才能

 才能と呼ばれるものはいかんせん不平等なもので、誰にでも与えられるものではない。


 同じ道を歩いていたはずが、隣を歩いていたあの子は道を引き返していった。


 ずっと先を走っていたアイツは、「ゴールが見えないから。」と言って去っていった。


 才能とは、技術や表現力のような養えるものの事ではない。


 たとえ一人になっても、他人より自分の方が劣っているとしても、真っ直ぐ道の先を見て歩き続ける勇気の事を言うのだ。


 今になってやっとそれに気付いた私は、大きく出遅れながらも一歩を踏み出した。


 私には才能が与えられているのかどうか、これから確かめに行こうと思う。

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