第117話、わたくし、三位一体『トロイカ体制』で、再出発いたしますの。
ちょい悪令嬢「──はい、読者の皆様、アロ〜ハ。完全にグロッキーな、ちょい悪令嬢でっす☆」
異世界公務員タイラー「……まあ、無理もありませんよね、何と言っても、昨日の今日ですし」
可愛いミコちゃん♡「それなのに、うちの作品はすでに午前中に
ちょい悪令嬢「えっ、そうなのですか⁉」
異世界公務員タイラー「……あの作者、そんなに創作意欲が高かったっけ?」
可愛いミコちゃん♡「ほら、うちのは現在、シリーズ物をやっていて、いくらプロット無しがデフォルトの作者でも、ストーリーラインがぼんやりとはいえ一応できているし、それに何よりもシリーズ物だから、一話の文字数が少なくていいしで、書きやすかったのではないでしょうか?」
ちょい悪令嬢「ああ、なるほど」
異世界公務員タイラー「こちらさんだって、こうして今回は、座談会形式ですものね」
可愛いミコちゃん♡「むしろ心配なのは、タイラーさんの
ちょい悪令嬢「──ちょ、ちょっと、待ってください! まったく前提無しで、このようにいきなり話を始めても、読者の皆様のほうも、わけがわからないかと思われますので、ここできちんと、お二方のことをご紹介させてください!」
異世界公務員タイラー「そりゃ、そうですよね」
可愛いミコちゃん♡「もしかしたら、『わたくし、悪役令嬢ですの!』の新登場キャラかと思われている、読者様もおられるかも知れませんからね」
ちょい悪令嬢「──はい、そういうわけでして、改めてご紹介いたします! 『カクヨム』様オンリーで公開いたしております、『転生法』という新作のほうからお越しいただいた、某異世界の『転生局転生法整備課』勤務の平課員さんと、『小説家になろう』様オンリーで公開いたしております、『なろうの女神が支配する』という新作のほうからお越しいただいた、十代半ばのお歳にして凄腕の召喚術士であられるエリザベート=シュタインホフさんとの、お二方です!」
異世界公務員タイラー「あ、『平課員』というのは、『ヒラの課員』という意味ですので、名字が『平』というわけではございませんから、念のため」
可愛いミコちゃん♡「実は私は、うちの世界の極東の島国において、『神降ろしの巫女』と呼ばれている、超常の一族の血を引いておりますので、『ミコ』という
ちょい悪令嬢「……それって、何か
異世界公務員タイラー「いや、それこそ、被害妄想でしょう」
可愛いミコちゃん♡「そうですよ、ちょい悪令嬢さんも、十分可愛らしいではありませんか♡」
ちょい悪令嬢「──いえいえ、司会のくせに、ゲストの皆様にお気を使わせてしまって、大変申し訳ございません。これ以上余計なことを言わずに、さっさと話を進めましょう。それでまさにお二人の
異世界公務員タイラー「……この作品の作者は、現在のWeb小説のメインの読者層の年齢を、一体何歳だと思っているのでしょうか?」
可愛いミコちゃん♡「電撃文庫のほうも、まさに『知る人ぞ知る』隠れた名作ですし」
ちょい悪令嬢「い、いいんですよ、あの作者がマニアックな趣味をしているのは、今更言うまでもないことですし。それよりもこうしてお二方をお招きしたのは、当然それぞれの作品のご紹介をするとともに、本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』を含めまして、これから先の棲み分けをどうしていくべきかを、このようにそれぞれの作品から代表者を募りまして、話し合うためなのです」
異世界公務員タイラー「……我々の作品の、棲み分け、ですか?」
可愛いミコちゃん♡「それを、登場人物同士で、話し合うと?」
ちょい悪令嬢「それと申しますのも、タイラーさんの『転生法』は、昨今の猫も杓子も異世界転生してしまう風潮を、新たに『転生法』なるルールを設定して規制するに当たって、異世界転生そのものを抑制しようとするのではなく、むしろ既存の様々なWeb作品の内容に合わせて、異世界そのものやそこに暮らしている異世界人のほうに、あたかも小説やゲームの登場人物であるかのような役割を押し付けて、現代日本からの転生者の皆様に、快適な異世界ライフを送っていただくことこそを最大の目的にしているという、ある意味現在のWeb小説界における『異世界転生礼賛主義』を、痛烈に皮肉った内容になっておりますよね?」
異世界公務員タイラー「……ああ、まあ、かいつまんで申せば、そういった趣旨になっております」
ちょい悪令嬢「それに対して、ミコちゃんの『なろうの女神が支配する』のほうは、逆に明確な方向性を設定せず、大枠として『異世界』を題材にした、それぞれのエピソード間に必ずしも関連性のない、文字通りの短編連作作品となっておりますが、やはりこの作者お得意の量子論や集合無意識論に則って、既存のステレオタイプの異世界転生作品に対する痛烈なるアンチテーゼを叩きつける内容となっておりますよね?」
可愛いミコちゃん♡「……そ、そうですね、それほどあからさまではないのですが、隠し味として、シニカルな面があるのは否定できませんね」
ちょい悪令嬢「それで残る本作はといえば、まさにこれまではお二方の作品を合体させたものに、本作ならではの個性的なキャラクターたちが、それぞれのドラマを演じているといった感じになっておりまして、当然のごとく、お二方の作品とは、重なる部分が多々ございますのですよ」
異世界公務員タイラー「ああ、だから我々が前もって意思の統一をはかっておくことで、これから先、無駄なダブりを防止しようといった話なのですか?」
ちょい悪令嬢「そうそう、やはりこれだけ作品のカラーが似通っていれば、なにがしかのガイドラインは必要ですからね」
可愛いミコちゃん♡「……いや、ひょっとして、むしろ、話は逆なのでは?」
ちょい悪令嬢「へ? 逆って……」
異世界公務員タイラー「──ああ、なるほど、そうかもしれませんね!」
可愛いミコちゃん♡「そもそも『わたくし、悪役令嬢ですの!』が、『何でもアリ』を標榜していたこともあって、いろいろなジャンルを無分別に内包してきたから、それとは別の作品として、同じ異世界系でも、ちゃんとしたコンセプトを持ったものを作成することで、あまり『わたくし、悪役令嬢ですの!』としてはふさわしいとは思えないアイディア等があった場合は、私たちの作品のほうで、受け持っていくといった方向ではないでしょうか?」
ちょい悪令嬢「おお、そう言われてみると、確かにそうですね! 特にちょっと前に連続公開したばかりの、『短編三作品』なんか、別に『わたくし、悪役令嬢ですの!』内のエピソードで無くても、何の問題は無かったですものね」
異世界公務員タイラー「たぶんそういったのを、ミコちゃんのほうで、やっていただこうという趣旨なんですよ」
可愛いミコちゃん♡「で、それとは逆に、独立した中短編作品にするまでも無いもの、『わたくし、悪役令嬢ですの!』で言えば、第103話の『大魔導士の闇』なんかの『一発ネタ』的エピソードは、『転生法』のほうで担ってもらうって、話なのではないでしょうか」
異世界公務員タイラー「それで、いわゆる『贅肉』をそぎ落として身軽になることによって、作品開始当時の『本来の趣旨』に立ち返って、より『わたくし、悪役令嬢ですの!』らしい作品づくりに邁進できるというわけなんですよ」
可愛いミコちゃん♡「具体的に申せば、ちょい悪令嬢さんを始めとして、あんなに魅力的なキャラクターが大勢おられるのですから、それぞれのキャラにスポット当てての新たなるストーリー展開なんてのも、十分考えられると思われますよ?」
ちょい悪令嬢「い、いやだ、
異世界公務員タイラー「いえいえ、これはあくまでも、客観的意見ですから」
可愛いミコちゃん♡「もっと自信を持たれて、『わたくし、悪役令嬢ですの!』ならではの作品展開を、推し進めてくださいね♡」
ちょい悪令嬢「……ま、まあ、キャラクターが魅力的かどうかは置いといて、お二方の作品が新規にスタートされた中での、本作の立ち位置の在り方としては、非常に納得いたしました! ──そういうことで、我々三作品としては、これ以降、それぞれそういった趣旨の元で、棲み分けを行っていくといった方針で、よろしいでしょうか?」
異世界公務員タイラー&可愛いミコちゃん♡「「異議なーし!!!」」
ちょい悪令嬢「──というわけで、これからの881374の作品は、本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』を始め、『転生法』と『なろうの女神が支配する』との、三作一心同体の、いわゆる『トロイカ体制』でお送りして参りますので、読者の皆様も引き続きご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします!」
異世界公務員タイラー「……トロイカ体制って」
可愛いミコちゃん♡「ほんと、一体どの世代向けの作品なんでしょうね、これって?」
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