第6話 10月はたそがれの国 

SF作家レイ・ブラッドベリの短編集にこういう題名のものがあった。

季節はまさに10月の真っ盛り。

秋の和白干潟はススキならぬアシの穂がそよぎ、ハママツナの紅葉が彩る。


熱晴れな今年の夏場を過ぎると、急速に冬の手前の秋の空気が海浜を吹き過ぎる。


あれだけいた貝掘りの群衆が姿を消し、今は野鳥以外浜辺を歩く人も限られる。

その証拠に、眼前の砂浜には、人の足跡のかわりに、三つ指の海鳥の足跡が、そこここに。


干潮で引いた砂浜の遠くの渡り鳥の一群、あの中には今年17羽来ているミヤコドリの一群が混じっているのだろうか?


そんなことを考えながら、目の前の空き缶をひとつ拾って帰る。

リングプルは公民館に渡すと、車椅子に。

その残りは子供会の収益に。


遥か昔の文学少女はいつしかボランティアお母さんに。






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