第329話、【ユニークアクセス4万記念】わたくし、艦む○はむしろ、異世界で無双させるべきと思いますの。【後編】

ちょい悪令嬢「──ええっ、反則チートこそが、艦む○にとっての、本来の持ち味ですって⁉」




メリーさん太「実際、艦む○ほどの反則チートな存在も、いないと思うの。原作オリジナルのゲームの『艦○れ』においては、基本的に艦む○しか登場せず、海戦相手の敵陣営も、艦む○同等の力を有する『深海○艦』であるゆえに、艦む○というキャラクターが、文字通りに反則級に異常な存在であることが、わかりにくいだけの話で、本当の真価は、ゲーム内のような集団戦ではなく、個別に対人戦を行う際にこそ、発揮できるものと思われるの」




ちょい悪令嬢「……そうは言っても、基本的には艦隊ゲームなんだから、集団戦になるのは、仕方ないことじゃないの?」




メリーさん太「──だったらどうして、絶大なる力を秘めた軍艦が、女の子の姿なんかをしているわけ?」




ちょい悪令嬢「うおっ、いきなり核心中の核心を突いてきやがった⁉ やめろよ、今更そんな『大前提条件』を、蒸し返すような真似をするのは!」




メリーさん太「もちろん、ギャルゲ的な萌え要素も、『艦○れ』にとっては重要なセールスポイントだということも、理解できるの。──だからと言って、わざわざ軍艦を擬人化した意味を損なわせることになるのなら、本末転倒であり、やろうと思えばたとえ素人作家であろうとも、艦む○たちをもっと活躍させることだって、十分可能なの」




ちょい悪令嬢「──やめてえ! もう、おやめになってええええええ!!!」




メリーさん太「そう頭から拒まずに、ちょっと想像してご覧なさいな。外見上普通の女の子の姿をしているヒロインが、学園異能バトルなんかに巻き込まれて、あわや大ピンチと言ったところで、隠し持っていた旧帝国海軍の戦艦や駆逐艦の攻撃力を発揮して、それまで我が物顔だった、『イキリ異能ラノベ太郎や花子』どもを、虫けらのようにひねり潰すといった、ネット民大喝采必至のシチュエーションを!」


ちょい悪令嬢「要らねえよ、そんな拗らせ系のネット民の喝采なんて! それにいくら何でも、対人戦に軍艦そのものの攻撃力や防御力を持ち込むなんて、違和感バリバリのオーバーキルで、物語ストーリーとして破綻してしまうだろうが⁉」


メリーさん太「──おお、さすがは、(本来なら)総合司会! いいとこ突くじゃないの⁉」


ちょい悪令嬢「えっ、は、はい?」




メリーさん太「確かに艦む○は、単独行動での対人戦にこそ、その真価が発揮できるけど、その一方で、それこそ普通の人間サイズの質量しかないのに、どうして軍艦並みの攻撃力や防御力を発揮できるのか? たとえそれが可能だとしても、その原動力は一体何なのか? 艤装や弾薬はどこから供給されるのか? 燃料は人間用の食物でいいのか? 何か特殊な食べ物が必要なのか? 軍艦として行動するためには、どれだけの量の燃料を補給しなければならないのか? ──等々の、問題が山積みであり、しかも何とそれらの問題は、物理法則上この現実世界においては、けして解決できないものと思われるの」




ちょい悪令嬢「──だったら、駄目じゃん⁉」




メリーさん太「そうなの、駄目なの」


ちょい悪令嬢「それじゃあ、今までの会話って、一体何だったんだよ⁉」


メリーさん太「おやおや、大事なことをお忘れのようだけど、そもそもこの本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』の舞台って、どこでしたっけねえ?」


ちょい悪令嬢「え、本作の舞台って、それはもちろん、【本編】も現在の【魔法令嬢編】も、いわゆる剣と魔法のファンタジー異世界であって……………………って、ああ、そう言うことか⁉」




メリーさん太「そう、反則チート的存在である艦む○は、反則チートスキルの本場メッカである異世界においてこそ、その真価を全面的に発揮できるわけなの!」




ちょい悪令嬢「……そういえば、今回の【ハロウィン特別編】も、一応異世界が舞台だったっけ」


メリーさん太「異世界だったら、当然のごとく魔法やモンスターなんかが存在しているゆえに、基本的に『何でもアリ』だから、一見普通の女の子のようでいて、軍艦同等の力を有していようが、そのための弾薬や燃料が御都合主義的にいつでも十分に供給できようが、別に構わないしねえ」


ちょい悪令嬢「更にはファンタジーワールドと言うことで、ドラゴンとかの巨大モンスターがうようよしているんだから、軍艦並みの力を有していようが、それほど場違いというわけでも無いしね」




メリーさん太「しかも艦む○自身が、ある意味ファンタジー的存在でもあるから、何かと現実的制約が多い自衛隊なんかよりも、異世界において文字通りの『何でもアリ』の大活躍が期待できるから、単独行動でも集団戦でもケースバイケースで投入することによって、これまでに無い異世界ファンタジーの開拓だって、大いに実現可能と思われるところなの♡」




ちょい悪令嬢「……確かに、自衛隊なんかよりも、艦む○を二、三人異世界召喚したほうが、『軍事力』としては、より絶大なものがあるでしょうしね」


メリーさん太「たぶん、『自衛隊異世界転移』作品って、異世界における『リアルな戦争』を実現したいんだと思うけど、異世界といえばむしろ、ファンタジーであることこそがウリなのだから、艦む○のほうがよほどふさわしいわけなのよ」


ちょい悪令嬢「しかし、よその世界から召喚された勇者が、艦む○だったりしたら、魔王なんかのラスボスも、びっくり仰天でしょうねえ」


メリーさん太「召喚する側も、新たにチートスキルを与えないで済むから、安上がりだしね」




ちょい悪令嬢「そもそも、何の取り柄もないヒキオタニートばかりを召喚しようとする、既存の異世界系Web小説のほうがおかしいんだけどね」




メリーさん太「あはは、それを言っちゃ、おしまいなの♡」





















ちょい悪令嬢「……つまり、第325話までの【ハロウィン特別編】は、今回テーマに取り上げた『艦む○の異世界無双』案の、テストケースというわけだったのね?」


メリーさん太「そういうこと。よってこのアイディアの著作権はすでに確保済みとなっておりますので、無断使用は厳に慎まれるよう、よろしくお願いいたします」


ちょい悪令嬢「えっ、これ自体が、『艦○れ』の二次創作みたいなものじゃないの?」


メリーさん太「単なる『軍艦擬人化ヒロイン』自体には、確たる著作権は存在しないので、別に問題は無いことは、本編ですでに述べているの」


ちょい悪令嬢「……つまりその時点ですでに、予防線を張っていたわけね」


メリーさん太「そういうところに抜け目がないのも、本作の作者の、数少ない長所の一つなの♡」

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