リンドウよ、私の為に咲いてくれ。

 荒れた大地に凛々しく咲く誰かのリンドウ。


 曇り空の切れ間から差す一条の光に照らされるその紫の花弁は、私の足元に咲くリンドウよりも美しい。


 私の太陽はとうの昔に死んだよ。


 死んだ太陽の元、死んだ土地の上に、ただ紫の花を咲かせている私のリンドウ。


 水をあげる度に雄々しく葉を伸ばす。


 たくましく育ったリンドウはそう見えるだけで、他人から見れば取り繕った造花でしかない。


 そんなリンドウを、私たちは「誇り」や「自信」という。

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