第598話、わたくし、『文学少女系悪役令嬢』ですの♡【無限ほむほむ編】①

ちょい悪令嬢「──はい、今回はお約束通り、前々回の突発短編の、詳しい解説を行いたいかと思います!」




メリーさん太「……何で、前回ちゃんとやらないんだよ? ただでさえわかりにくい内容だったと言うのに、一回分空けてしまったんじゃ、ついてこられる読者様は、ほとんどおられないんじゃないのか?」




ちょい悪令嬢「実はあれは、本作の作者の別作品である、『夢魔の告白レペンテンス』の焼き直しみたいなものだから、わかりにくいところがお有りでしたら、そちらのほうをご覧になると、ご理解が早いかと思いますよ?」


メリーさん太「──おいっ、別の作品に丸投げするような、雑な解説で終わらせるつもりじゃないだろうな⁉」


ちょい悪令嬢「いえいえ、第595話にてご紹介した『ひぐ○しのなく頃に業』の第14話と、この『夢魔の告白レペンテンス』とを、併せて参照することによって、まさしく『原点回帰』そのままに、斬新なる『ループ作品』を思いついたのですよ!」


メリーさん太「へ? 原点復帰なのに、斬新でもあるって……」


ちょい悪令嬢「ほら、現在の『死に戻り系ループ』作品て、自分自身や仲間たちを、どうにかして『生かそう』とするものばかりなので、いっそのこと『特定のターゲットを何とかして殺そう』とする、いわゆる『死ね戻り』型ループも面白いんじゃないかって、以前申したでしょう?」


メリーさん太「……うん、『面白い』かどうかはともかく、そういった話をしていたよな」


ちょい悪令嬢「それでその変形版として、別に憎んでいたり殺すこと自体が目的だったりするわけでは無いけれど、あえて何度も相手を死なせるループを続けるという作品案を、思いついた次第なのです」


メリーさん太「へ? 相手を憎んでいるわけでも無いのに、無限に殺し続けるループを行うだって?」




ちょい悪令嬢「──なぜなら、むしろ相手のことを、『愛している』からですよ!」




メリーさん太「なっ⁉ 愛しているからこそ、無限に殺し続けるって、何だよそれ⁉」




ちょい悪令嬢「例えば『ま○マギ』において、ほ○らちゃんが努力の末に、テレビ版の最終回とは違って、『ワルプルギスの夜』の退治に成功するとともに、ま○かちゃんを死なせないこと自体も成し遂げた場合、一体どうなるでしょうね?」




メリーさん太「どうなるって、そりゃあ、ほ○らちゃん自身が魔法少女になってまで叶えようとした、最大の目的が達成されたのだから、文字通りの『ハッピーエンド』じゃないの?」


ちょい悪令嬢「じゃあ、その後は?」


メリーさん太「……その後、って?」


ちょい悪令嬢「『ハッピーエンドのその後』は、どうなるかって、聞いているのですよ」


メリーさん太「え」




ちょい悪令嬢「確かにほ○らちゃんのお陰で、ま○かちゃんは助かったけど、果たして彼女は、そのことに気づくのかしら? だって、ほ○らちゃんにとっては確かに、無限のループの繰り返しだったとしても、ま○かちゃんにとってはあくまでも、『たった一度きりの出来事』に過ぎず、超強敵の『ワルプルギスの夜』を倒したことさえも、『単なるラッキー☆』としか、認識できないのではないかしら?」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「それにそもそも、ほ○らちゃん自身にとって、本当にハッピーだったのでしょうか?」


メリーさん太「はい?」




ちょい悪令嬢「生き残ったま○かちゃんは、別にほ○らちゃんに恩義を感じることは無いんだから、勝手にどこかに行ってしまうかも知れないし、ほ○らちゃん以外の人と仲良くなってしまうかも知れないし、わけもわからず自分につきまとってくるほ○らちゃんに対して、嫌悪感すら感じるかも知れないでしょう?」




メリーさん太「──うぐっ⁉」


ちょい悪令嬢「本作においても、何度も何度も申しているように、未来には無限の可能性があるのです。ほ○らちゃんの望み通りに、ま○かちゃんが生き残ったとしても、それからの未来は誰にも予測できないのだから、ほ○らちゃんにとってはハッピーどころか、『絶望』そのものの結果になってしまうかも知れないのですよ」


メリーさん太「そ、そんな! そんなのってないよ! あんまりだよ! ほ○らちゃんが可哀想過ぎるよ! ねえ、キュ○べえ、何とかしてよお!」




ちょい悪令嬢「(誰がキュ○べえじゃい)そこでほ○らちゃんは、思いついたのです。何が何でもま○かちゃんを助けようとするのでは無く、むしろあえて死なせ続けたほうが、彼女を永遠に自分だけのものにできるのではないかって」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「くふふふふ、実はこれまでのループにおいても、本当ならま○かちゃんは生き残れたのに、ここで彼女のことを自由にしたら、二度と独占できないことに気づいて、あえて彼女のことを殺していたりしてね♫」




メリーさん太「──いやいや、いくらほ○らちゃんでも、そこまでのことは………………ああっ⁉ 確かに『叛○の物語』の、ヤンデレガチレズ系の『悪魔ほ○ら』ちゃんなら、十分あり得たりして⁉」


ちょい悪令嬢「うん、ヤンデレ系の、ガチレズ魔法少女やブラコン妹作品モノなんかに、使えそうなネタですよね☆」


メリーさん太「……うわあ、大体の内容が、手に取るようにして思い浮かぶよ」


ちょい悪令嬢「やっぱパターンとしては、いかにも愛しい相手のことを何とか助けようとして、ループしているように見せかけておいて、『実は!』と言った展開が、望ましいかな?」


メリーさん太「……こんな鬼畜なネタなのに、ウッキウキだよな、あんたってば」


ちょい悪令嬢「一応わたくし自身も、ヤンデレガチ百合のメイドさんから、狙われているという設定ですので」


メリーさん太「うえっ、ひょっとしてこの作品案自体も、本作の重大なる『ネタバレ』だったりするんじゃないだろうな⁉」


ちょい悪令嬢「ああ、それは、今から解説するほうだったりします」


メリーさん太「解説するって、他に何かあったっけ?」


ちょい悪令嬢「前々回の最大のトピックスである、『小説に書くことによって、世界そのものを本当に生み出したり改変したりできる、作者としてのチートスキル』についての『からくり』ですよ」




メリーさん太「え、でも、それは本作においても、すでに散々語ってきたんじゃないの? 確か量子論に則れば、世界と言うものは可能性の上では、あらゆるタイプのものが最初からすべて揃って存在しているので、小説の中で書いた世界も、ちゃんと対応する現実の世界が存在する可能性があり、それは一部を加筆修正した場合も同様で、最初から加筆修正された状態の本物の世界が存在しているので、あたかも小説を書いたり書き換えたりすることで、世界を生み出したり改変したりしているようにも見えるわけだけど、実はこれこそが『作者としてのチートスキル』の正体なんでしょう?」




ちょい悪令嬢「そうです、あくまでも『そう見える』だけで、原則的に、ただ小説を書くだけで、世界を生み出したり改変したりはできません」


メリーさん太「……だったら、『作者としてのチートスキル』って、単なるインチキでしか無いわけか?」


ちょい悪令嬢「いえいえ、言ったでしょう? 『原則的に』って。これにはちゃんと、『裏技』があるんですよ」


メリーさん太「裏技だって?」


ちょい悪令嬢「そしてこれこそが、本作における重大なる、『ネタバレ』だったりします☆」


メリーさん太「……おいおい、そんなものをここで明かして、本当に大丈夫なのか?」


ちょい悪令嬢「まあ、作品のテーマそのもののネタバレでは無く、あくまでも超常現象の種明かしに過ぎないので、問題はありませんわ」


メリーさん太「小説で書くことで、本当に世界を生み出したり改変したりできる、『作者としてのチートスキル』の仕組みか…………確かに、知りたくないと言ったら、嘘になるな」


ちょい悪令嬢「簡単なことですよ、むしろ『とんち問題』みたいなものだし」


メリーさん太「と、とんち、だって?」




ちょい悪令嬢「つまりですねえ、前々回の突発短編のように、『別の世界の自分が、作者としてのチートスキルを持っていて、こっちの世界を小説の中で描いて生み出している』という小説を、作成すればいいのですよ」




メリーさん太「………………………………なんて?」




ちょい悪令嬢「あなたさっきご自身で、量子論に則れば無限の可能性的には、世界と言うものはありとあらゆるパターンのものが存在し得るのだから、誰かが小説を書けば、それとまったくそっくりそのままな世界が、(その小説を作成する以前から)存在することになるとおっしゃいましたよね?」


メリーさん太「ああ、うん」




ちょい悪令嬢「だったら、わたくしが自作の小説の中で、『わたくしには作者としてのチートスキルが有って、小説を書くだけで、本当に世界を生み出したり改変したりできる』ようにすれば、実際にわたくしが作者としてのチートスキルを有している世界が、存在することになるのですよ」




メリーさん太「──ええっ、何それ⁉ ほんと、『とんち』か『禅問答』そのものじゃんか⁉」







(※『その②』に続きます)

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