Chapter.1 終わりの始まり

人間とは


なんと愚かな生き物なのだろうか


自らの手で作り出したものに


全てを奪われる、という未来を


浅はかな考えによって


生み出してしまったのだから



人間が進歩し続け


〝より良いもの〟を作ろうとしたがために


起きてしまった、辛く悲しい現実


そしてそれを起こした、世界最強のロボット


゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚


とある研究所で


長年研究を続けた努力が実を結び、

人口知能を持つ、文字通り何でもできるロボット〝エニス〟が開発された。


研究所の人間達は大いに喜び、すぐにそれを世界へ知らせた。


研究所には毎日のようにマスコミや記者、野次馬が押しかけ、

エニスの存在は瞬く間に世界中に知れ渡った。



───人間に誠実だったエニス。


しかしある日、事件が起きた。


研究所内で起動させられていたエニスが、研究所から逃げ出したのだ。


……それだけではない。


エニスが逃げ出した後の研究所の入り口には、



警備の人間が二人、血を流しながら……息絶えていた。



そう、エニスは……



人を殺めたのだ。


今までの事が嘘であったかのように、演技だったかのように、人間に牙を剥いたのだ。



そして研究所の机に、


一枚の紙が置かれていた。



その紙には



《 来年までにこの世界を破滅させます


生物を滅亡させます


人間如きがどう足掻いても


無駄な抵抗というものです


誰にも私を止める事などできません


Anyth 》



そう、綴られていた。



研究所の人間達は人々の混乱を避けるために、


研究所の人間、及び関係者以外に、この情報を伝えることは無かった。


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