第10話

朝になり俺は学校に行く振りをして外に出た

なんのあてもなく歩いた

何時間かして

携帯を見るとしおりから


どうだった?とか

だめだった?とか

大丈夫?とか

たくさんメールが来ていた


しおりは俺を俺として見てくれてる俺はすぐに電話をかけた


「しおり、会いたい」

「わかったよ、抜け出してくるから待っててね」



「秀くん!」

俺を見つけて飛び付いて抱きついてきた

「初めて学校サボって抜け出しちゃったよ!ふふふ

学校サボってなにやってるのかなー?」

覗き込んできたしおりは不安そうで泣きそうな顔をしていた

明るく振る舞っていただけだった

「俺って誰なんだろう?」

「秀くんだよ、円山、秀」

「もう母さんにとってのいい子でいるのはもう辞めたい

秀でいたい」

「いいよ、学校サボって悪い子になっちゃったもんね

私ね秀くんがどんな人でも、好きだよ

だって秀くんは秀くんだもん

ねぇ?家来ない?」

しおりは独り暮らしをしている

「ふふふ秀くんは私が誘拐したよ

だからうちにいなよ」

「しおり俺迷惑じゃ」

「このまま悪いことしよっか」

俺の口を塞ぐようにキスをした



今日俺は学校をサボってしおりを何度も何度も求めた

昨日を無かったことにして自分を取り戻すために



しおりは俺の名前を呼んでくれた



俺は秀




「秀くんしばらく私んち居るといいよ

私が秀くんを守るよ」



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