第674話、わたくし、これこそが真の『社会現象アニメ』だと思いますの⁉

ちょい悪令嬢「皆さん、ご存じでしたかあ? 何とアニメ版『ひぐ○しのなく頃に』シリーズは、この4月で放映開始15周年を迎えたそうですよ? しかも何とそれを祝して、かの『サンリオー』様とコラボが決定して、いろいろなイベントが行われる予定とのことなのです! これはひょっとして雛○沢村の中に、『サンリオーピ○ーロランド』が進出してきたりしてね♡」




メリーさん太「──『嘘だ』‼」




ちょい悪令嬢「……え、何ですか、メリーさん、いきなり。一体何が、『嘘』だとおっしゃるのですか? ──ああっ、もしかして『ひぐ○し』ならではのお約束の、レ○ちゃんの『決め台詞』を真似されたですかあ?」


メリーさん太「やかましい! 『ひぐ○し』アニメ版15周年は確かにめでたいけれど、『ピ○ーロランド雛○沢進出』は、あくまでも4月1日限定の『エイプリールフール』ネタだったんだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「え、いや、違いますよ?」


メリーさん太「違うって、何が?」


ちょい悪令嬢「『ひぐ○しとサンリオーのコラボ』のことですよ」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「確かに4月1日においては、いかにも『エイプリールフール』ネタとして、いわゆる『手の込んだ冗談』であるかのように演出なされておりましたが、後日改めて正式にコラボが行われることが発表されたのです」




メリーさん太「──マジで『ひぐ○し』とコラボするつもりなのかよ、『サンリオー』さんは⁉ ブランドイメージ的に大丈夫なのか?」




ちょい悪令嬢「大丈夫ですって、『サンリオー』様はこれまでにおいても、結構『外した』コラボをなさってこられていますから」


メリーさん太「……そういえば、『艦こレー』ともコラボしていたっけ。『コンテンツ』自体の食い合わせがどうのと言うよりも、『客層』が全然違うだろうに」


ちょい悪令嬢「むしろ『顧客の新規開拓』という意味では、企業努力的に正しいのでは?」


メリーさん太「『艦こレー』のほうは、ミリタリィ作品モノと言っても、『萌え』方面にも力を入れているから、どうにか『サンリオー』さんの守備範囲に入りそうだけど、基本的にホラーでグロ表現も多い『ひぐ○し』とは、ほとんど『水と油』の関係では?」


ちょい悪令嬢「一つでも多くのサンリオーキャラを、『ひぐ○し』ファンの皆様に、『かあいいよー、お持ち帰りぃ〜』してもらえる効果が、見込まれているのでは?」


メリーさん太「結局それも、『レ○ちゃんの決め台詞』じゃんかよ⁉」


ちょい悪令嬢「ほ、ほら、梨○ちゃんや沙○子ちゃんあたりだったら、黙っていれば可愛いし、サンリオー様のキャラたちともお似合いでしょうが?」


メリーさん太「……ついこの間までは、『外見はいいが、中身は絶対駄目だろ⁉』と、ツッコミを入れる対象は、主に梨○ちゃんのほうだったんだけど、今じゃ圧倒的に、沙○子ちゃんのほうになってしまったよな」


ちょい悪令嬢「『サンリオーピ○ーロランド・雛○沢分校』においては、女性のペアのお客様限定の、『シャンデリア百合心中』というアトラクションが大人気を博したりしてね☆」


メリーさん太「──やめなさい!」


ちょい悪令嬢「……さて、冗談はこの辺にしておいて、ここで残念なニュースをお知らせしなければなりません」


メリーさん太「ど、どうした、いきなり真剣な口調になったりして?」




ちょい悪令嬢「今回のアニメ版最新作の『ひぐ○しのなく頃に業&卒』の総作画監督とキャラクターデザインを担当なされている、『ぽよよん♥ろ○く』先生こと渡○明夫氏が、ご自身のSNSにおいて『コロナウイルス陽性反応』を宣言なされて、療養に入られたそうなのです。結構年配の方ですので、今後のご経過が心配されるところでございます」




メリーさん太「──マジで深刻な状況じゃないか⁉」




ちょい悪令嬢「渡○先生と言えば、先程も話題に挙げた『艦こレー』における艦む○の『松』ちゃん等を始めとして、ゲームやアニメのキャラ設定や作画監督やイラストレーター等々といったふうに、多方面で活躍なされており、大勢のファンの皆様から絶大なる支持を得ておられる方ですので、今後各作品への影響が非常に気がかりですわよね」


メリーさん太「やっぱ何と言っても心配なのは、この7月から放映&配信開始予定の、『ひぐ○しのなく頃に卒』だよな」


ちょい悪令嬢「アニメ本編制作自体も、スケージュールの進行的に微妙なところですが、更にそれよりも、『サンリオー』様とのコラボ等の各種イベントや、アニメ雑誌等における『版権イラスト』については、差し支えが生じる怖れは多々ありそうです」


メリーさん太「こりゃあ、本作の作者を始めとして、先生ご自身のファンも『ひぐ○し』のファンも、全力で御快復をお祈りするしか無いよな」




ちょい悪令嬢「──そんな皆様に朗報です! 何と動画サイトの『ア○マTV』様において、かの先鋭的アニメ制作会社の『シ○フト』様の初期の超傑作、『化○語』の全話一挙無料配信がスタートしたのでございます!」




メリーさん太「うおっ、まさしく渡○先生が、総作画監督とキャラクターデザインを担当なされたやつではないか⁉」


ちょい悪令嬢「しかも4月9日の金曜日からは、『偽○語』のほうも全話無料配信なされる予定ですので、渡○先生のファンも、シ○フト様のファンも、原作者の西オー維新先生のファンも、絶対に見逃せませんよ!」


メリーさん太「……つまり、渡○先生のかつての代表作を視聴しながら、その才能やセンスやテクニックの素晴らしさを再確認しつつ、更なる新作への期待を高めることによって、一人でも多くの人たちに、先生の復帰を心より祈っていただこうというのが趣旨なんだろうけど、本作の作者のほうは、そんなことをやっていて大丈夫なのか?」


ちょい悪令嬢「……大丈夫って、何がですか?」




メリーさん太「自分自身の小説執筆だよ! ただでさえ『ネット小説大賞』へのエントリー作品の作成に手間取っているというのに、昨日は『進○の巨人』ファイナルシーズンの全話一挙無料配信を視聴して、半日潰してしまうし、この上『化○語』や『偽○語』まで見始めたら、時間がいくら有っても足りないだろうが⁉」




ちょい悪令嬢「ああ、それについてはまったく問題ありませんので、心配御無用でお願いいたします」


メリーさん太「はあ? 何でだよ?」




ちょい悪令嬢「『進○の巨人』にしろ『化○語』にしろ『ひぐ○しのなく頃に』にしろ『ま○か☆マギカ』にしろ、超革新的作品と言うものは、何度見ようが、そのためにいくら時間をとられようが、結果的に自身の作品づくりに、大いに役に立ってくれるのですから♡」




メリーさん太「……ああ、いつもの、『本作の作者ならではのポリシー』か」


ちょい悪令嬢「実はわたくし、こういった作品こそが、真に『社会現象』を起こし得ると思っておりますの♫」


メリーさん太「は?」


ちょい悪令嬢「何か最近では『社会現象アニメ』と言うと、『売り上げ』とか『観客動員数』とかいった、『目に見える数字』ばかりで語られているじゃないですか?」


メリーさん太「……まあ、そうだな」


ちょい悪令嬢「でも、そういうのって当然のごとく、『一般受け』を狙っているからこそ、大勢の人から支持されるんですよね?」


メリーさん太「……………………………………………う、うん、そうかもな?」


ちょい悪令嬢「そのためなのか、本作の作者のような、『(自称)違いのわかるマニア』連中には、まったくと言っていいほどウケが良くなく、『一体どこが社会現象レベルの作品なんだ?』とか、『結局これも情報操作の賜物でしかないんだろうなw』とか、あげつらわれる始末ですものね」


メリーさん太「………………………………………………………ノーコメントで」


ちょい悪令嬢「そこで、本当の意味での『社会現象』作品──すなわち、文字通りに時代を一変し得る超革新的なアニメである、『エポックメイキング作品』とは、一体どういったものかと、ずっと考え続けていたのですが、このたび新旧の超傑作アニメ作品を視聴する機会に恵まれたこともあって、本作の作者なりの『解答』を得ることができましたので、ご参考までに紹介したいかと思います」


メリーさん太「……聞くのが非常に怖いけど、一応言ってみろ」




ちょい悪令嬢「まずはですねえ、そもそも個々のファンが作品を楽しむのに、『社会現象レベル』とか、全然気にする必要は無いのですよ。世間の意見なんかに左右されること無く、あくまでも自分の『好み』で作品を選んでいって、そんな中で『非常に感銘を受けた』作品が有ったとしたら、それこそがその人にとっての『エポックメイキング作品』となるだけの話なのです」




メリーさん太「……案外まともなことを言うじゃないか、安心したぞ?」


ちょい悪令嬢「ちょっと、わたくしのことを、何だと思っておられるのですか?」


メリーさん太「それもノーコメントで」


ちょい悪令嬢「──何でも『ノーコメント』で済まそうとするなよ⁉」


メリーさん太「いいから、とっとと続きに移れよ?」




ちょい悪令嬢「……まあ、いいでしょう。それで二番目としては、やはり『エポックメイキング』と言うからには、『革新的』作品であるべきかと存じます。例えば『ま○マギ』のように、これまでの『シ○フト作品』に無かったものであるのはもちろん、『魔法少女』というジャンルそのものを一変して、アニメを始めとする創作物における常識を覆すようなものであるべきなのですよ!」




メリーさん太「なるほど、これまでの『社会現象レベル』のアニメ作品である、『宇宙戦艦ヤ○ト』も『機動戦士ガン○ム』も『新世紀エヴ○ンゲリオン』も『宮○アニメ』も、かつて無き革新的作品でありながら、同時にそれ以降においては『スタンダード』ともなった、文字通りの『金字塔』ばかりだからな」


ちょい悪令嬢「──おお、メリーさん、いいことをおっしゃりますね! そうなのです、真の『エポックメイク作品』とは、ただ単に革新的だけでは無く、スタンダードともならなくてはならないのです! ……それで、『スタンダード作品』となるには、一体『何』──いえ、『誰』が必要でしょうか?」


メリーさん太「──ッ。そ、そうか、『フォロワー』か⁉」




ちょい悪令嬢「その通り! これぞ『エポックメイキング作品』としての、最後にして最大の条件なのですが、別に無駄に大勢の人に『消費』される必要は無く、ほんの少数の人たちであっても構いませんので、その作品に触れることによって、これまでの人生では味わったことも無い強烈なる感銘を受けて、『──ようし、自分もこのような素晴らしい作品を創ってみせるぞ!』と思い立って、創作の道へと歩み始めるとしたら、それ以上に素晴らしいアニメ作品なぞは無いでしょう。──もちろんこれは、すでにプロの作家である方たちにも適用されて、『ま○マギ』に刺激を受けることによって、それぞれの作家さんなりに革新的な、『魔法少女』や『勇者少女』の作品が目白押しとなったのは、記憶に新しいところではないでしょうか」




メリーさん太「……ああ、まさに、『ヤ○ト』や『ガン○ム』や『エヴ○』や『宮○アニメ』のような作品こそ、多くの人々に比類無き感動を与えることによって、その中から少なからず、新たなる創作の担い手たちを生み出してきたよな」


ちょい悪令嬢「最近だとまさしく、『ま○マギ』や『ひぐ○し』や『進○の巨人』なんかが、相当するでしょうね」


メリーさん太「実はその担い手たちこそが、『エヴ○』や『宮○アニメ』に影響を受けた世代だったりしてな」




ちょい悪令嬢「──と言うわけで、アニメ作品の価値は、観客動員数や円盤の売り上げなんかで計れるものでは無く、どれだけ人の『心』に影響を与えて、下手したら人生までも変えてしまい、結果的にアニメ界や社会そのものを変革したかどうかに基づくべきなのであって、そのような『真のエポックメイキング作品』である、『ま○マギ』や『進○の巨人』や『ひぐ○し』等のヒットが面白くない『アンチ』の皆さんは、適当な『社会現象アニメw』を『叩き棒』してマウントをとろうとしたところで、自分の浅はかさを露呈するだけですので、これからは大いに自重なされることをお勧めいたしますわ♡」










メリーさん太「──結局今回も最後の最後で、『アンチ』どもを盛大にディスるのかよ⁉ だから余計な敵を作るなって、あれほど言っているだろうが?」

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