第606話、わたくし、シモ半島人の次の標的は、米国だと思いますの⁉

ちょい悪令嬢「──はい、今回は、ついに明らかになった驚愕の事実、『日本国は国際法上においては、自ら宣戦布告が可能なのである!』について、補足説明をいたします♫」


メリーさん太「……いや、前回のはあくまでも、コンテスト用の新作案の解説がメインなのであって、『政治的側面』はインパクト重視の『隠し味』みたいなものに過ぎないんだから、もうこれ以上追求する必要は無いだろうが?」


ちょい悪令嬢「でも、きっと皆さん、『疑問』に思われているのではありませんの?」


メリーさん太「……疑問、て?」




ちょい悪令嬢「確かに『日本国憲法』は、あくまでも『国内法』に過ぎず、対外的拘束力は無く、ちゃんと『国際法』に則って『事前の宣戦布告』等の正当な手続きを踏めば、外国に対して『先制攻撃』を加えようが、国際的に非難されるいわれはありませんが、『国内』においては、どうでしょうね? 重大なる『憲法違反』として、事後に責任を追及されるのはもちろん、そもそも軍事力を行使する以前に、国会の承認等が必要になるのでは無いのでしょうか?」




メリーさん太「あ」




ちょい悪令嬢「それから何と言っても、日本国内同様にシモ半島国内にも、『米軍』が駐留しているのだから、『北』がうかつに手を出せないのはもちろん、そもそも日本国自体も、武力行使なんて実行不可能だったりして」




メリーさん太「──そうだ、そういえば、その通りじゃん⁉ そのたった一言で、『前提条件』が完全にひっくり返ってしまったじゃん! 確かに日本は、シモ半島国に対して武力行使なんか、できっこ無いじゃん⁉」




ちょい悪令嬢「ね、補足説明が、必要でしょう?」


メリーさん太「……いや、国内についても、米軍関係についても、完全に『詰んで』いるんだから、説明も何も無いだろう?」


ちょい悪令嬢「それがそうでも、無いのですよ」


メリーさん太「はあ?」


ちょい悪令嬢「まず国内に関して言えば、確かに自衛隊を『防衛出動』させる場合においては、国会の承認等が必要となって、文民の最高指揮官である内閣総理大臣の独断だけでは強行できません」


メリーさん太「ほうら、見ろ。絶対国会が紛糾して、奇襲同然の先制攻撃なんて、絶対に不可能になるぞ?」


ちょい悪令嬢「いえいえ、これはあくまでも『防衛出動』──つまりは、他国から攻められた場合の話であり、他国に攻め込む場合は、まったく話が別なのです」


メリーさん太「話が別って、何が違うんだよ?」




ちょい悪令嬢「そもそも日本が自ら武力行使することは、完全に想定されておりませんので、対応する法律自体が存在せず、内閣総理大臣が自衛隊を出動させるのを、止めることは不可能なのですよ」




メリーさん太「はああああああああああ⁉ ──そ、そりゃあ、『宣戦布告』のやり方について取り決めた法律なんか、存在していないだろうが、法律うんぬん以前に、憲法9条に完全に違反しているじゃないか⁉」


ちょい悪令嬢「……あのですねえ、日本は法治国家であるからして、たとえ憲法にどのような記述があろうと、それに関する具体的な法令が存在していない場合は、なんぴとであろうと罰することはできないのですよ?」


メリーさん太「……え、じゃあ、憲法9条って、一体何なのよ?」


ちょい悪令嬢「日本国内外に対する、『お気持ち表明』、のようのなものかしら?」


メリーさん太「──何だそりゃあ⁉ ……い、いや、たとえ法律的に裁かれ無かったとしても、国会等において責任問題になるだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「責任問題って、どうしてです?」


メリーさん太「もちろん、国内法の最高峰である憲法に背いたんだから、下手したら政治生命を失っても、おかしくは無いんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「あら、確かに9条には背いていますが、日本国憲法そのものに、背いているわけではありませんよ?」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「憲法は何よりも、日本国の『主権』を担っている、国民一人一人の権利と自由こそに、重きを置いています。もしもそれが特定の外国勢力によって、著しく損なわれた場合、たとえ他の憲法の条項と反することになろうとも、実力で排除することは、それこそ憲法の趣旨的にも、大いに認められるところでしょう」




メリーさん太「日本国民の自由と権利が、著しく損なわれるって…………つまり、その『外国勢力』ってのが、シモ半島国というわけか?」




ちょい悪令嬢「日本は『貿易立国』なのであり、国際社会における『信頼関係』こそが命綱なのです。──しかるに、シモ半島国のやっていることは、何ですか⁉ いつまで経っても昔のことを蒸し返して、事実無根の『不気味なゴミ銅像』を諸外国に建造して、日本の信頼を失墜しようとしてばかり。結局あいつらは日本人に対して、『敵意と悪意』しかいだいていないのであり、国同士どころか人と人としても、わかり合えることなんて、絶対にあり得ないのです! しかもあいつらは日本人に対しては、『何をやってもいい』と決めつけていて、不法滞在者どもに至っては、『オレオレ詐欺』等の卑劣なやり口によって、何の罪も無いお年寄りからわずかな老後の蓄えさえも奪い取るなどと言った、血も涙も無い所業の数々を行っているのです! もはや国の内外を問わず、シモ半島人を撲滅しなければ、日本国の未来はありません! 何度も何度も申すように、いっそのこと『戦争行為』に及ぼうとも、たとえ憲法等の国内法で規制されていようと、国際的取り決めを遵守すれば、何の問題も無いのです! ──そう、今こそ日本人の生命や財産や自由を守るために、自他共に認める『日本の敵性民族』を、この世から根絶いたしましょう!」




メリーさん太「……うん、『オレオレ詐欺』なんて言う、非道極まりない所業なんて、同じ日本人同士だったら、できるはずは無いよな。国の内外を問わない『特ア』の連中の犯行と言われれば、頷かざるを得ないぜ────じゃなくて! だから、いくら相手が無法者だと言っても、いきなり武力行使は駄目だろうが⁉ そもそもシモ半島駐留中の米軍が、けして許しはしないよ!」




ちょい悪令嬢「──ここで、すべてのアメリカ人の皆様に、ご忠告いたしまーす! いいですか、今の日本人の姿は、数十年後のあなたたちの姿なのですよ? シモ半島人どもの『自分勝手さ&恩知らずさ&卑劣さ』を、けして甘く見てはなりません!」




メリーさん太「え? つまりアメリカ人が、数十年後に、現在日本が置かれているのと、同じような立場になるってか? どうしてよ?」




ちょい悪令嬢「もしもシモ半島から米軍が撤退したら、絶対『あいつら』は言いますよ、『本当は我々には、米軍なんて必要では無かった』と、『あれは不当な支配だった』と、『朝鮮戦争時において、シモ半島女性は、アメリカ兵に性奴隷にされた』と、『男たちは強制的に、兵役に就かされたり奴隷労働をさせられた』と、『俺たち、私たちは、永遠の被害者なのだ』と、『アメリカ人は、永遠の加害者なのだ』と、『世界中に悪名を広めてやる』と、『そうされたくなかったら、謝罪しろ! 永遠に賠償金を払い続けろ!』と」




メリーさん太「なっ⁉ ──いやいや、アメリカ軍がシモ半島に駐留することになったのは、朝鮮戦争において『北』からの侵攻から守るためだろうが⁉ その後も米国政府主導で、シモ半島の自由主義及び民主主義を守っていたんだし、戦争時に『公営売春婦』を米軍に献上したのも、今度こそ間違いなくシモ半島人自身の意志だし、そもそもシモ半島人がシモ半島のために、兵役や労働に就くのは当然のことだし、被害者とか加害者とかの関係にはなり得ず、賠償なんて発生するはず無いじゃないか⁉」







ちょい悪令嬢「……どうしてそんなことを、断言できるのですか? 『あいつら』はこれと同じことを、日本国に対して、今もなおやり続けているではありませんか? それなのに、米国に対しては絶対にやるはずが無いと、どうして保証できるのです?」







メリーさん太「──‼」







ちょい悪令嬢「特に現在のシモ半島国の大統領──おっと、『大統領』は中国発祥では無く、日本発祥の言語ですので、『親日言葉狩り』を絶賛遂行中のシモ半島人に使っては、失礼でしたねw よってここでは『小酋長』と呼ばせていただきます。とにかく現シモ半島国小酋長は、『北』との吸収合併を目論んでいますので、晴れて『共産主義国家』──すなわち、資本主義国家のリーダーたるアメリカ合衆国にとっての、明確なる『敵国』となった暁には、現在の反日主義に勝るとも劣らぬ『反米ムーブメント』を、国家を挙げて総力で展開することでしょう」




メリーさん太「……確かに、ここまで理路整然と説明されたんじゃ、いくら何でも否定できねえ」




ちょい悪令嬢「よって、シモ半島駐留の米軍の皆様におかれましても、『将来の禍根を断つ』という意味では、むしろ日本国の武力行使に同調すべきなんですよ」


メリーさん太「なるほど、米軍自らがシモ半島を蹂躙すれば、『北』の付け入る隙も無くなるわけか」




ちょい悪令嬢「つまり、すべてはシモ半島人一人一人が、己の所業を心から反省することができるか否かに、かかっているのです。今回の国際的取り決めを完全に無視して、日本国の主権を著しく損なった、某『裁判ゴッコ』は、もはや致命的とも言え、これを擁護することなぞ、どのような国家にも赦されず、たとえ日本が武力行使しようが、口出し不可能でしょう。──何せ、下手にシモ半島に同情して助け船を出したりすれば、恩知らずの『あいつら』のことだから、数十年後において『あの時は余計なまねをしてくれたな!』と火病ふぁびょって、難癖つけられるだけですからね。──まさしく、現在の日本や、将来の米国みたいね」




メリーさん太「……うん、イランやニュージーランドやベトナム等々の諸外国から、自分たちが一体どういった目で見られているのか、シモ半島人どもは、一度真剣に考えてみたほうがいいよな」

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