今度こそ召喚師でがんばる!

白虎猫丸

第1話 プロローグ

「はじめまして!残念ですがあなたは死んでしまいました!そしておめでとうあなたは一億人目の死者です。」




そういって鮮やかな紫色の髪をした美しい少女は胸を張って微笑んだ───










「はぁ疲れたわー」


コンビニのバックヤードで後輩の女子高生に愚痴を言いつつ軽い世間話をしてシフトを終える僕、25歳中卒の佐々木


「あ!佐々木さん今週の土曜日のシフト変わって貰えませんか?」


後輩のJK志穂ちゃんが急用があるのでと言っている。

そういえばもう一人の後輩である大学生の吉川君が土曜日にデートすると言っていたのを思い出す。

あ~あれの事か等と思いながら、その日なら大丈夫だよと返事をすると彼女はニコニコしていた。

お疲れーと言ってバックヤードから出て今日の晩ごはんを何にしようかといつも通りに悩みながらボーっと弁当などを見たあと

今日はパスタで良いかそう心の中で呟いてカルボナーラとタマゴサンドいつも買ってる迷彩柄の炭酸飲料を買い僕はさっきまで働いていたコンビニを後にする。



少し肌寒くなってきた陽気の中道路を見ると信号が点滅していた。

コンビニの敷地内を早足で通りコンビニ前の横断歩道に向かうと信号は点滅する赤から青に変わる

あ、ラッキー!などと急いで渡り始めた瞬間



ゴッ!



鈍い音が横から聞こえた

音の方を見ると青い軽自動車

あぁ...ひかれたと気付いた時にはフロントガラスに頭をぶつけていた。

運転手と目が合う。

一瞬の事であるはずなのに時間がゆっくり進む

凄い美人だなぁ~こんな人と結婚してみたいなぁー等と見とれていた僕の体はクルクルと手裏剣と様に宙を舞い地面に落ちた───





目を開けると真っ白な部屋にいた。

天井も壁も扉もベットもテーブルも椅子も真っ白である。

どうやら僕はベットに寝かされている様だ...

足は...動かない。

腕も駄目だ。

目は見えているが全身の感覚がなかった。


気を落ち着かせるためにあの言葉を言ってみる


「知らない天井だ。」


喋れた!?つまり目と耳と口は大丈夫の様だ

そんな事を考えているとトントンと扉がノックされた。


「どうぞ」


すると扉が開き美しい小さな女の子と美しい女秘書という雰囲気の二人組が入ってくる。

いや待ておかしい。

女秘書っぽい人は戦乙女ヴァルキリーの様な服装だ。

少女の服は...アレは一体なんだ?

最初は黒いワンピースかと思ったが宇宙...銀河が写っている様でその服はとても神秘的であった。





「はじめまして!残念ですがあなたは死んでしまいました!そしておめでとうあなたは一億人目の死者です!」


そう言った少女

だが...納得した。

最初はコスプレかと思ったが言葉では言い表せない様な神秘的な、人間とは違うと確信できる荘厳さがあったのだ。


「あの...あなたは神様ですか?」

「私は神様じゃないよ~人間がイメージしてる神様的な事はやってるけどさ」


そう言った少女

ならば疑問がある。では何者なんだ?


「神様は信仰され宗教がある存在でしょ?私は誰からも信仰されてないしそもそも知られてないからね」



心を読んだのだろう思っていた事を答えてくれた。

そして一つ質問良いですか?と問いかけるといいよ~とフランクに答えてくれる。


「一億人目の死者って言って...おっしゃっていましたが少なすぎかな~なんて思ったりしまして...」


変な敬語を使いつつ聞いてみた。人間の歴史とは戦争の歴史というし病気や僕のように事故で亡くなる人を合わせると一億人どころではないはずだ。

すると少女はこう言った。


「人類全体の死者じゃなくて私が担当してるのはアジア地区だけだから。

あ!敬語じゃなくてもいいよ~!あと私君のやってたバイトでいう所の新人でや~~っと!ここを任されたんだよ」



ニコニコと話す少女は嬉しそうにもっと聞きたいことカモン☆と言った。



Q.なんて呼べば良いですか? A.何でもいいよ~神様でも問題ないし

Q.現実というか僕の体はどうなったんですか? A.全身のぐちゃぐちゃの即死だね。

Q.これから僕はどうなるんですか? A.君には3つの選択肢が与えられる。



「選択肢?」

「うん、君には3つの選択肢が与えられる。一億人目だからね?普通なら選択なんてできないよ?」


そういって神様...少女は選択肢を提示してきた。


「まず一つ目、君が事故に巻き込まれる事はもう変えられないんだけど奇跡的に命が助かる。

ただし無傷とはいかないのでリハビリ生活を迎えるんだけど加害者である運転手の女性による献身的な介護で完治そして結婚」


あんな美人と結婚出来るのか!でも痛そうだな...


「二つ目、天国に行く。君は悪い事もやってないし天国に行けるんだけどあまりオススメはしない。」


「え?天国ですよね?」


「毎日が心地よい日差しと気持ちいい風が吹き抜ける美しい場所だけどねー。

肉体がないから食事が出来ない。もちろん飢えはしないけど食事の楽しみがないのは現代人にはつらいでしょ?

運動も出来ない性交も出来ない。生きてるときの昔話する位しか楽しみがない。」


それでも昔の人からすれば正に天国なんだけどねと説明してくれた。

確かに飢えも戦争もなく災害や病気に苦しめられる事もないそれは素晴らしいことなのだろう。でも僕は...


「三つ目だけど最近の死者から人気の異世界転生だよ」




キター!




僕は心の中で叫んだ───

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