ様の『魅了の力』は、まさしく『進○の巨人』における『始祖(の巨人)の力』と、ほぼ同じようなものと思われるのですよ。──となると、その『仕組み』についても、もはや明白ですよね♫」




メリーさん太「──ッ」







(※後編に続きます)

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