クッチョロ!!3
沙魚人
第1話 カスタマー
珍しいこともあるものだ、と思って出た。
「お世話になります。美生さん、今、電話大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。」
佳が美生の首に抱きついて、電話の邪魔をする。美生は優しく佳を引き剥がした。
店主によると、ヴェスパが欲しいという新規のお客さんがいるのだが、今、重整備が2、3入ってしまっていて、そちらが片付くまで一月程待ってほしいとお願いしている。が、日本語が通じないのか、毎日のように電話がかかってくる。
電話に出るまで1日に何度もかけてくるし、出ればとりあえずその日はもうかかってこなくなるので出て、なるべく早く話を終えるようにしていたのだが、話を聞いている内に、美生と同じ女子大の学生だとわかった。
そこで店主の手が空くまで、美生にそのお客さんのヴェスパの話を聞いてやってくれないか? ということだった。店主もかなり困っているようだったので、引き受ける旨伝えると、
「助かります、そのお客さんに美生さんの電話番号を教えて、連絡するよう伝えます。」
電話が切れて、美生は、多分あの人かな、と見当がついた。
その人は、とにかくすごい美人だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます