第506話、わたくし、軍艦に翼が生えて空を飛んでも構わないと思いますの♡

メリーさん太「……ちょっと、これって一体、どういうことよ?」


ちょい悪令嬢「は? いきなり何のことです、メリーさん?」




メリーさん太「──すっとぼけるんじゃ無いわよ⁉ 本作を始め、同じ作者の別作品である『なろうの女神が支配する』に至るまで、いきなり軍艦擬人化少女が──すなわち、『海上兵器』の化身が、よりによって翼を生やして、『空戦』能力を発揮したことよ!」




ちょい悪令嬢「……あー、アレですかあ」


メリーさん太「あのアホ作者のやることだから、大概なことなら驚くに値しないけど、いくら何でも、やって善いことと悪いこととがあるでしょうが⁉」


ちょい悪令嬢「……今回の件は、『やっては悪いこと』だと、おっしゃるわけで?」


メリーさん太「そりゃそうでしょう! たとえ外見が幼い女の子だって、軍艦は軍艦なんだから、空を飛ばせては駄目じゃないの⁉」


ちょい悪令嬢「そうですよ、『外見が幼い女の子』なんですよ? なのに、何を『今更』のことを、おっしゃっているのですか?」


メリーさん太「え? 今更、って……」




ちょい悪令嬢「本来『海戦』専門の『海の覇者』であるはずの軍艦が、少女の肉体を得て、陸上で活動できるようになっただけでは無く、元々最大級の重戦車をも遙かに凌駕する攻撃力と防御力を有している上に、『幼い女の子』という最も『警戒の対象』や『攻撃の的』にされにくい存在であるが故に、陸上及び海上の兵器にとっての最大の天敵である、航空兵力の攻撃を無効化できるだけでは無く、こちらのほうからは攻撃し放題という、敵地を舞台にした『ゲリラ戦法』を採る限りにおいては、『無敵』とも呼び得るのです。このように軍艦の化身でありながら『陸戦』まで制している彼女たちが、その上更に『翼』を得ることによって、『空戦』能力をも手に入れたところで、何の不都合があると言うのです?」




メリーさん太「──ああっ、そうか! 既存の各艦隊ゲームにおいては、どいつもこいつも軍艦擬人化少女に『海戦』のみをやらせるという、『宝の持ち腐れ』的『馬鹿の一つ覚え』ばかりだけど、自他共に認める『鬼才』である本作の作者だけは、彼女たちの本質を的確に捉えて、『海上における集団戦』よりも、『陸上における単独ゲリラ戦』においてこそ、その『軍艦のパワーを小さな少女の身体の中に詰め込んでいることの真の価値』を発揮できることを、これまで散々喧伝アピールしてきたんだったっけ⁉」




ちょい悪令嬢「しかも彼女たちが、外見は『少女』でありながら、軍艦並の『頑丈さ』を誇っているのを始め、特に周囲の空気等を軍艦の兵装に変化メタモルフォーゼさせるといった、離れ業を可能にさせているのは、作者お得意の独自設定として、かの高名なる『不定形暗黒生物ショゴス』を基本ベースとしているからであり、この設定に則れば、背中に翼を生やすくらい、別に驚くに値しないと思うのですが?」




メリーさん太「……い、言われてみればッ」




ちょい悪令嬢「──そして、身軽で小柄であるほど戦闘能力が高いはずの『空戦兵器』でありながら、史上最強の戦艦クラスの攻撃力を有する『大和』ちゃんを中心にして、まるで『前世(=沖縄特攻出撃時における、米軍航空兵力による袋だたき)』に対する恨みを晴らすようにして、空から戦艦や巡洋艦や駆逐艦の大口径主砲を、地上ににおいて為す術も無く縫い止められている、オーク型の『生きた移動要塞』に向かって、集中砲火をぶちかますものだから、標的にされたほうとしては、堪ったものじゃないでしょうよ」




メリーさん太「……何と、軍艦擬人化少女に、翼をつけるだけで、デフォルトの『海戦』はもちろん、十分反則技的な『陸戦』どころか、最も有利な立場に立てる『空戦』すらも制して、名実共に『無敵の存在』になった、だと?」




ちょい悪令嬢「うふふ、見かけだけだと、『翼を生やした幼い美少女が優雅に空を飛んでいる』って感じで、あたかも天使か妖精のようなんですけどね♫」




メリーさん太「それがむしろ、『鳥葬』における、猛禽類そのものの有り様で、敵を情け容赦なくなぶり殺しにするんだからな。──うん? 鳥葬って…………ああ、そうか! これってもしかして、『エヴ○ンゲリオン旧劇場版』の『エヴ○シリーズ』が、発想の大本じゃないのか⁉」


ちょい悪令嬢「ブブーッ、違いまーす(『マギ○スのお三方』の灯○ちゃん風に♡)」


メリーさん太「え、違うの? だったら、『美少女の姿をしたショゴス』が、大詰めに来てついに正体を現して、背中から『翼を生やす』ことから、『沙○の唄』とか?」


ちょい悪令嬢「おお、そういえばそうですね! ……う〜ん、でも今回に限っては、『耽美エロホラー』テイストはまったく無いし、あまり影響は受けていないかな?」


メリーさん太「──だったら、一体何の影響を受けたのよ⁉ こんな『軍艦擬人化少女の存在意義』を根底からひっくり返すことなんて、いくらあの作者だって、まったくの『ノーヒント』から考えつくとは思えないんだけど⁉」




ちょい悪令嬢「実を申しますと、某『なろう系作家』さんが、すでに行っておられるプロ活動の延長として、『完全オリジナル新作アニメ』を発表されたのですが、その『プロモーションビデオ』の中で、かつての第一次世界大戦期のものと思われるレトロな軍用機が、空戦時においていきなり、あたかも大型の鳥類そのものの、翼を生やすシーンがあったのですよ」




メリーさん太「………………………………は? 飛行機が、翼を、生やした?」




ちょい悪令嬢「はい、そうです」


メリーさん太「──いやいやいや、何を言っているのか、まったくわからないんですけど⁉」


ちょい悪令嬢「え、そうでしょうか?」


メリーさん太「『空戦時』において、『鳥類のような翼』を生やした──と言うことは、地上において変形させたとかでは無く、元々飛行機用の『固定翼』が実装されているのに、それに加えて新たに鳥のような翼が生えたわけなんでしょう⁉」


ちょい悪令嬢「ええ、そうですが?」


メリーさん太「そうですが、じゃないよ⁉ それって、何の意味があるんだ⁉ ──いや、物理法則や飛行工学的には、『マイナス効果』しか考えられず、下手すると機体の飛行バランスを維持できず、操縦不能になって墜落することだって、十分あり得るんじゃないの⁉」


ちょい悪令嬢「はい、この作品を取り上げた各『まとめサイト』においても、非難囂々というよりもむしろ、『爆笑の嵐』となっておりました」


メリーさん太「当然だよな⁉ こんな『馬鹿げたアイディア』のどこに、見習う要素があると言うんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「むしろ『馬鹿げたアイディア』だからこそ、見習うべきなのですよ」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「そもそも、このアイディアを出した『なろう系作家』さんて、どなただと思われます?」


メリーさん太「へ? 誰って……」


ちょい悪令嬢「『リゼ○』の、作者さんですよ」


メリーさん太「なっ⁉ ある意味『なろう系』の方向性を大きく転換させた、『死に戻り』という斬新極まるアイディアの発案者の⁉」


ちょい悪令嬢「よって、たかだかPVをちょっぴり見ただけで、ジャッジを下すのは、早計かと思われるのですが?」


メリーさん太「……確かにな、あの『死に戻り』作家さんのことだ、あえて飛行機に鳥の翼を生やすことに、重大なる意義があるかもしれんな」


ちょい悪令嬢「それに何よりも、本作の作者におきましては、『他人様のアイディア』に対しては、どのように奇抜なものであろうとも、けして頭ごなしに拒絶したりディスったりせずに、何かしら『学び取る』ことこそを、モットーとしておりますので」


メリーさん太「……へ? 飛行機に鳥の翼を生やすことに、学び取るところなんて、有るとでも言うわけ?」


ちょい悪令嬢「正直に申せば、さすがにあの作者においても、第一ファースト印象インプレッションとしては、『よりによって飛行機に、鳥の翼は無いだろう?』でしたけどね」


メリーさん太「うん、妥当なところだな。それを聞いて、むしろ安心したわ」


ちょい悪令嬢「──そこで、考えたのです!」


メリーさん太「うおっ⁉ か、考えたって、一体何を?」




ちょい悪令嬢「飛行機に翼をつけたら、おかしいと言うのなら、軍艦や戦車につければいいじゃない?──と」




メリーさん太「──いやいやいや、何言ってんの⁉ 何その『ミリオタ』な、マリー=アントワネットだか、ジャン=ジャック=ルソーだかは?」




ちょい悪令嬢「ご安心を、本作の作者自身もすぐに、『これは無駄な考えに過ぎない』と、考え直しましたから」


メリーさん太「うん、そうだよな!」




ちょい悪令嬢「だって、翼をつけた大型船なら、大戦間の超大型飛行艇である『ドルニエDoX』とかがありますし、翼をつけた戦車についても、実は大戦中の日本や旧ソ連において計画されたことがありますしね☆」




メリーさん太「……あれ? それほど『無駄な考え』では、無かったりして?」


ちょい悪令嬢「──しかし、そこであきらめないのが、本作の作者のしつこいところでしてねえ」


メリーさん太「いや、あきらめろよ⁉ 結局歴史的に、『失敗したアイディア』なんだから!」


ちょい悪令嬢「いえいえ、実はこれって、軍艦や戦車そのものでは無く、『軍艦擬人化少女』だったら、何も問題は無くなるのですよ!」


メリーさん太「え、軍艦擬人化少女、って……………………ああっ、そうか!」




ちょい悪令嬢「そうなのです、本物の軍艦に、羽根やプロペラをつけて空を飛ばそうなんて、頭のイカれた誇大妄想に過ぎませんが、これが軍艦擬人化少女であれば、先ほどすでに述べました諸々の理由により、十分実現可能性があるとともに、非常に効果的であるわけなんですよ!」




メリーさん太「──おお、話はここに繋がるわけか! うん、確かに、ただの軍艦に鳥類の翼をつけるよりも、ある意味『魔法少女』みたいなものである軍艦擬人化少女を対象にすれば、(視覚ヴィジュアル的にも)十分『アリ』だな!」


ちょい悪令嬢「まさしく、『リゼ○の作者さん』様々って、感じですよねえ♡」


メリーさん太「別に飛行機や軍艦そのものに翼を生やすわけじゃ無いから、例のPVに対する、単純な『模倣』とも言えないしね!」


ちょい悪令嬢「まあ、あえて申せば、『連想ゲーム』のようなもので、まさにこれぞ『発想の勝利』と言うものでしょう」


メリーさん太「元々『軍艦擬人化少女』そのものが、ある意味『二次創作』か、最大限に好意的に言えば『シェアワールド』みたいなものだしな」


ちょい悪令嬢「確かに『他人様のアイディア』を土台にしているものの、そのまま拝借したりせずに、ひとひねりもふたひねりもすることによって、完全に『自分のもの』としているわけですわ」


メリーさん太「……うん、何も説明せずに、本作や『なろうの女神が支配する』を見た場合、『エヴ○シリーズ』や『沙○の唄』か、いいところ『ス○パン』あたりは思い浮かべられても、さすがに『翼の生えた飛行機』に関連付ける人はいないだろうよ」




ちょい悪令嬢「結局『模倣』であるかどうかは、元々の設定を発展させるに当たって、単なる『受け売り』なのか、ちゃんと『自分の頭で考えている』のかの、違いなんですよ」




メリーさん太「……他人様の設定を基にしていても、その過程で『自分の頭で考える』と、単なる模倣では無くなるって、そらまたどうしてよ?」




ちょい悪令嬢「もしも万が一、オリジナルの設定に『重大なるミス』があった場合、それをそのまま模倣していたとしたら、当然模倣作においても『重大なるミス』が生じてしまい、自分で考案なされた御本家さんのほうは何とか知恵を絞って設定を再構築することによって、どうにか修復できる可能性があり得るけど、単なる『パクリ野郎』であった場合は、独力での自己修復なんてどだい無理な話で、作品自体がぽっしゃってしまかねないのですよ」




メリーさん太「──ああっ! 以前その名もズバリ『パクリ』という作品の中で、語っていたやつか⁉」


ちょい悪令嬢「そうそう、例えばタイムマシンを発明して、『リゼ○』の発表前の時点において、赤の他人が『リゼ○』そのままなパクリ作品を作成して、ボロ儲けをしようとしても、無駄な話でしか無いのですよ。──なぜなら、『リゼ○』についての、ほんとにほんとの『重大なる根幹的設定』というものは、作者さんの頭の中にしか無く、他人が表面的になぞろうとしたところで、結局何かしらの『齟齬』が生じることになるだけなのです」


メリーさん太「そもそも一番肝心な、『死に戻り』のメカニズムについてすらも、いまだ完全に謎のままだしね」


ちょい悪令嬢「そう言った意味も含めまして、このことについては、次回以降において、更に詳しく述べたいかと存じます」


メリーさん太「え? どうしてわざわざ次回に続けるの? もう結論は出たようなものじゃないの?」




ちょい悪令嬢「実はたった今申したばかりの、『重大なるミス』についてなんですが、何と『リゼ○』以外の某作品において、実際に発見されたのです!」




メリーさん太「ほ、ほんとに⁉ 何よ、その某作品って!」




ちょい悪令嬢「ご存じ、超傑作魔法少女アニメである、『ま○か☆マギカ』でございます」




メリーさん太「よりによって、それかよ⁉ ──いや、ちょっと待って。そうすると、『ま○マギ』にむちゃくちゃ影響を受けている、本作って……」


ちょい悪令嬢「ええ、本来なら『親亀がこけたら子亀もこける』といった感じで、致命的な影響を被るところでしょう。──あくまでも、単なる『パクリ』であったならね☆」


メリーさん太「一体どうなるのよ、この連載は⁉」




ちょい悪令嬢「それについては、次回以降をお楽しみに──と言うことで、それでは皆様、さようならあ〜♫」




メリーさん太「──おいっ、こんなところで、次回に引くなよ⁉」

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