第165話、わたくし、いくらエイプリールフールでも、この作品自体が嘘でしかなかったなんて、あんまりだと思いますの。
──はーい、現代日本の推定三千万人の、『魔法少女』愛好家の、ヒキオタニートのお兄ちゃんたち、こんにちは!
『魔法令嬢、ちょい悪シスターズ』でお馴染みの、『
今日はストーリーも一区切りついたことだし、いきなりほとんど説明無しで始まった、いわゆる『作中作』的な本シリーズがどのような世界観に基づいているのか、改めてご紹介するね!
まずは、
確かに超常の力を有する『悪役令嬢』を放っておくと、社会に対して多大なる悪影響を与えてしまいかねないけど、そのためにこそ
その際には、
続いて、
もっと細かい舞台設定として、
──ちなみにこの学園の生徒たちは、『悪役令嬢』の実の娘ゆえに母親同等の力を秘めている、
──さて、ここからはいよいよ、学園きってのエースグループである、
まず最初は当然この
自分で言うのも何だけど、月の雫のごとき銀白色の長い髪の毛に縁取られた、端整なる小顔の中で夜空の満月そのままの
いまだ小柄で華奢な肢体を包み込むバトルコスチュームは、ウエディングドレスをイメージした純白のミニスカワンピースを基調としたもので、魔法のステッキは通常形態から魔導書『アカシックレコード』へと変幻自在な、ちょっと特殊なやつなの。
そして肝心の『魔法令嬢』としてのスキルは、『アカシックレコード』なんかを持っていることからもわかるように、『未来予知能力』なのよ!
ただし、本来なら最強無敵とも言える力なのに、
次に、グループのリーダーである、ヨウコちゃん──『九尾の魔法令嬢』、ヨウコ=タマモ=クミホ=メツボシ嬢についてだけど、
☀ ◑ ☀ ◑ ☀ ◑
「……何よ、メイ。あなたまた、性懲りもなく、『
私こと、ホワンロン王国筆頭公爵家御令嬢アルテミス=ツクヨミ=セレルーナ様の専属メイド、メイ=アカシャ=ドーマンが、本来は敵対関係にある聖レーン転生教団の教皇庁に与えられた作業室にて、愛用の魔導書型タブレットPCに向かって、新作『魔法令嬢、ちょい悪シスターズ』の【エイプリールフール特別編】を執筆していたところ、突然かけられるもはや耳馴染みの声。
「──って、でけえ⁉」
「……はいはい、もう、『お約束』だか『天丼』は、食傷気味だから(天丼だけに)」
そう言いながらも、腕を組み、さもこれ見よがしに、スイカのごとき胸元を押し上げる、エアハルト=ミルヒ
「『嘘企画』とは、ずいぶんな言いようね? これは単なる
「……実際に力を貸して、実情を垣間見ているからこそ、心配しているんじゃないの? 特に最新エピソードにおいては、『初代の
「……『あいつ』のやることまで、知ったこっちゃ無いわよ? 別に私が招き寄せたわけじゃないんだし」
「とぼけても無駄よ、私が構築した夢の世界の『結界』に、微妙なほころびが生じていたことが、『初代』さんの侵入を許した後でわかったんだけど、そんなことができるのは、当の
……う〜ん、やっぱり気づかれてしまったかあ。
仕方ない、この『計画』を完璧に遂行させるためには、『
「ちょっと、話を聞いているの? 下手したら、あなたの『お嬢様』が危なかったのよ? あなた、それでもいいわけ?」
「──はあ? 何言っているんですか? 私が大切な『お嬢様』を、危険にさらしたりするわけがないでしょうが?」
当然のごとく即答する私に対して、途端に怪訝な表情となる、自称『ミルクの次官』殿。
「え、で、でも、あなた、あの時……」
「あはは、実は『あれ』も必要なことだったのですよ、何よりも私の、『お嬢様』のためにね」
「ちょ、ちょっと、待って! あなたの言う『お嬢様』って、あなたが唯一仕えている、『御主人様』としての『お嬢様』のことだよね⁉」
「? 何で今更、そんなことをお聞きになるのですかあ?」
「い、いや、何だか、あなたの言う『お嬢様』と、私の言う『お嬢様』とが、何となく
「ふふっ、変な次官殿。私にとっての『お嬢様』は、一人っきりに決まっているではないですかあ」
「そ、そうようね! ──ごめんなさいねえ、私の取り越し苦労に過ぎないのに、変なこと言っちゃって」
「いいええ、わかってくだされば、それでいいのですよう♡」
──そう、私の『お嬢様』は、
どんなに世界が変わろうとも、どんなに時代が移ろおうとも、
何度裏切られてしまおうとも、何度この手で死なせてしまおうとも、
──私は今度こそ必ず、『彼女』のことを、捕まえてみせる!
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