第28話

通販で材料を用意した

ひかりには暇潰しに欲しいものがあるって

言って買ってもらった

こういうときに外に出歩けないのがもどかしい

お金はいつも家事をしているから給料だよって言ってはくれたがすこし後ろめたい気持ちはあった


でもひかりが喜ぶ顔が見たくてプライドなんて捨てた


「「最優秀助演女優賞はひかりさんです!」」


すごい、本当にすごい

ひかりはモブキャラなんかじゃなかった

気持ちひとつ変わるだけでこんなスポットライトが当たるステージに立てるんだから




ひかりがたくさん照らされれば照らされるほど俺の影はどんどん黒くなっていく気がした

しおりに渡すはずだった指輪をしまいこんだ




「ただいま、遅くなっちゃったなかなか返してくれなくて」

「いいや、おめでとう

目をつむってこっちに来て」

「なになにー?」

ひかりの手を引いてリビングまで連れていった


「いいよ目を開けて」

手作りのプラネタリウムで映し出された満天の星空にひかりは少女のように目を輝かせて喜んでいた


「ひかりおめでとう」

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