個人的自殺者

 スーツや制服に身を包んだ人達は、今日も血まみれの駅で電車を待っている。


 転落防止の柵から腕を出し、「個人」を線路に捨てて、電車を待っている。


 ホームに近づいた一号車は、線路上の「個人」を全て轢き殺し、血しぶきをホームに撒き散らした。


「社会」となった人達を乗せて、電車は今日も進む。


「個人」は何度でも蘇り、そしてきっと明日も自殺していくだろう。


 ちなみに、自殺率は年々減少していっているらしい。

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