第649話、【震災10周年】わたくし、「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ」ですの⁉(後編)

ちょい悪令嬢「──何せ前々回のテーマは、『アダムとイヴ』をモチーフにすることによって、『シン・エヴ○』と『進○の巨人』との、現在における『相違点』をあぶり出すことでしたしね♫」




メリーさん太「……と言うことは、『エヴ○』か『進○』のどちらかが、『東日本大震災』に関係しているってわけなのか?」


ちょい悪令嬢「大災害や大戦争後の『ポストアポカリプス』作品という意味では、同じようなものですが、エヴ○のほうでは『Q』の公開の延長措置に、東日本大震災が関係していたとも、まことしやかに噂されているのですよ」


メリーさん太「……ああ、『Q』は舞台設定的に、『ニアサードインパクト』の後の物語であるとともに、本編の最後ラストでも実際に、文字通り天変地異の『フォースインパクト』の発動シーンが描かれていたからな。3月11日直後に公開したりしたら、少なからず物議をかもしていたかもね」




ちょい悪令嬢「まあ、そこら辺はほとんど『言いがかり』レベルかと思いますが、『エヴ○新劇場版』シリーズが──ひいては、庵○監督ご自身が、『逃げた』ことだけは、間違い無いかと思われるのでございます」




メリーさん太「──あ、あの庵○監督が、『エヴ○』で、逃げた、って……」


ちょい悪令嬢「実はこれこそが、前々回の突発短編作品の、最大のテーマとなっております」


メリーさん太「はあ⁉」




ちょい悪令嬢「例えばまさに『Q』においては、先程ご紹介しましたように大震災に前後して放映された、『ま○マギ』のループ作品としての完成度の高さが、同じループやパラレルワールドの要素を多分に含んでいた『エヴ○』新劇場版としては、下手すると『見劣り』するどころか、『二番煎じ』扱いすらもされかねないことに、非常に危機感を覚えて、大幅に作成し直すことになり、公開日が延長されたのはもちろん、内容のほうもいきなり作中時間が14年も飛んでしまうという、(本作の作者のような奇特なファンは例外として)非難囂々の有り様となったという『説』も、存在するくらいなのですよ」




メリーさん太「それってたぶん、『ガセ』とか『デマ』とか呼び得るものだと思うけど、確かに『ま○マギ』と比べられるのは嫌だよな? ──たとえ庵○監督レベルの、天才創作者クリエーターとしてもな」


ちょい悪令嬢「実はそれも、『自分が蒔いた種』だったりしてね。あの人、新劇場版第一作を作成するに当たって、『エヴ○の旧劇場版が完結して以来、エヴ○を超えるアニメ作品は皆無だった』とか、失礼極まることほざいて煽りまくって、すべてのアニメクリエーターの皆さんを敵に回したからな。そりゃあ俄然やる気になって、『ま○マギ』クラスの作品が、ボコボコ登場するってものですよ」


メリーさん太「確かに、いくら何でもあんなことは、たとえ心で思っていても、実際に口に出したら駄目だよな」


ちょい悪令嬢「あえて口に出すことで、後進のアニメーターたちを、発奮させようとしたのかも知れませんけどね」


メリーさん太「最大限に好意的に見れば、そのようにとれないことも無いけど、その結果自分自身の足をすくわれることになったんじゃ、やはり自業自得と言わざるを得ないぜ」




ちょい悪令嬢「──そして、『逃げた』のが事実だったことを如実に証明したのが、まさしく今回の『シン・エヴ○』だったわけなのでございます」




メリーさん太「……『シン・エヴ○』が、庵○監督の『逃げ』を証明したって?」




ちょい悪令嬢「わかりやすい比較対象が、まさしく同じ庵○監督の手による、『旧劇場版』なのですよ。最終的には『アダムとイヴ』そのままとなった、シ○ジ君とア○カちゃんですが、それは『新たなる希望』と言うよりも、まさしく『絶望の終焉』をイメージしていましたよね」




メリーさん太「うん、あれだけ世界そのものを壊滅させて、作品の世界観そのものを『ぶち壊し』にしてしまったんじゃ、希望の未来に繋がるハッピーエンドなんて、絶対にあり得ないよな」


ちょい悪令嬢「ある意味これって、他でも無く『エヴ○のファン』に対して、『アニメなんて虚構に過ぎず、現実を見ろ!』と、言っているようなものですわ」


メリーさん太「……え、ちょっと待って。それって、『シン・エヴ○』の結論そのものじゃないの?」


ちょい悪令嬢「同じようでいて、両者には、天と地ほどの違いがあるのですよ」


メリーさん太「ど、どうして?」




ちょい悪令嬢「『旧劇』では、オタクたちに対してガチでケンカを売っていて、全力でオタクの幻想をぶち壊そうとしているのに対して、『新劇』のほうは、まるで悟りきった老人が説教臭くウザい解説ばかりくどくどと垂れ流して、『わしは金持ちになってオタクをやめて綺麗な奥さんをゲットして今無茶苦茶ハッピーだから、おまえらもアニメなんか卒業して現実に帰ったほうがいいよ〜ん☆』とかほざいて、完全に『エヴ○』どころか『アニメ』そのものからも、最悪の『逃げ』である、『卒業宣言』をぶちかましたのです」




メリーさん太「……ああ、『旧劇』段階の庵○監督は、本気でオタクを毛嫌いしていたのに、『新劇』の現段階においては、自分自身が現実にハッピーになれたものだから、オタクとかアニメとかってことか」


ちょい悪令嬢「ほんと、お気の毒にねえ。もはや『エヴ○』なんて、それ程影響力は無いんだから、結局憤慨したのは、一部の『カプ厨』だけだというwww」


メリーさん太「いや、影響が少なければ、別に構わないじゃないのか? それに間違ったことを言っているわけでも無いし、そもそも『エヴ○』は庵○監督の作品なんだから、どんな終わり方をしようが、自由なんだし」




ちょい悪令嬢「いいえ、それでは『創作者として失格』なのです。──果たして、今回の『シン・エヴ○』を観て、『何て熱い作品なんだ! 僕もいつかはこんな素晴らしい作品を創って見せるぞ!』と、触発された若者が、一体何人いたでしょうねえ?……………下手したら、ただの一人もいなかったりして?」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「自分以外の誰かを、人生を踏み外すほど熱中させる作品を創れるなんて、まさに『真の悪魔の化身』である創作者冥利に尽きるではありませんか? 間違い無く『旧劇場版』を作成なされていた頃の庵○監督は、『本物の悪魔』であられたでしょう。──それを、何ですって? 『アニメを捨てて、現実を見ろ』だあ? あんたもう、創作者失格だよ。これからはせいぜいアニメ以外の特撮分野なんかで、『ゴ○ラ』とか『ウル○ラマン』とか、人の創作物の二次創作でもやっていればいいんじゃないのwww」




メリーさん太「──ここにきてスゲエ、全否定ぶりだな⁉ ……いや、言っていることは、確かに間違っちゃいないけどよお」




ちょい悪令嬢「それに引き換え、現在『進○の巨人』が、世界中の人々から熱き支持を集めているのは、まさしく『エヴ○旧劇場版』そのままの、『全滅エンド』や『絶望のアダムとイヴ』を描ききっているからなのです。各業界の明日を背負って立とうとしている、創作者志望の若者の皆様は是非とも、現在最終回目前の原作漫画や、絶賛クライマックス中のアニメ版ファイナルシーズンを、ご覧になられることを、強くお勧めいたしますわ♡」




メリーさん太「あー、なるほど。前々回の突発短編の『アダムとイヴ』ネタは、『シン・エヴ○』と『進○の巨人』との対比こそを、『隠しテーマ』にしていたってわけか。まあ、庵○監督も『アニメ』については、すでに『やり尽くした感』もあって、自ら『後進に道を譲った』とも言えるわけですし、あまり一方的に非難するのも酷というものでしょう」




ちょい悪令嬢「……驚いた、まさかメリーさんが、フォローに回られるとは⁉」




メリーさん太「──あんたがいつになく言いたい放題言いやがるから、あたしがフォローせざるを得なかったんだよ⁉」

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