第673話、わたくし、エロスとタナトスの、AI戦士ですの♡(後編)

ちょい悪令嬢「──何せ、異世界において現代日本の情報を適用できるのなら、その逆ができないなんてけして言えないでしょう? 事実『進○の巨人』では、同じようなことをやっておられるのですからねえ。ここは一つ、『ジャパン・プラテ○』が、それだけ上級の『集合的無意識とのアクセス権』を有していて、現実世界の人々すらも、強制的に集合的無意識とアクセスさせて、肉体を構成するすべての量子を『重ね合わせ状態』にして、ファンタジー異世界の不定形暗黒生物である、ショゴスと同じ状態にすることさえも可能なのだと、思っておきましょうよ」




メリーさん太「……そうか、そもそも人間にとっての『事実』とは、脳みそに存在している『記憶』そのものとも言えるのだから、集合的無意識を介してインストールされるのが、『エ○グ世界』における記憶情報だけだとしても、肉体すらも影響を受けることも、けしてあり得ない話じゃないよな」


ちょい悪令嬢「桃○ちゃんが、『エ○グ世界』においてパニ○クちゃんの肉を食べさせられた記憶を、現実世界でとりの唐揚げを食べている際に思い出すことで、嘔吐を催すといった『肉体的変化』を生じたのが、いい例ですよね」


メリーさん太「それで、肝心の第12話初お目見えの、『同一人物の同時存在』は、どうやって実現するんだよ?」




ちょい悪令嬢「これについては、以前も申しましたでしょう? 一つの異世界において同一人物を複数同時に転生させることは、けして不可能では無いって。この場合まったく同一の日本からでは無く、お互いに並行世界の関係のある日本から、それぞれ別々のア○ちゃんの『記憶』と『肉体情報』とが、集合的無意識を介して、『エ○グ世界』のAIやショゴスへと、インストールされているわけなのです」




メリーさん太「……若干体つきや頭部のアクセサリーが異なっていたのは、同じ人物でありながら、形態情報が微妙に異なっていたからなのか?」


ちょい悪令嬢「それについては、アニメ制作現場において、キャラを描き分けるためだったりして?」


メリーさん太「──急に現実的な話をするなよ⁉」




ちょい悪令嬢「……もっと恐ろしいことを思いついてしまったのですが、元々『少女の自殺の実態』を知ることを目的としている『ジャパン・プラテ○』が、最初から計画的に、同じ人物でありながら、例えば『小○ちゃんという友人がいるかいないか』とか言った、条件設定を臨機応変に変えつつ、無数のパラレルワールドをひっくるめた『実験場』において、実験を繰り返していたりしてね」




メリーさん太「──ちょっ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「ええ、12話に登場した『パラレルワールドのア○ちゃん』が実験的存在だとしたら、最初から存在していたア○ちゃんのほうも、『実験』のために存在では無いと、けして言いきれないでしょう? こうして『偽物』が出てきたからには、レギュラーのア○ちゃんのほうだけが『本物』であると言う確証は、無くなったも同然ですからね」




メリーさん太「──いや、そこまで行ったら、いくら何でも興ざめだろうが⁉ 6月公開予定の【特別編】でそれをやったら、大炎上間違いなしだぞ?」




ちょい悪令嬢「まあこれは、本作の作者自身の妄想みたいなものですが、論理上けしてあり得ない話では無いのですよ?」




メリーさん太「仮にも他人様の作品に対して、そんな重大な設定をでっち上げたりして、余計なお世話過ぎなんだよ⁉ ──もっと差し障りの無い考察は無いのか?」




ちょい悪令嬢「ああ、有りますよ、差し障りが無いと言うか、むしろどうでもいいやつが。──実は『ワン○グ』は、超傑作魔法少女アニメ『ま○か☆マギカ』原作テレビ版だけでは無く、むしろ外伝である『マギア○コード』のほうの影響を色濃く受けていたことが、今回判明したのですよ!」




メリーさん太「は? 『ワン○グ』が『マギ○コ』の影響を受けているって、一体どの辺が?」


ちょい悪令嬢「ほら、あの『ラスボスの先生』って、視聴者の皆さんが想像した通りの本性を現して、大好評だったじゃないですか?」


メリーさん太「……いや、あれはあくまでも、ご本人では無く、『ワ○ダーキラー』だろうが?」


ちょい悪令嬢「あれって、『誰かさん』を思い出しませんでした?」


メリーさん太「誰かさん、って……」




ちょい悪令嬢「『マギ○コ』における敵の大幹部──すなわち『ラスボス』のお一人であられる、ア○ナ=グレイさんですよ! 『芸術家』気取るところや、『奇妙な絵の具』で攻撃するところなんか、『ド○ペル』発現状態の彼女そのものだったでしょうが?」




メリーさん太「──ああっ、言われてみれば⁉」




ちょい悪令嬢「しかも、いかにも禍々しい謎の絵の具を浴びたとたん、状態異常をきたす『AIちゃんならぬア○ちゃん』って、これはもう言い逃れできませんなあwww ──ていうか、これで以前からまことしやかにささやかれていた、『ア○ちゃんAI説』が、かなり信憑性を帯びてきたのでは?」




メリーさん太「ア○ちゃんが二人登場したのも、ア○ナ先輩の『絵の具型ド○ペル攻撃』を受けたAIちゃんが、二葉さ○ちゃんそっくりに変化メタモルフォーゼしたシーンを彷彿とさせるしな!」




ちょい悪令嬢「──と言うわけで、思わぬ事実が発覚しつつも、期待以上の斬新なる展開を見せてくれた『ワンダーエ○グ・プライオリティ』でしたが、果たしてどのような決着をつけてくれるのか、今から6月放映予定の【特別編】が、非常に楽しみですわね♡」




メリーさん太「……そういや、『シン・エヴ○』のほうも、『第○村』にたどり着いたシ○ジ君の前に、大人に成長した『旧劇』のシ○ジさんが現れて、こっちはこっちでア○カ嬢と結婚して、幸せで現実的な家庭を築いているという展開にすれば、誰もが納得してくれて、真の意味で大団円で終われたかも知れないのになあ」




ちょい悪令嬢「──せっかく今回は、わたくしのほうは『シン・エヴ○』に対して何も言及しなかったというのに、最後最後に来て、特大のディスりをカマさないでいただけませんこと⁉」




メリーさん太「あ、わりぃ、なんか最近、毎回一度は、『シン・エヴ○』のことをディスらないと、何だか落ち着かなくなってしまったんだよ」




ちょい悪令嬢「もうそれ、病気だろ⁉ ──ていうか、本作の作者って、本当は『エヴ○』のこと大好きだろ⁉ だからこそ『ディスり』を装って、毎回こうして『ステマ』を繰り返しているんじゃないのか⁉」




メリーさん太「……うわあ、何という、『拗れた愛情』、まるで『進○の巨人』における『真の芸術家』、ザ○クレー総統さんみたいだよなw」




ちょい悪令嬢「とにかく、今期──いえ、今となっては『前期』ですか? 2021年版の『冬アニメ』の考証については、今回限りにしたいかと存じます」


メリーさん太「次回からはどうするの? やはりいよいよ最終回を迎える、漫画版『進○の巨人』についての考証を始めるとか?」


ちょい悪令嬢「それについてはこの前も申しましたが、この時期にやっちゃうと下手したら、某出版社様から訴えられかねませんので、しばらくは自重したいかと思います」


メリーさん太「だったら、次回は何を語るつもりなんだよ?」




ちょい悪令嬢「最近、国会の議席や某県庁の管理職のポストについて、無理やり『男女同数』にすることを宣言した、民主主義に対して許し難き暴言を吐いたクソ野党の議員どもを、その世迷い言の実現を一見お手伝いしているように見せかけつつ、最も効果的に自滅に追いやる手段を思いつきましたので、事細かに述べたいと思いま〜す☆」




メリーさん太「──また、政治方面の話をするつもりなのか⁉ いい加減にやめておけよ!」













ちょい悪令嬢「……ええと、次回予告をしておいて何ですが、最後に少しだけ本編について、補足させていただこうと思います」




メリーさん太「どうした、まだ語り足りないことでも有ったのか?」




ちょい悪令嬢「一番大切なことを、お伝えするのを忘れていたのです」


メリーさん太「一番大切なこと、って……」




ちょい悪令嬢「このたび三回にもわたって、最終12話を始めとして『ワンダーエ○グ・プライオリティ』全般について、あれこれと申してきましたが、以前本作において述べたように、作品というものは『論理的な正しさ』なんかよりも、『何をテーマにしているか?』こそが大切なのであって、そういう意味では、『ワン○グ』は最初から最後まで、まったく文句の付けようが無かったことを、ここで明記しておきたいかと思います」




メリーさん太「『ワン○グ』のテーマって、具体的には何なんだよ?」


ちょい悪令嬢「終盤になって明らかになったのですが、『エロスとタナトスとの対決』でございます」


メリーさん太「ああ、第11話や第12話あたりで、ア○氏や裏ア○氏、それにア○ちゃんなんかが、そう言ったことを言っていたっけ」




ちょい悪令嬢「もっと詳しく申しますと、どうやら少女たちに対して、『タナトス』──すなわち、『死の誘惑』をしている『AI少女』がいるらしいのですが、それに対抗するために、(萩○望都御大のおっしゃるところの)『エロスの季節』である思春期まっただ中の、主人公のア○ちゃんを始めとする四人の少女たちが、『エロスの戦士』として選ばれて戦っていくという、(クライマックス以降の)展開となっております」




メリーさん太「……確かに、それぞれに問題を抱えた少女たちに、わけのわからない世界でバトルを演じさせながら、徐々に『隠されていた真のテーマ』を浮かび上がらせていくといった流れは、物語の演出として非常に秀逸だよな」




ちょい悪令嬢「第12話において、パラレルワールドの『自殺した自分自身』と協力して、己のトラウマである担任教師やタナトス側の少女戦士と死闘を演じたのは、ア○ちゃん自身が『死の誘惑』を辛くも振り切れたことの『メタファ』とも言い得るでしょう。──しかも、『エ○グ世界』において一時的に『自殺してしまった自分』とシンクロしてしまったア○ちゃんは、現実世界に戻ってからも、あたかも自分自身の記憶も同然に『自殺した記憶』をも有することになり、まさにこれぞ集合的無意識を介して『別の可能性の世界パラレルワールドの自分の記憶』とアクセスをすることによって、事実上の異世界転生を果たしたも同然であり、これからタナトス陣営と戦っていくに際して、大いに役立つことになるでしょう♡」




メリーさん太「へえ、それ程までにとことん熟考して、ストーリーを構成していたんだな。こりゃあ真の最終章である6月の『特別編】が、非常に楽しみだよ」




ちょい悪令嬢「ほんと、下手すると『ま○マギ』と匹敵するほど、『化ける』かも知れませんので、アニメ好きの方は、最後の最後まで要注目ですよ!」

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