第623話、わたくし、すべての被災者の皆様にお見舞い申し上げますの。

ちょい悪令嬢「──昨日深夜、関東及び東北地方に跨がる広範囲の地域において、(本日午前4時時点での発表で)マグニチュード7及び最大震度6強の地震が発生いたしました。これはかつての東日本大震災の『余震』と見られており、被災地の皆様におかれましては、これ以降についても十分お気をつけください」




メリーさん太「すでに多数の負傷者も報告されており、いまだ夜明け前というのに停電している世帯も数十万戸に上っていて、被害に遭われた方及び不安に苛まれている皆様に対しては、心からお見舞い申し上げます」




ちょい悪令嬢「本来なら本日は2月14日と言うことで、【ヴァレンタインデー記念企画】として、すでに『わたくし、この聖なる日に、心臓(型チョコレート)を捧げますの♡』というエピソードを作成中だったのですが、このような状況になりましたので、とてもそんなふざけた(?)エピソードを公開するわけにはいかず、急遽今回の震災に関する【特別座談会】に差し替えさせていただきます」




メリーさん太「……震災に関する【特別座談会】って、本作の作者は、現在地震の影響がまったく及んでいない、某地方に在住しているんだろ?」


ちょい悪令嬢「ほんと、前回も申しましたが、まるで自ら世界の命運を操っているかのように、『悪運』が強いこと。──本来なら、今もなお首都圏にいても、おかしくないのにねえ」




メリーさん太「──あ、そうか! 本作の作者って、十年前の『東日本大震災』を経験しているんだっけ⁉」




ちょい悪令嬢「ええ、一応首都圏の中心部在住でしたので、福島県周辺に比較すれば、それ程被害は無かったのですが、揺れ自体は凄まじいものがありました。あの時も机に向かってパソコンとにらめっこをしていたのですが、本人が座っていた椅子ごと大揺れに揺れたのはもちろん、真後ろの冷蔵庫が倒れ込んできたりして、とても生きた心地がしなかったらしいですわ」




メリーさん太「……結構すごいに目に遭っていたんだな、あいつって⁉」




ちょい悪令嬢「いえいえ、本格的に被災なされた方に比べれば、全然大したことはありませんでしたわ。住居自体に具体的な被害は無かったし」


メリーさん太「……でも、今回もすでに発表されているように、電気とかガスとか水道とかが止まって、生活に困ったんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「インフラについては、翌日にはほとんどすべて復旧いたしましたよ? その節は、東京電力及び東京ガス、それに各自治体の水道局の皆様による、いち早くの適切なるご処置と大変なるご努力に対して、心から感謝しております」


メリーさん太「聞くところによると、その後しばらくは、『計画停電』とかも行われていたんだろ?」


ちょい悪令嬢「それについても、幸い作者の居住地は、範囲外でしたの」


メリーさん太「──じゃあ、今から何を語ろうって言うんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「もちろん、『二次人災』について、ですわ」




メリーさん太「ああ、最初は大丈夫だったけど、後になって何らかの『二次災害』には遭っていたのか………………いや、待て! あんた今、何と言った? 二次だと?」


ちょい悪令嬢「ええ、これについては、本作の作者においても、十分有益なアドバイスを行うことが──あ、ちょっと待ってください。ただ今最新情報が入って参りました。すでに防衛省自衛隊におかれましては、幹部が緊急招集されて、被災地域に部隊の集中配置を全力で推し進めるとともに、いち早くヘリ部隊によって被害地域全体の確認が行われ、地震による大規模な人的物的被害は、今のところ見られないとのことです!」


メリーさん太「──おお、それは一安心だな! すでに被害に遭われた方や避難をなされた方は、大変かと思われますが、くれぐれも落ち着いた行動をとられて、救援活動や支援活動をお待ちになってください!」


ちょい悪令嬢「国外が発生源の大災厄たる『大陸風タイリク・フーウイルス』のせいもあり、避難を忌避なされている方も多いと思いますが、これから先、二次災害も十分考えられますので、くれぐれも公的機関の指示に従って行動なされることをお勧めします」


メリーさん太「……このような火急な事態において、実際に役に立つ自衛隊に引き換え、外国勢力の工作員を始めとする売国勢力の、役立たずっぷりときたら、どうなんだろうな?」


ちょい悪令嬢「もしも現在すでに、『夫婦別姓』が実現していたとしたら、行方不明者等の夫婦や親子で姓が違っていたりして、救助活動も大混乱をきたしていたでしょうね」


メリーさん太「『自称エセLGBT』のやつらも、救援所の風呂やトイレや更衣室における、性別の区分けに関して、一悶着起こしたりしてな」


ちょい悪令嬢「……まあ、今回の震災においては、今のところそれ程被害が出ていないので、『笑い話』で済みますが、自称『人道主義者』の皆さんは、是非我が身になって、いろいろと考えてみてください」


メリーさん太「人の生死がかかっている現場で、しかも物資も乏しい状況において、一目瞭然の男性が、『私はLGBTだから、女として扱ってちょうだいッ!』だとかわめき立て場合、あなたは冷静に対処できますか?」


ちょい悪令嬢「ほんと、現在のこの国は、『平和と自由』と言うものを、根本から履き違えているやつらが多いですよね」


メリーさん太「……ええと、話が盛大に脱線しているようですけど、これがあんたが言うところの、『二次人災』なわけ?」




ちょい悪令嬢「あ、いえ、違いますよ? わたくしが言いたいのは、もっと日常生活的な『人災』でございます」




メリーさん太「……日常生活的な人災って、例えば集合住宅における騒音問題のようなやつ? それ本当に、震災に関係あるのか?」


ちょい悪令嬢「あります! 大アリです! 是非とも被災地の皆様に、気をつけていただきたいことなのです!」


メリーさん太「そ、そうなの? 一体、それって──」




ちょい悪令嬢「食料品を始めとする、生活物資の買い占めですよ! ──いいですか、皆さん、これくらいの災害においては、首都圏の物流はビクともしません! 不要な買い占めを行うことによって、自ら首を絞めたりなさらないように!」




メリーさん太「……あー、買い占めかあ。いやもうすでに、始まっているんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「昨今の『コロナ禍』を受けて、結構多くのご家庭において、食料品等の生活物資については、ある程度買い置きなされていると思いますので、それ以上の余計な買い溜めはなさらぬように!」


メリーさん太「でもよう、今後の事態の推移次第じゃ、物流もどうなるかわからないってことで、どうしても買い溜めしたくなるのも仕方ないんじゃないのか?」




ちょい悪令嬢「それ、つい最近『コロナ禍』において同じことをやって、何の意味も無かったことが判明したでしょうが⁉ ──繰り返します、経済大国日本における物流は、あの東日本大震災の際においても、首都圏一帯において、十分なる供給を実現しております! 『自分さえ良ければいい!』などと言ったさもしい了見で、自ら物流に混乱をきたすのは、絶対におやめください!」




メリーさん太「……そんなこと言ってて、十年前の作者自身は、どうだったんだよ?」


ちょい悪令嬢「大型スーパーの長蛇の列に辟易して並ぶのをあきらめて、もしかしてと思って訪れた併設の100円ショップにおいては、十分にご飯やパンの代わりになり得る、ビスケットやクッキー等が普通に売られていたので買って帰ったし、夜には近くのスーパー内の小さな惣菜屋に普通に商品が売っていたので、買って帰りましたけど?」


メリーさん太「──まったく並ばずに、食料を十分に手に入れているじゃん⁉ それいつの話なの?」


ちょい悪令嬢「2011年の3月11日、当日ですけど?」


メリーさん太「う、嘘、当日は首都圏のどこに行っても、食料品店は大行列だったじゃん⁉」


ちょい悪令嬢「あの主に家族連れの『利己主義のクズ』どもは、最初から『買い占め』しようと思っているので、大規模スーパーしか相手にしておらず、小規模な100円ショップや惣菜屋は眼中に無かったのですよ」


メリーさん太「……うわあ、文字通りに視野狭窄の、『馬鹿丸出し』じゃん」




ちょい悪令嬢「──さあ、あなたは、人から後ろ指さされるだけの、『利己主義な馬鹿』になりたいですか? それとも少々不便しようが、『正しく賢い人間』になりたいですか? どうぞご自由にお選びください♫」




メリーさん太「い、いや、そんな『上から目線』で、言わなくても……」


ちょい悪令嬢「──もちろんこれは、『一般庶民』の皆様だけが悪いわけではありません! もっと悪いは言うまでも無く、『外国人ども』です!」


メリーさん太「お、おい! 震災絡みで外国人とか、滅多なことを言うなよ⁉ まさに現在『ヘイト発言』が飛び出してくるのを、今か今かと待ち構えている勢力がいるんだからな⁉」


ちょい悪令嬢「ええ、すでにこんな非常時だというのに、『オリンピック組織委員会問題』に引き続いて、『日本人の印象悪化』に結びつけようとしている、『人道主義者』を騙るの『非人道主義者』どもが、と最近仲良しなドイツあたりに湧いて出ているようですが、全力で無視いたしましょう。相手にするだけ損ですしね。──それに何度も申しておりますように、わたくしが問題としているのはあくまでも、『日常生活』における、外国人による各種工作活動ですから」


メリーさん太「……日常生活における、工作活動、って」




ちょい悪令嬢「『転売』、ですよ」




メリーさん太「ああ、そうか! まさに今回のような災害時こそ、『あいつら』にとっては『稼ぎ時』だし、善良な日本人を苦しめて、日本の物流システムを阻害するには、打ってつけだよな⁉」




ちょい悪令嬢「よって、司法当局を始め各関係機関においては、これまで以上に『転売』の取り締まりを、よろしくお願いいたします! ──そもそも『転売』を可能としているサイトなぞ、サーバごと根絶していただいても構いませんので!」




メリーさん太「──ちょっ、いくら何でも、やり過ぎだろうが⁉」




ちょい悪令嬢「この非常時に、何をおっしゃるのです、メリーさん! 下手すると大勢の日本人の命が、危険にさらされるかも知れないのですよ? このような時に、不当な金儲けに走ったり、非人道的な犯罪行為をしでかそうとする、外国人勢力や、その配下の工作員どもは、万死に値し、情け容赦なく叩き潰していくべきでしょう!」




メリーさん太「……ま、まあ、人が困っている時に足元を見るなんて、人間の風上にも置けないわな」




ちょい悪令嬢「──おっと、そうこうしているうちに夜が明けて、被害状況が明らかになりましたね。重軽傷を負われた皆様はお気の毒様でしたが、それ程甚大なる被害は無かったようですし、停電等に関してもほぼ復旧したみたいですしで、まずは一安心ですわね」




メリーさん太「とはいえ、これから先、余震はもちろん二次災害等も、十分考えられますので、どうぞご注意のほどを!」




ちょい悪令嬢「何度も申しますが、日常品購入に関しては、利己主義に走らずに、必要な分だけにとどめるように、重ねてお願いいたしますわ♡」

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