第4話いつもの道化師、ある日の呟き

「……行って、しまいましたね…」


残された彼は、彼女が走って行った方向を見つめていた


その視線の先には、人影の無い真っ直ぐな道が先の方までのびていた


「とっても良い子だったのに、二度と会えないのは悲しいものですね…」


いそいそと荷物を片付け、彼は、彼女と反対側の道を歩いてゆく


その目に、悲しみの色を映したままで




ポツリと呟いた彼の言葉は、誰にも届かずに………

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