第550話、わたくし、『ギャルゲ』こそは『ループ作品』の神髄だと思いますの⁉

ちょい悪令嬢「──最初にお詫び申し上げます、前々回、現在絶賛放映&配信されている『ひぐ○しのなく頃に業』について、『実は公式によるギャグヴァージョンではないのか?』と言う見解を述べましたが、どうも違っていたようです」




メリーさん太「ま、そりゃそうでしょう! 『ひぐ○し』と言えばやはり、ミステリィと言うか、ファンタジーと言うか──」




ちょい悪令嬢「実は何と、『伝奇ロマンホラー』だったのです!」




メリーさん太「………………………………は?」




ちょい悪令嬢「いやあ、まさかあんなところに、この世の災いの具現たる、『鬼を屠る聖なるつるぎ』が隠されていたとはねえ。これから先の、血湧き肉躍る熱き展開が、非常に楽しみですなあ♫」




メリーさん太「いやいやいや、ちょっと待って! 何だよ、『鬼を屠る聖剣』って? そんないかにもありふれた『ヤッスい設定』が、現在の最先端のアニメ業界において、本当に通用すると思っているのか⁉」


ちょい悪令嬢「……メリーさん、そのご意見って、むしろあなたこそが、現在のアニメ界──否、世相そのものに対して、ガチでケンカを売っているようなものでは?」


メリーさん太「え? 何で」


ちょい悪令嬢「あ、いえ、ほら、例の『クラスター発生源予備軍の劇場アニメ』って、『鬼』が何とか、『刃』が何とかって、タイトルじゃなかったですか?」


メリーさん太「……知りませんよ、そんなの。今は『ひぐ○し』の話をしているんでしょうが? ──何であの『ひぐ○し』が、すでにシリーズ半ばにもなって、そのような急激な路線変更をしたのよ? 一体何があったわけ?」




ちょい悪令嬢「例の古○神社の祭具殿の中に安置されていた、オヤシ○さまの御神体の中に、『鬼狩○桜』とか言う宝刀が隠されていて、旧作同様にK1たちが祭具殿に忍び込んだ時にはすでに、御神体の頭部が壊されていて、本来『鬼狩○桜』が収められていた部分が、空になっていたんですよ」




メリーさん太「え、旧アニメ版では、そんな展開なんて、あったっけ?」


ちょい悪令嬢「アニメ版には無かったようですが、原作ゲームにおいては、御神体の裏設定として、ちゃんと言及されていたみたいですよ?」


メリーさん太「……いやでも、『はにゅカス』がいなくなった今となっては、『鬼の血筋』として、最有力候補と言ったら──」




ちょい悪令嬢「──おっと、それ以上は『ネタバレ』になりかねませんので、慎んでください。それに今回のテーマは『ひぐ○し』では無く、あくまでも別の作品ですので」




メリーさん太「……別の作品て、また何か新作を見つけたわけ?」


ちょい悪令嬢「ええ、まさにこれぞ理想的な『ループ系アニメ』作品を、発見したのです!」


メリーさん太「ループ系? しかも、『これぞ理想形』って。『ひぐ○し』や『ま○マギ』や『シ○タゲ』や『リゼ○』以外に、そんなにすごいやつがあったっけ? ……もしかして、『エンドレスなエイト』とか?」




ちょい悪令嬢「──『ヨ○ガ』ですよ、『ヨ○ガノソラ』! 何と毎度お馴染み『ア○マTV』様において、現在第1話から第6話までが、絶賛無料配信中なのです!」




メリーさん太「へ?………………………ちょっ、よりによって、それかよ⁉」


ちょい悪令嬢「ねえ、びっくりしましたよねえ。あの超問題作の『ヨ○ガノソラ』が、あえてこの時期に無料配信されるとは」


メリーさん太「確かに初放映当時は、いろいろな意味で『問題』を振りまいていたよな⁉ ──ていうか、あれは『エロ……もとい、『ギャルゲアニメ』であって、けして『ループアニメ』じゃ無いだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「本作の作者もそう思って視聴していたところ、第5話からいきなり、時間がいわゆる『分岐点』である『プール掃除の日』に巻き戻ったかと思ったら、それまでとは別のヒロインの『シナリオルート』が始まったのですよ!」


メリーさん太「──むしろそれこそが、『ギャルゲ』ならではの展開だろうが⁉ そもそも自分自身で、『シナリオルート』とか言っているし!」




ちょい悪令嬢「あら、シリーズの途中でいきなり時間が巻き戻って、『別のシナリオ』が始まるのって、『ひぐ○し』そのものではないですか? 誰もが認める『ループアニメ』の代表作である、『ひぐ○し』とまったく同じ展開を見せていて、どうして『ヨ○ガ』のほうは『ループ』では無いと言えるのです?」




メリーさん太「──うっ」




ちょい悪令嬢「そもそもですねえ、本作の作者の見解では、『ギャルゲこそは、現実世界における、ループの具現化』なのであって、『ギャルゲ』そのものの展開を見せた『ヨ○ガ』は、れっきとした『ループアニメ』と申せましょう」




メリーさん太「……ギャルゲが、ループの具現化、ですって?」


ちょい悪令嬢「これについては、先日ご紹介したばかりの、作者の初期の時間SFの代表作である、『僕の可愛い娘たち』において、詳細に言及していたかと思いますけど?」


メリーさん太「──ああ、あれか⁉ 確かにプロローグからして、『未来と言うものはけして、一つに確定しているわけでは無い。それはあたかもギャルゲにおける選択肢でもあるかのように、我々ゲーマー次第では無限の可能性を秘めているのだ』、とか何とか言っていたっけ⁉」


ちょい悪令嬢「いやあ、『おまえがパパになるんだよ⁉』と改題して、内容も大幅に変更してから、『カクヨム』様のコンテストにエントリーしようと思っていたのですが、まさにグッドタイミングに、非常に参考になる作品を無料配信してくださって、これは『究極のループ作品』ができそうですなあ♫」


メリーさん太「……『究極のループ作品』って、一体どういった内容にするつもりなんだよ?」


ちょい悪令嬢「オリジナルの『僕の可愛い娘たち』では、わんさかヒロインを出しておいて、結局シナリオ展開はメインルートの一本だけだったので、今回はヒロインごとに別ルートを展開する、『オムニバス形式』にしようかと思っておりますけど」


メリーさん太「──ギャルゲ、そのままんじゃねえか⁉」


ちょい悪令嬢「ええ、お陰で『ヨ○ガ』の無料配信が、非常に刺激になっております!」


メリーさん太「確かに『ヨ○ガ』は衝撃作だけど、それは別に『ループ』とかは関係無く、『世間に向かってガチでケンカを売った』という意味で、衝撃的なんだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「そこら辺のところも、本作と親和性が高いですわよね♡」


メリーさん太「──やかましい!」


ちょい悪令嬢「あはは、もちろん、オリジナル性も、ちゃんとありますよ!」


メリーさん太「……ほんと、だろうな?」




ちょい悪令嬢「はい! 各ルートにおける各ヒロインは、最初のうちはむちゃくちゃプリティで、ただひたすらラブラブシナリオをこなしているんですけど、突然『ギャルゲ症候群』なる不治の病を発症して、自分以外のヒロイン候補を、皆殺しにしようとし始めるのです!」




メリーさん太「──まんま、『ひぐ○し』じゃねえか⁉ 結局パ○リかよ!」




ちょい悪令嬢「……むっ、パ○リとは、失礼な。今回はちゃんと反省して、すぐに毎度お馴染みの『蘊蓄コーナー』を設けたりせずに、どうして『ギャルゲ症候群』が発症して、惨劇が起こってしまうのかを謎のままにして、なるべく読者の皆様の考察に委ねつつ、『正答率2%』の超難解性をウリにするつもりですからね! 『にぱー(せんと)』☆」




メリーさん太「何から何まで、『ひぐ○し』じゃねえか⁉ ………確かに、本作の作者の作品展開としては、『蘊蓄解説』を後回しにするのは、非常に珍しいけど。──ていうか、ギャルゲ世界が、どうしていきなり惨劇の舞台になるんだよ? まさか『全員がヤンデレ☆』パターンか?」


ちょい悪令嬢「惨劇の起こるギャルゲってのも、無いことも無いのでは?」


メリーさん太「そんな特殊なゲームの話はしてねえよ! これは年に一度の『Web小説コンテスト』の、正式なエントリー作品案なんだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「──それでは、言い直しましょう、『ギャルゲだからこそ、惨劇は起こり得る』のだと」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「ギャルゲにおけるシナリオの重大なる分岐点において、選ばれなかったシナリオルートのヒロインたちは、そのシナリオごと──すなわち、彼女たちににとっては『世界丸ごと』、殺されてしまうようなものなのですよ」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「もしもギャルゲの各ヒロインが、本当に命を有して生きているとしたら、どうでしょう? ──当然のごとく、何とか生き延びようとして、他のヒロインたちを蹴落としてでも………場合によっては、命を奪ってでも、『主人公プレイヤー』を自分だけのものにしようとするのではないでしょうか?」




メリーさん太「……それが、『ギャルゲ症候群』、と言うわけか」


ちょい悪令嬢「そりゃあ、自分の命がかかっているのですから、『雛○沢症候群』そのままに、鬼にも邪神にも、なるでしょうよ」


メリーさん太「でもそれって、『僕の可愛い娘たち』において、すでにやったじゃん?」


ちょい悪令嬢「だから今回は、各ヒロインごとに、シチュエーションなんかを変えて、じっくりと描写していって、ミステリィ度だけでは無くサイコホラー度についても、更に深めていこうと思っているのですよ」


メリーさん太「サイコホラー、って?」




ちょい悪令嬢「例えば、プロローグからいきなり、すべてのヒロインが屍体になって折り重なっていて、それを目の当たりにして愕然となった主人公に対して、後ろから謎の少女が腕を回して抱きついてきて、『……うふふふふ、これで「お父さん」は、私だけの物♡』などと、文字通りサイコなことをささやきかけるとか、考えておりますけど?」




メリーさん太「──うわっ、まさしく20年ほど前の、『鬱系エロゲ』のオープニング(あるいはエンディング)そのまんまのシーンだな⁉」


ちょい悪令嬢「ね、すでに『ヨ○ガ』のいい影響が、現れているでしょう?」


メリーさん太「……むしろ、『悪影響』じゃねえのか、それって?」




ちょい悪令嬢「──と言うわけで、いろいろな意味でセンセーショナルな『ヨ○ガノソラ』は、非常にお勧めの超傑作ギャルゲ系アニメですので、未視聴の方はこの無料配信の機会に、是非ともご覧になることをお勧めいたしますわ♡」




メリーさん太「各話のエンディング後に必ずついている、『おまけムービー』も必見ですので、お見逃しなく〜☆」

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