第543話、わたくし、ス○ル君がレ○嬢のことを覚えていたのは、リーデ○ングシュタイナーのお陰だと思いますの⁉

ちょい悪令嬢「──やっぱり、わたくしの思った通りでしたわ!」




メリーさん太「……な、何だよ、冒頭からいきなり? またいつもの発作か?」




ちょい悪令嬢「ほら、以前『ア○マTV』様で行われている、『ひぐ○しのなく頃に』旧アニメ版の無料全話一挙配信は、現在の完全新作である『業』が放映&配信されている間中ずっと、第一期が終わったら第二期へと、第二期が終わったら第一期へ──といったふうに、無限に繰り返していくに違いないと申したではないですか?」


メリーさん太「ああ、確かにそんなこと、言っていたっけ?」


ちょい悪令嬢「何とそれが、予想的中! 昨日第二期の配信が終了するとと同時に、引き続き第一期の配信が、また最初から始まったのですよ!」


メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「……ふふふ、読者の皆さん、この現実世界はすでに、『ひぐ○しのループ世界』の中に、閉じ込められてしまっているのかも知れませんよ? 果たしてあなたは、『雛○沢村の惨劇』から、逃れることができますかな?」




メリーさん太「ちょっ、なに大げさなことを言っているんだよ⁉ ただ単にアニメ作品が、繰り返し再配信されているだけだろうが!」


ちょい悪令嬢「でも、このループ配信が、雛○沢におけるループ状態を、擬似的に再現しているという説は、あながち間違いでは無いかと思われますが?」


メリーさん太「……ま、まあ、こうしてまた第一期の全話配信を、あえて無料で行ってくださっているところを見ると、動画サイト様──ひいては、アニメ制作陣の皆様の『意図するところ』としては、まったく的外れとは思えないよな」


ちょい悪令嬢「それにほら、大昔のホラー小説に、全世界で謎のウイルスが蔓延することによって、テレビから女の人が出て来たりしても、当たり前な世界になったじゃないですか? だとすると、パソコン内で世界がループすることによって、現実世界においても謎の病原菌が蔓延して、『雛○沢症候群』が大流行して、本当にループが起こっても、おかしくは無いではありませんか?」


メリーさん太「──おかしいよ! ……ていうか、その大昔のホラー小説て、そんな内容だったっけ?」


ちょい悪令嬢「……果たして梨○ちゃまは、ついに現実世界まで侵食し始めた、雛○沢村のループから抜け出すことができるのか⁉ いやあ、ますます現在進行中の『業』から、目が離せませんねえ? 特に今回初めて『ひぐ○し』に触れられる方は、第一期の『綿流○編』を同時にご覧になられると、より考察がはかどりますよ♡」




メリーさん太「──もう無料配信の告知はいいから、本題に入れ! いくら『利益』が絡んでいないからと言っても、いい加減にしないと、そのうちどこかから怒られるぞ⁉」




ちょい悪令嬢「はいはいw ──と言うわけで今回は、最近立て続けに各動画サイトにおいて、一挙に全話無料配信された、三大超傑作ループアニメについて、量子論や集合的無意識論に則って比較検討しつつ、本作を始めとする作者の作品づくりに役立てていくために、様々な角度から考証いたしたいかと思います!」




メリーさん太「……あのさあ」


ちょい悪令嬢「何ですの、メリーさん? せっかくリクエストにお応えして、早速本題に入ったと言うのに」




メリーさん太「いやね、『こうしてこの【座談会】において、他人様の作品を取り上げて考証しているのは、作者の作品作成に役立てるためなのだ』って、何度も何度も言っているけど、『具体的には』どのように活用しているわけ? いかにも抽象的な物言いだけじゃ、そこのところがはっきりしないから、ちゃんと説明して欲しいんですけど?」




ちょい悪令嬢「──ああ、それはそうですね、わかりましたわ!」


メリーさん太「わかりましたって、説明してくれるの?」




ちょい悪令嬢「簡単なことです、今年から来年にかけて、『小説家になろう』様や『カクヨム』様において開催される、毎年恒例の『Web小説コンクール』にエントリーする、新作作成のために活用する予定なんですよ!」




メリーさん太「ええっ! 今年も性懲りもなく、参加するつもりなのかよ⁉」


ちょい悪令嬢「当たり前です! ああいうのは、『参加することに意義がある』のですから!」


メリーさん太「……いや、ただ参加するだけでは、あまり意味が無いのでは? それだったら、レギュラーの連載作品に、より力を注いだほうが実りがあるだろうし」


ちょい悪令嬢「いえいえ、『逆』なのですよ!」


メリーさん太「逆、って?」




ちょい悪令嬢「毎年毎年、何かと手間のかかるコンテスト用の作品作成を後回しにして、レギュラー作品ばかりにかまけているうちに、コンテスト期間が終了間近になってしまい、慌てて『急ごしらえ』の作品ばかりを提出するといった、体たらくなのでございます」




メリーさん太「……ったく、ほんと計画性が無いよな、あの作者って」


ちょい悪令嬢「よって今回こそは、ちゃんと計画的に事を進めようと、こうして他人様の作品を詳細に考証しつつ、自身のこれまでの作品との比較検討をしようという趣旨なのです」


メリーさん太「『これまでの』って、本作の作者の『過去作』を検証するわけ? 新作作成に向けて、構想を練るんじゃ無くて?」


ちょい悪令嬢「何の足がかりも無く、新しいことにチャレンジするよりも、しっかりと過去を見つめ直して、その糧にすることこそ、成功の秘訣かと思われますが?」


メリーさん太「……まあ、そうだな。──それにしても、自分の過去作と、誰もが認める超傑作ループアニメ作品とを、比較検討しようだなんて、相変わらずの自信過剰っぷりだよな」


ちょい悪令嬢「それがですねえ、作者の過去作を軽く漁ってみると、結構共通点があることが判明したのですよ」


メリーさん太「はあ? 過去作にそんなに、ループものなんてあったっけ?」


ちょい悪令嬢「ループはもちろん、その他にも、結構共通した箇所がありましたよ?」


メリーさん太「その他、って」




ちょい悪令嬢「例えば『ひぐ○しがなく頃に』シリーズならではの、結構グロが強めの伝奇ホラーテイストですが、これなんかもろ、『人魚の声が聞こえない』が該当しますからね」




メリーさん太「……あー、『人魚の声』かあ。ストーリーやキャラ設定の方向性は大分異なるが、『和風伝奇ホラーでグロ大盛り』ってところは、確かに共通しているかあ」


ちょい悪令嬢「しかもある意味、『ループもの』でもありますしね」


メリーさん太「は? 何言っているの、『人魚の声』は、別にループはしていないだろうが?」




ちょい悪令嬢「ネタバレなので詳しくは述べませんが、主人公はある意味自分の『叔父さん』の人生をトレースする形で、ループしているようなものじゃないですか?」




メリーさん太「……ああ、そういう意味でか。確かにあれは、一種の『繰り返しループ』だよな」


ちょい悪令嬢「そこで重要になるのが、主人公が『記憶喪失』であることなのです!」


メリーさん太「記憶喪失が重要ポイントって………まあある意味、主人公が記憶喪失になったからこそ、擬似的なループが可能になったわけだけど、記憶喪失自体が、そんなに重要なポイントだったか?」




ちょい悪令嬢「なぜなら、『人魚の声』の主人公は、病気とか事故とかでは無く、『何者かの作為』によって、記憶喪失になっているのですから。──そう、例えば『シ○タゲ』第二期において、主人公以外のキャラは全員が全員、紅○栖嬢の存在を忘れ去ってしまったようにね」




メリーさん太「──‼」


ちょい悪令嬢「つまりここで、『人から人為的に記憶を奪うことは可能なのか?』という、検証すべき命題が登場するわけですよ」


メリーさん太「……そうか、過去作のそういった『重要ポイント』を、超傑作アニメと比較検討しつつ、作者独自の集合的無意識論と量子論とに則って再検証して、新作作成に役立てようってわけなんだな?」


ちょい悪令嬢「ザッツライト! 実は『人為的な記憶喪失』については、科学的に十分実現可能ですからね!」


メリーさん太「科学的に記憶喪失を実現するって、一体どうやって⁉」


ちょい悪令嬢「もちろん毎度お馴染みの、『集合的無意識とのアクセス権』ですよ」


メリーさん太「また、それかよ⁉」




ちょい悪令嬢「例えば同じくループ系アニメの傑作である『リゼ○』において、『暴食の大○司教』が人々のレ○ちゃんに関する『記憶を食う』ことによって、友人知人どころか実姉のラ○ちゃんまでもが、『レ○という存在』自体を認識できなくなりましたが、実はこれは『暴食』さんが『集合的無意識との上位のアクセス権』を有していて、他者に『レ○という存在自体の情報』に一切アクセスできないようにすることによって、実現しているわけなのです」




メリーさん太「……だったらどうして、ス○ル君だけは、レ○ちゃんのことを覚えていたんだよ?」


ちょい悪令嬢「──それはもちろん、ス○ル君が、『リーディングシ○タイナー』だからですわ!」


メリーさん太「なっ⁉」




ちょい悪令嬢「本作において何度も何度も申しているように、ス○ル君のように一種のループ現象である『死に戻り』等を体験している者は、本当に時間や世界を繰り返しているのでは無く、やはり『上位のアクセス権』を持つ『嫉○の魔女』のような超常的存在によって、集合的無意識と強制的にアクセスさせられて、無限に存在し得る『別の可能性の世界パラレルワールドの自分自身の記憶』を脳みそにインストールされることによって、まるで自分が『無限の死に戻りを繰り返したかのような記憶』を植え付けられているだけなのです。──よって、ス○ル君には当然、『レ○ちゃんのことをちゃんと覚えている世界の記憶』もあるので、『嫉○の魔女を崇め奉っている』大○司教が、嫉○の魔女自身の力(=集合的無意識とのアクセス権)を上回らなければ、ス○ル君がレ○ちゃんのことを忘れることはあり得ないのですよ」




メリーさん太「ああ、そうか、無限のパラレルワールドにおいては、『レ○ちゃんが暴食から食われていない世界』も、当然存在するわけか!」




ちょい悪令嬢「このように、一種のループ能力であり、タイムリープや異世界生活すらも実現することのできる、『リーディングシ○タイナー』ならば、何者かによる人為的な記憶喪失なんて、まったく通用しなくなるわけなのですよ」


メリーさん太「……となると、『シ○タゲゼロ』において、岡○氏だけが紅○栖嬢のことを、覚えていたのも」


ちょい悪令嬢「もちろん、リーディングシ○タイナーのお陰ですよ」


メリーさん太「何と、ループ能力とは、まるで『ハ○ヒ』における某宇宙人そのままに、無限の並行世界の自分との、『記憶の同期』のようなものだったとは⁉」




ちょい悪令嬢「あら、むしろ本作においては、最初からそう言っていたではありませんか? 何せ集合的無意識には、あらゆる世界のあらゆる時代のあらゆる存在の記憶が、すべて集まってくるのですから、当然すべての『並行世界パラレルワールドの自分』の記憶も存在しているのですよ。それにそもそも、『ループとは主人公以外の全登場人物が、記憶喪失になるようなもの』とも、言えるのでは無いでしょうか?」




メリーさん太「……へ? それって、主人公以外はループにおいて、記憶を喪失しているとでも、言いたいわけなの?」


ちょい悪令嬢「確かに『人魚の声』とは違って、『世界や時間そのものが巻き戻っている』という最大の違いがありますが、むしろ世界や時間が巻き戻ったとしたら、その中に内包されているすべてのキャラクターが、そのまま『過去の記憶』を持っていて、しかるべきだと思うんですけどね?」


メリーさん太「──ちょっとおまえ! これってもしかして、これまでのSF的概念をひっくり返しかねない、すごく重要なことを言っているんじゃないのか⁉」




ちょい悪令嬢「よく考えると、おかしいですよね? 確かにループは世界や時間をリセットしますが、人の記憶までリセットされるなんて、別に決まってはいないでしょう? その証拠に、なぜか主人公の記憶だけは、ちゃんとキープされているのですものね」




メリーさん太「た、確かに、そこのところの『整合性』はとれていないとは思うけど、誰一人ループの記憶を保持していなかったら、話が成立しないだろうが?」


ちょい悪令嬢「そうですかあ? 例えば『ま○マギ』のほ○らちゃんなんて、前の『失敗の記憶』が無かったほうが、結構うまく行ったんじゃないかと思うんですがねえ?」


メリーさん太「うっ、彼女の『病み具合』を鑑みるに、一概に否定できねえ⁉」




ちょい悪令嬢「──とまあ、こういうふうに、『ループ』とは、主人公等特定の人物に『記憶を与える』のでは無く、特定の人物以外のすべての人物から『記憶を奪っている』とも、見なすことができるのですよ」




メリーさん太「……なるほど、むしろそう考えたほうが、『ひぐ○し』や『シ○タゲ』において、主人公格の梨○ちゃまや岡○氏以外にも、別の世界線の記憶がほのかに残っていることについて、説明がつくわけか」


ちょい悪令嬢「アウアウローラみたいな、上位アクセス権保持者によって、人為的に『記憶を植えつけられる』場合ならともかく、奇跡的に記憶が甦る場合だったら、『本来ならループ現象が起こったら、誰もが記憶喪失になるのだが、リーディングシ○タイナー能力のように、集合的無意識とのアクセスが許された者だけは、他の世界線の記憶を保持できる』といった見方もできるのですわ」




メリーさん太「……うん、いつもとはむしろ逆の視点に立った考察だが、これはこれで考える価値があると思うわ」




ちょい悪令嬢「──こういった感じで、新作作成に役立てていくつもりですので、どなた様も『881374』の本年の各コンテストのエントリー作品には、どうぞご期待なさってくださいませ♡」




メリーさん太「……本当に今年こそ、満足のいく作品を発表できるんだろうな?」

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