just ordinary ただのひと

@tusabeaqui

序章

「おはようございます。ご利用ありがとうございます。」

 駅員は利用客にむかって改札の窓口で挨拶をしている。改札を通った人全員に挨拶はしておらず、誰に挨拶をするのかは駅員のみぞ知る世界である。誰も返事はしない。

 私が挨拶を返したらさぞぎょっとするだろうな。

 何の気もなしに、決意というには大げさすぎるぐらいのことを心に決めた。挨拶されたらしかえしてみよう。しかし、実現する日はとうとう来なかった。


これは私が最寄り駅の駅員に挨拶される日までの記録と独白である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

just ordinary ただのひと @tusabeaqui

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る