第8話

「母さん、誕生日おめでとう」

心臓が張り裂けそうだった

母さんも驚いていた


買ってきた花を渡した

「秀、ありがとう」

「ケーキも買ってきたんだ食べよう」

思いっきり抱き締められた


そして母さんは俺の目を見つめキスをしてきた

なにが起こったのかよくわからないでいると

舌をからませてきた

俺のことを離そうとしない

パニックになって引き離そうとしたら

思いっきり押し倒されて馬乗りにされた

母さんの顔を見上げると

そこには知らない人がいた

俺の知っている母さんではなかった


「和秀さん、和秀さん」


父さんの名前だ

名前しか知らない父さん

母さんは俺と父さんを重ねている

俺は悟ってしまい抵抗をやめた



母さんは和秀を貪るようにセックスしている

母さんはずっと俺を見ていなかったんだ

俺じゃなく父さんを見ていたんだ


母さんは行為が終わると

俺の顔を確かめるようにさわり

「ほんとに出会った頃の和秀さんそっくり

顔も頭がいいとこも雰囲気も、、、

そして私の機嫌が悪いときに花とケーキを買ってくるなんて和秀さんのいつものパターンよ

ほんとに驚いたまさにあの人じゃない、、、

そしてねこうやってセックスをするの


もう秀だと思えなかったわ

ここ一年ずっと我慢してたのに秀が悪いのよ

もう私のこと捨てないでね和秀さん」


俺は秀を無くしてしまった





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る